拡大鏡(ルーペ)を用いた歯石取り

院長の笹山です。

歯医者さんでは治療する歯や歯ぐきがよく見えるように、拡大鏡(ルーペ)を用いることがあります。

歯を削る時にもルーぺは使用しますが、歯石取りやクリーニングでもルーペは有効です。歯石や歯垢を徹底的に取ることで虫歯や歯周病は予防出来ますので、そのためにまず”汚れ”がちゃんと見えることが大切です。取ったつもりでも見えていなければ、取れていない⤵

6倍の倍率で見るとこれくらいで見えます↓

以前は歯石取りまでルーペは使わなくても…という考えでしたが、現在はほとんどのすべての治療で使用しています。

私が使用しているルーペは、サージテルというメーカーもので、歯科に限らず、脳神経外科、心臓血管外科、形成外科など、細かい部位を見ることを必要とされる外科系のドクターが好んで使用しているメーカのものです。

ルーペを装着するとこんな感じです↓ ちょっと見た目がロボチックで怖いかもしれませんが、より良き治療のためです。

ルーペは倍率が高ければ高いほど、よく見えるのですが、歯石取りは歯だけでなく、歯ぐきや喉に溜まったお水などを確認するために、お口全体を見回しながら行うので、3倍くらいの倍率がお口全体を見渡しつつ、歯石をしっかり確認出来る適正な倍率だと思っています。

ちなみに当院では歯科衛生士だけでなく、歯科医師も歯石取りやクリーニングをおこなっています。

「歯石取りって歯科衛生士がすることじゃないの?」

と思われるかもしれませんが、実は歯科医師も歯科医師免許を取得するために学生の時に歯石取りの授業や実習が必須になっており、免許取得後も歯科医師が自ら歯石取りをおこなうのは普通のことなんです。

私自身は歯石取り歴15年くらいで、当院では重い歯周病の患者さんのほとんどは私が担当していますので、ご安心ください。

以上「拡大鏡(ルーペ)を用いた歯石取り」についてでした。

 

退室して頂きました…

院長の笹山です。

いつも患者さんに誠実に対応することを心がけている私ですが、

先日、どうしても我慢出来なくて退室して頂いた方がいらっしゃいます。

 

この方です↓

怖いので遠くから撮影したので分かりにくいですが、かなりの大きさのクモです。

一体、どこから入室されたんでしょう?

このクモは”アシダカグモ”という名前で、日本のクモではトップ級の大きさです。足を広げると10㎝ほどの大きさになります(‘Д’)

 

アシダカグモのWikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%80%E3%82%AB%E3%82%B0%E3%83%A2

人間には無害で、小さな虫やゴキブリを食べてくれるので、住居に居ると良いクモといわれているのですが、建物のどこかにいつもいると想像しただけで怖すぎて無理です。

クモ用のスプレーをかけたみたのですが、ちょっと効いたかなぐらいでビクともしないので、小さなホウキを使って勝手口まで丁重に誘導し、ご退出頂きました。

玄関の外で不満げにこちらを見つめるクモ

もしかして歯が痛かったのかな?

クモに歯は診れませんので…。

歯の根の手術をおこないました。

院長の笹山です。

以前こんなブログを書きました。

いつまでも治らない歯の根(神経)の治療

上のブログ記事の最後に書いた、

”では「これは通常の根の治療では治らないな。」と診断した場合、その次はどうするのでしょうか?

抜歯しかないのでしょうか?

これについてはまた別の機会にUP予定です。”

の続きが今回のブログです。

歯の根の治療をおこなっても、治りが悪い場合があります。

このケースは2度ほど歯の根の治療をおこなったのにも関わらず、完治しなかったケースです。

根っこの先に膿が溜まる病気が歯の根の治療だけでは治らない場合は、外科的に歯の根の先を少しカットするのと同時に、根の先に出来た膿の袋を取る場合があります。

根の先をカットすること歯根端切除術といい、

膿の袋を取ることを歯根嚢胞摘出術といいます。

また、再び膿の袋が出来ないように、根の先端をカットした断面に薬をつけることを逆根管充填といいます。

先日、その手術をおこないました。

CTで病巣の立体像を把握して、手術プランを決めます。

術前の状態

術中

縫合終了時

手術は局所麻酔で麻酔から縫合まで含めても1時間以内に終わります。

膿の袋の大きさなどによりますが、1週間程度は少し腫れます。

手術の痛みや術後の痛みはほとんどありません。

通常歯の根の治療は4回程度で終わります。回数や期間をかければ、治るものではないので、いたずらに長引かせず、治らない場合は外科治療も選択肢に入れて治療しています。

ただし、どんな歯でも出来る治療ではなく、大臼歯といわれる一部の奥歯や、太い神経や血管に近い歯は手術リスクが高いので、適応外です。

また手術中に骨の中の歯の根を直接観察した時に、歯の根に亀裂が見られる場合(歯根破折といいます。)があります。

歯根破折は治らないので、抜歯適応です。

こういう可能性もあるので、術前に歯根破折だった場合は抜歯までするか、それとも破折部分はそのままにして、手術を終了するか事前に患者さんに確認しておくことも必要です。

