入れ歯の力

上下総入れ歯の93歳の患者様。

去年、当院で新しく上下の総入れ歯を作りました。

ご家族の方が先日治療の際にいらして、その患者様について私に質問されました。

「肺炎で入院したのですが、入れ歯を外しています。入れたほうがいいですか?」

弱っていて食べるどころではないので、入れ歯を入れていないということです。

入れ歯を入れていないので食事はままならず、流動食など召し上がっているとか。

その流動食も上手く飲み込めずに弱っていると。

そして入れ歯を入れていないので口が開いたままになり、意識もボーっとしてしまっていると。

私の答えは「入れ歯を入れてください。」です。

食べるのはもちろん、飲み込むだけでも入れ歯は必要です。

上下の咬み合わせがないと飲み込みにくいのです。

そのアドバイスをさせていただいたのが、先週のこと。

今朝診療前に、ご家族から電話があり、

「入れ歯を入れたら食事が完食出来たうえに、意識がはっきりして元気になりました!」

と感謝のお言葉をいただきました。

「やはり噛めるということは本当に大事なんだ」とあらためて実感しました。

「噛める」と唾液が分泌され、脳に刺激がいきますので覚醒するのです。

「噛む」と「噛める」は違います。噛める入れ歯が大事です。

この方の入れ歯作りは本当に大変だったのですが、自分の入れ歯作りのターニングポイントになったケースでした。(後日アップします)

朝から感謝のお言葉を頂けて、週明けの月曜日に気持ちの良いスタートが切れました^^

 

 

受け口は自然に治りますか?

毎年このシーズンは学校検診に出かけますが、気持ちのいいお天気の日が多くて嬉しいです。

先日も診療をお休みさせていただき、市内の幼稚園の歯科検診に行って来ました。

虫歯の子は少なかったのですが、ちょっと気になったのは噛み合わせや歯並びが心配な子が割といたことです。

特に気になったのは「受け口」です。

乳歯の時のごくごく軽い「受け口」は、永久歯に生え変わるときに自然に治ることもありますが

完全に反対になっている「受け口」の自然治癒はほとんど期待できません。

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「受け口」のことを歯科では反対咬合というのですが

ある研究結果によると乳歯列期の反対咬合が自然に治る確率は6.4%しかないというデータもあります。

歯科検診結果にかみ合わせや歯並びをチェックする項目がありますので、そういうお子さん達は歯医者さんで診てもらえるように「要受診」とさせてもらいました。

小学校低学年ぐらいまでの反対咬合はマウスピースタイプの矯正装置で治します。

当院ではプレオルソというマウスピースタイプの矯正装置を用いています。

従来からあるマウスピースタイプの物より、より効果的に治せるということで導入した治療方法です。

お子さんの歯医者デビュー

「初めての山は晴れた日に登れ」

私の尊敬する歯科医の先生の本の一節です。

山登りは大変なのに初めての登山で雨や雪が降っていたりしたら楽しくないですよね。

お子さんの歯医者さんデビューも同じようなものだと考えています。

今も昔も変わらず歯医者さんを怖がるお子さんはいらっしゃいます。

お母さんが何とか連れてきたけれどお子さんは不安でいっぱい。今にも泣き出しそう。すでに泣いている場合も(T_T)

「やっと連れてきたから何とか虫歯の治療をして帰りたい」

お気持ちは痛いほど分かります(^_^.)

でも初めての歯医者さんで無理は禁物です。

最初に無理をさせると歯医者さん嫌いになってしまい、今後歯医者さんに連れて行くのは至難の業となってしまいます。

怖いと思っている場所。初めて嗅ぐ歯医者さんの匂い。初めて会う先生。

否が応でも緊張してしまいます。

当院では初めて歯医者さんに来たお子さんをその日に治療することはほとんどありません。

「ちょっと頑張れば治療出来そうかな」と分かっていてもあえてしません。

初めて歯医者さんに行った日は良い記憶しかないようにしたいんです。

大人と違って子供は1回慣れると次は嘘のように積極的になります。

急がば回れですね。

今日も2回目のお子さんが来ました。頑張りました。ちょっと泣いてしまったけど、ちゃんと治せました。

ちゃんとできたので私もスタッフもお母さんもみんなで喜びました。

そしたら「ありがとう!」って笑顔で言ってくれました。

あと2か所虫歯があるけど、次はもっと大丈夫^^

3位は肺炎

ちょっと怖いお話です。

日本人の死因の3位は肺炎です。

ちなみに1位は癌、2位は心疾患です。

3位の肺炎になる原因の多くはお口の中の歯周病菌などの菌が原因で起こる「誤嚥性肺炎」といわれています。

「誤嚥性肺炎」の画像検索結果

「誤嚥」というのは食べ物を飲み込む際に、本来食道に入るはずが誤って気道に入ってしまうことをいいます。気道に入った菌は肺にまで到達します。その時に免疫力が落ちていると肺炎を起こす可能性があるんです。

高齢者の方は老化により飲み込む力が落ちている場合などは特に「誤嚥」しやすくなります。

虫歯や歯周病を予防するための歯のクリーニングが、お口の中の菌を減らし肺炎の予防にもつながります。

また「嚥下」する機能もなるべく落ちないように「嚥下体操」や「嚥下リハビリテーション」も盛んに行われるようになってきました。

高齢者になっても若い時からケアを受けていて歯周病がコントロールされていればそれほど心配ありません。

歯周病は30代半ばくらいからのケアが大事です。

歯周病は進行してしまってからでは治りに限界があり,再発しやすいので若いうちからの歯科医院での定期的なメンテナンスをおすすめします。

 

 

お花

GW開け初日の午前は予想通り新規患者さんや急患患者さんもいらして忙しかったです。

まぁ明日休みなのでなまった体を慣らすには忙しいくらいが丁度いいです^^

玄関に花が増えました。

DSC_3463DSC_3461 (2)スズランです。

スズランの花言葉は、

「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」「謙遜」

見頃は短いですが、小さい釣り鐘のような花が可愛いです。

ちなみ上の画像の左側の鉢は造花です。光触媒加工がしてあり、消臭効果もあります。

午後も頑張ります!