関西も梅雨入りだそうです。
雨の多い季節は気圧の変化が多くなります。
気圧の変化は隠れていた歯の問題を刺激し、急な歯痛などが起きやすくなります。
6月4日の虫歯予防の日は終わりましたが、歯の検診を欠かさず、小さい問題が大きな問題にならないようにしましょう!
院内に隠れカエルが何匹か潜んでいますよ。見つけたらラッキー?
「よく噛んで食べなきゃダメ」
「30回噛んでから飲み込みましょう」
子供の頃、一度は言われた、聞いたことがあると思います。
お子さんに言ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ「よく噛んで食べなさい」言われただけで、なかなか聞いてくれません。
よく噛むと良いことがたくさんあるんです。
①よく噛むと唾液が出ます
唾液には虫歯予防や粘膜の保護、消化を助ける働きがあります。
②よく噛むと良い顔になる
よく噛むと口の周りの筋肉を十分に使います。
口の周りの筋肉は目や頬の筋肉と繋がっており、よく噛むと口元の締りが良くなり、表情も良くなります。
③よく噛むと脳を刺激できる
集中力や記憶力を高める、リラックス効果を得られる、肥満防止効果などがあるといわれています。
④よく噛むと歯並びが良くなる
よく噛むことで顎の骨の発達を促し、歯並びがよくなります。
以上よく噛むと良い理由をあげましたが、よく噛まないと逆の結果になるともいえるでしょう。
現代の食事は柔らかくてあまり噛まなくても飲み込めるものが多くなっています。
「よく噛みなさい」と言っても、すぐに飲み込めるものを長く噛み続けるのは難しいです。
ここからポイントです。
よく噛むには
①食事中の飲み物を減らしましょう。
食事中によく噛まないでお茶やお水で流しこんでしまうことがあります。
しっかり噛めば唾液が出て、水分を含まなくてもある程度は飲み込めます。
食事にお味噌汁やスープなどがある場合は、お茶やお水は無しでもいいぐらいです。
②食材を細かく切りすぎないようにしましょう。
野菜が苦手なお子さんが食べやすいように、細かく刻んでしまうこともあると思いますが、
野菜などは大きく切って前歯でぶつ切りしてかぶりつかせるようにしましょう。
③和食を増やしましょう
和食は歯ごたえのあるメニューが多いので必然的に噛む回数が増えます。
④噛み応えのある食べ物を食べましょう。
例)フランスパン、たくあん、 肉のソテー、キャベツ、油揚げ、いか
お子さんに「よく噛んで食べなさい」という時にはこんな理由づけをしてみてはいかがですか?
①よく噛むと虫歯になりにくくなるよ!
②よく噛むとかっこいい(かわいい)お顔になれるよ!
③よく噛むと賢くなるよ!
以上「よく噛まずに飲み込んでしまうお子さんには・・」でした。
「同じ歯を5回治療すると抜歯になる」
歯科業界でいわれる話ですが、可能性としては十分にあります。
抜歯に至るまでのよくある過程を見てみましょう。
このように同じ歯を5回治療すると、抜歯に至る可能性は十分にあります。
歯は治療するたびに元の歯が少なくなり、人工の材料に置換されていくので、「治った」という定義が「元通り」ということならば、治療しても「元通り」にはなっておらず、むしろ治療するたびにどんどん弱くなります。
歯は爪や髪の毛のように生え変わりません。神経や血管も通っている体の一部なんです。
歯を失うと義歯を入れます。義歯は義足や義手と同じで失った体を補う装具です。
義歯の機能は元の歯には及びません。
今のところはインプラント治療が一番天然の歯に近い機能回復が可能な治療方法ですが、
保険適応ではありませんので歯を失うたびにインプラント治療を受けていてはとんでもない経済負担になってしまいます。
芸能人の方で何百万円もかけてインプラント治療をされている人もいますが、職業上入れ歯にすることができないので仕方がないのです。
虫歯や歯周病は予防で十分に防げる病気です。
当院は今日も予防 明日も予防 とにかく予防を大切に診療しています。
歯を大切に^^
学校検診シーズンですね。
私もこの時期は幼稚園、保育園や高校などの歯科検診に出かけます。
お母さん方は近々お子さんが持ち帰った歯科検診の結果をご覧になることと思います。
検診結果は書式はそれぞれありますが
主な項目は
①虫歯の有無
②歯肉や歯垢の状態
③歯並びや噛み合わせ
④顎の関節
などです。
この項目の中で一番気になる項目はなんでしょう?