今回は幸い破折は確認されませんでしたので、順調に治っていくと思われます。

患者さん、大変お疲れさまでした。

以上「歯の根の手術をおこないました。」でした。

 

2本目のインプラント

院長の笹山です。

先日インプラント治療が終了した患者さんです。

数か月前に歯根破折してしまい抜歯になった歯へのインプラント治療をおこなうことになりました。

歯根破折についてはこちら↓

歯根破折

 

下のレントゲン画像をご覧ください。抜歯になる歯(赤矢印)の1本前の歯に既にインプラントが入っています。私が5年前に手術したインプラントです。

歯を抜いた部分をどうするかですが、患者さんは今回もインプラントを希望されました。

この場合、治療の選択肢としてはインプラントをするか?しないか?の2種類しかありません。

この部位については、既にあるインプラントの後ろに部分入れ歯やブリッジを入れることは出来ませんので、インプラントをしない場合は、歯が抜いた所は何も入れないという選択肢になります。

何も入れないという選択肢はあるのですが、あまりお勧めしません。理由は長くなるので、別の機会にお話しします。

ただ、一度インプラント治療を経験された方は、次もインプラントを選ばれることがほとんどです。

それはインプラントが入れ歯やブリッジに比べ、違和感や噛み心地の部分で圧倒的に優れていると実感されているからです。

抜歯後数か月経過。抜歯した部分の骨がしっかり治っています。

更にCTレントゲン検査をおこない、手術のシミュレーションをおこないます。

横から

正面から

真上から

CTは3Dですので、横、正面、上の3方向から骨の状態を立体的に確認できます。この3次元方向からの審査診断が手術の安全性を担保しています。

術後のレントゲン写真です。

問題なくセットされています。

咬む力の強い患者さんですので、インプラントを長期間機能させるため、他の歯が歯根破折で抜歯にならないためにも夜間のマウスピース装着は必須です。

患者さんもその点をご理解いただけましたので幸いです。

これからもメンテナンスを続け、食事や会話に不便の無い生活を送れるようサポートさせていただきます。

以上「2本目のインプラント」でした。

 

いつまでも治らない歯の根(神経)の治療

新規で来院される患者さんで

「歯の根の治療がいつまでも治らないので診てほしい。」

と来院される方が年に数人いらっしゃいます。

「いつまでも」という期間ですが、大体2~3か月以上、同じ歯の根の治療を継続して受けていらっしゃる方が多いです。

歯の根の治療がいつまでも治らない(痛い)のは何故なのか?

今回はそれについて触れていきます。

歯の根の痛みが取れない主な理由は、

① 根の中や根の周囲に感染源が残っている。

② 歯の根にヒビが入っていたり、割れている。

③ 歯の根につめた仮の薬が刺激している。

④ 歯の根の中を治療器具で過剰に刺激している。

⑤ 治療されていない根管(神経の入っている管)がある。*歯の神経の管が複数ある歯があり、未発見の極細の神経の管が存在する場合があります。

などが考えられます。

私の経験で一番多いのは②です。

私も今まで多くの難治性の歯の根の治療をしてきました。

その中にはどうしても治らなくて、患者さんの同意を得て、抜歯することがあります。

その際、抜いた歯を良く観察すると、ほぼ全ての歯にヒビや割れが確認出来ます。

割れていた歯↓ 歯の根に縦の亀裂があります。

亀裂に沿って、器具を入れると2つに割れていました。根の中の金属は土台です。↓

*体の骨のヒビや割れ(骨折)は時間が経てば治りますが、歯のヒビや割れは自然にくっつくことはありません。

薪を斧で割ったように完全に2つに分離して割れていれば、歯を抜く前に通常のレントゲンやCTレントゲンでもある程度診断は可能ですが、根の先の方のヒビや割れはなかなか発見されません。

歯の根の上の方のヒビを発見することはあります。

歯の根の上部に”割れ”を発見したケース↓

拡大画像↓

歯の根の痛みや違和感が数か月続く場合は、

とにかく歯の根の中に感染源を徹底して取り除き、刺激の少ない仮の薬を入れて、緊密に仮の蓋をして、しばらく何もせず、数週間様子をみる。

これでも変わらなければ、歯の根の周囲の炎症(これは根の中の治療で治らない場合があります。)やヒビか割れ(歯根破折)を疑います。

いずれにしても、歯の根の治療というのは長くても4~5回までで診断を定めるのが良いと思われます。

原因を特定せずに数か月以上薬の入れ替えをおこなっても、良くならないことが多いです。

では「これは通常の根の治療では治らないな。」と診断した場合、その次はどうするのでしょうか?

抜歯しかないのでしょうか?

これについてはまた別の機会にUP予定です。

以上「いつまでも治らない歯の根の治療」でした。

ご参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院