ブリッジ to インプラント×フルジルコニア

Br(ブリッジ)に問題が生じた患者さん。

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長年Brを支えた歯が弱くなり、Brのやり直しをしてもあまり長くは持たない可能性が・・。

持たないという事は抜歯になる可能性があるということです。

今回は再度Brにするのをやめてインプラントにすることに。

インプラントはBrのように周りの歯とつながないので、周りの歯に負担を掛けません。

いわゆるスタンドアローンです。

インプラントの上に被せる被せ物は「スクリューリテイン」といわれる「ねじ止め式被せ物」です。被せ物に何か問題が生じてもリペアしやすいメリットがあります。

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被せ物の素材はフルジルコニアです。

スクリューリテインにする場合は従来のセラミッククラウンでは欠けたりする可能性があります。

ストローマンインプラント×スクリューリテイン×フルジルコニアクラウン

噛む力が大きく加わる奥歯には、この組み合わせが良いと考えています。

この患者さんは下顎に骨隆起といわれる骨の出っ張りがあったり、下の前歯の歯並びがずれています。どちらも歯ぎしりや咬み合わせが強い方に起きる可能性がある現象です。(そうでない場合もあります)

ストローマンインプラントは世界シェア№1のインプラントメーカーです。他のメーカーのインプラントと比べて値段が高くなりますが、長期安定性は抜群で、もし自分自身がインプラント治療を受けるならこのメーカーのインプラントしか入れてほしくないので、このメーカーを使っています。

価格の妥協で長期的な安定を失う可能性があるのであれば、多少コストが高くても最善の選択肢を選ぶべきだと考えていますので、世界標準のインプラントを使い、かぶせ物の制作は日本でトップクラスの歯科技工所に依頼しています。

治療後は「何でも気にせずに良く噛めます」とおっしゃっていただき何よりです。お疲れ様です。

これからしっかりメンテナンスしますね!

before

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after

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ハンドピース×滅菌×歯科医院

先日、某新聞にまた歯科の滅菌についてこんな記事が出ていました。

「歯科医院で使うハンドピース(歯を削るドリル)の半数は使い回し・・」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170701-00050111-yom-soci

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170703-00050049-yomidr-sctch

ハンドピースとはこんな器具です↓

ti-max-x95-850x850またというのは5年前の同新聞に7割が使い回しという記事が出たからです。

5年経って2割が減ったものの、いまだに半数が使い回ししていると・・。

「使い回し」といっても前の患者さんに使ったものを清掃せずに使っているわけではなく、滅菌せずにアルコール消毒等で済ませている医院のことを指すのだと思います。

消毒では肝炎ウイルスやHIVウイルスなどは死滅しないので消毒だけでは不十分です。

あらためて言う事でもないのですが・・・

当院ではハンドピースを滅菌しています。

ただ滅菌しているだけではありません。手間をかけて滅菌しています。

まずアルコールを浸したガーゼで唾液や血液を十分に拭き取ります(滅菌する前に手作業でしっかりと拭き取りをすることはかなり大切です。)

ハンドピースの内部の汚染された唾液や血液は拭き取れないので、自動でハンドピース内部をオイル洗浄する機械にかけて注油洗浄します。 (洗浄注油スプレーを手で直接注油する方法もありますが、機械に比べて清掃が十分といえません)↓↓

「ケア3 NSK」の画像検索結果

注油洗浄が終わったら、ハンドピースの内部まで真空状態で滅菌できるヨーロッパの滅菌基準に準拠したハンドピース専用滅菌器で滅菌します↓

「アイクレーブミニ」の画像検索結果

パックで滅菌されたハンドピースは次に使用するまで汚染されることなく、清潔な状態で保管されます。

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絶対に使い回ししないので医院の規模以上にハンドピースの数を確保しています

もちろん歯を削るドリルの先も全部滅菌しています。

当然、治療用手袋(グローブ)も患者さんごとに交換しています。

使い終わったグローブ1日分↓

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患者さんのお口に入る物はいつも清潔な状態です。ご安心ください^^

検診シーズンも終盤

急に暑くなってきましたね。今年の梅雨は雨が少ない気がします。

歯科検診シーズンも終盤です。

5~6月にかけて小学校、高校、1歳半検診と診療時間を変更して出務してきました。

来週の保育園の歯科検診に出かけたら今年の出務は終わりです。

今年から園医をさせていただくことになった新しい保育園です。

当院に来てくれているお子さんも通っている保育園なので、ちょっと会うのが楽しみです。

本人は気付かないでしょうけど^^

「子供 歯 イラスト フリー」の画像検索結果

 

お子さんの虫歯予防のコツ 

院長の笹山です。

学校検診シーズンも終わり、お子さんが学校から検診結果を持ち帰る頃です。

お子さんの虫歯予防にどんなことを気をつけていますか?