やはり①の虫歯の有無でしょうか?
虫歯が無いのは確かに良いことです。
しかし・・
歯肉炎や歯垢の状態が要指導や要治療だった場合どうされますか?
「虫歯じゃないし、まぁいいか」となっていませんか?
これが意外と落とし穴なんです。
今のお子さん達は昔と比べて虫歯が減っています。
それはとっても良いことなんですが、
逆に昔より歯肉炎は増えています。
現代食は柔らかくてあまり噛まなくても飲み込める食べ物が多くなったことで、歯垢が残りやすくなっています。
歯肉炎は将来歯周病に移行する可能性があります。
虫歯と歯周病は原因菌が違うので、虫歯が無くても、歯周病になります。
学校検診で歯肉炎にチェックが入っている場合は、歯科医院でブラッシングチェックや歯石除去を受けられれることをオススメします。
「家では何度言ってもちゃんと磨かないんです。」なんてお子さんも、歯医者さんで指導を受けると意外に磨くようになりますよ^^
先日のブログ「入れ歯の力」で登場した患者さんの入れ歯が出来上がるまでの経緯を綴ります。
「入れ歯の力」はこちら↓
https://www.sasayama-dc.com/blog/3557/
3年前に初めて拝見した患者さん。当時で御年90歳。
「入れ歯が痛くて咬めない。咬み合わせも悪くて上手く食べられない。」とのことです。
拝見すると上下共に顎の骨が極度に痩せていて、入れ歯が全く安定しない。
超難症例です。
正直言いますと、どうにか出来る自信は全くありませんでした。
しかし「噛めない、外れる、痛い」をそのままにすることは出来ません。
「出来る限りやってみます」とご家族の方にお伝えして入れ歯作りを始めました。
それが3年前です。
元々の入れ歯を改造して、治療義歯とし、治療義歯を用いて型採りを行い、新しく上下の入れ歯を作りました。
*治療義歯とは・・新しい義歯にスムーズに移行できるように、義歯を改造して形や咬み合わせを調整して最終的な義歯に近づけていくためのリハビリ義歯です。
左の上下が古い入れ歯↓ 右の上下が新しい入れ歯↓
長年合わない入れ歯を使っていると、咬む位置がズレて正しい位置で咬めなくなるため、咬みあわせが安定しなくなります。
長年の経緯により案の定咬みあわせも安定せず、やむ得ず歯並びと咬みあわせも不安定なまま完成しました。*右側の新しい入れ歯も歯並びがずれています。
最初の入れ歯に比べれば良くなったものの、納得のできる仕上がりではありませんでした。
それでも、その時点ではそれが限界でした。
それから1年半ぐらい、安定剤を張り替えたり、咬み合わせを調整したりして、何とか使用してもらっていましたが、何度も咬み合わせを削ったり足したりしたので入れ歯自体が段々と劣化し始めていました。
そろそろ新しく作り直さなけらばと思いながらも、現状より良いものが出来るのかという迷いがあり、躊躇していました。
そんな頃、患者さんのご家族の方に「最後にいい入れ歯を作ってあげたい」と言わました。
「最後の入れ歯」
患者さんは93歳ですので、そういうことになります。
食事がおいしく食べられることは高齢者にとって本当に楽しみであり、大切なことです。
覚悟を決めて、再度上下の入れ歯を作り直しを提案させていただきました。
今の入れ歯をさらに改造しながら、咬みあわせを安定させ、何とか良い噛みあわせで入れ歯を完成させることが出来ました。
完成後の数回の調整と咬みあわせの一部修正した後には、患者さんに「痛くなく食べられる」とおっしゃっていただき、ご家族の方にも喜んでいただけました。
新しい上下の入れ歯↓
「入れ歯には入れ歯の形がある」「良い入れ歯は良い形をしている」
入れ歯の達人といわれる先人の先生方の言葉どおり、最初の入れ歯や2回目の入れ歯を違って形のバランスがよくなり左右がほぼ対称になりました。
足掛け3年かかってしまいましたが、良い結果が出せてホッとしました。
義歯という装具で咬めなかったものが咬めるようになる。そして感謝していただける。
入れ歯治療は本当にやりがいのある分野です。
このケースでは本当に多くのことを学ばせていただき、自分の限界を少し超えられました。
「患者さんが一番の先生」
これも尊敬する歯科医の先生の言葉です。
本当にそう思います。
患者さんに感謝です。