「甘いものをあまりあげない。」

「仕上げ磨きを欠かさない。」

色々あると思います。

虫歯予防のポイントは

①フッ素入り歯磨き粉で磨く。磨いたら1回もゆすがない。

②小学校6年生くらいまでは、毎晩仕上げ磨きを必ずおこなってあげ、歯と歯の間も清掃してあげる。(糸ようじがおすすめ)

③乳酸飲料・炭酸飲料・スポーツドリンクは極力与えない。

④歯科医院で定期的にフッ素塗布の処置を受ける。3か月に1回がベスト。

⑤間食は1日1回。

この5つを気をつければ、そうそう虫歯は出来ません。

当院では虫歯のあるお子さんの保護者の方に、虫歯予防アンケートをご記入いただき、虫歯予防についてお話しする時間を設けています。虫歯は防げる病気です。ちょっとしたコツをつかめば予防できますよ。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

歯を抜かずに残す×ジルコニアオールセラミック

硬いパンを食べたら歯が折れてしまった患者さん。

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グラグラの折れた歯の部分を麻酔して取り除きました。

歯の根まで折れてしまっています・・・。

DSC_3448通常歯の根が深くまで折れてしまった歯は抜歯適応となります。

このケースでは根の一部が歯茎より5ミリ近く深い位置まで折れてしまっていました。

最近の歯科業界の傾向ですと考えられる治療は抜歯して「即時インプラント」

「即時インプラント」とは歯を抜くのと同時にインプラントを埋め込む治療のことをいいます。

確かに抜いた周りの骨が痩せる前にインプラントを埋めれば長期的な予後は良いといえます。

当院でもインプラント治療をおこなっていますが、あらゆる治療の選択肢の中でインプラントが一番有効である場合におこなうと決めています。

もしくはこの歯を抜いて両隣の歯を削ってブリッジ。

でも両隣の歯は健康なキレイな歯なので、患者さんも私も削りたくありません。

今回は歯を抜かずに残して治療することにしました。

抜かないで、インプラントにもしないで、どうやって?

「エクストルージョン」という治療方法です。

折れた根のまま歯をかぶせても長持ちはしませんので、歯の寿命を延ばすために矯正治療を行い、歯の根っこの位置を変えます。

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根の折れた面を歯ぐきの高さまでゆっくり引っ張り上げる治療です。

根にフックをつけ、両隣の歯にバーを渡して矯正用のゴムで牽引します。およそ1~2か月かかります。

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前歯は見た目の問題もあるので、装置の上から薄い仮歯を装着して目立たないようにします。

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上から見るとこんな感じ。複雑な装置です。

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レントゲンではこう見えます。左側がスタート。右側が終了間際。

DSC_3517バーフックの距離が縮まっているのが分かりますか?この縮まった距離分、歯の根が移動したということです。*生物学的幅径biologic widthが確保された状態です。

ひと手間かけて、このように歯の根を位置を変えるだけで歯の寿命は確実に長くなります。

治療後:最終的にジルコニアオールセラミッククラウンの歯が入った状態です。

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10年前から仕事をお願いしている、いつもの歯科技工士さんに作って頂きました。自然な見た目ですね^^

*患歯の歯頸線の位置も術前と比較して反対側の側切歯と対称性が改善されています。クリーピングできるような歯根形態を付与していますので、これから歯肉レベルがもう少し揃ってくると思われます。

この治療は健康保険は適応しませんが、インプラントと比べると治療費もかなり抑えることもできます。

何より人工歯根であるインプラントではなく、ご自身の歯の根を生かす治療ですから体に優しい治療です^^