知り合いに相談された話。高額自費治療。

職業柄、知り合いの方から歯について相談を受けることがあります。

相談内容で多いのは、お子さんの歯並びについてや、歯の矯正をした方がいいかなどです。

他には「歯医者さんでこういう治療を提案されたんだけど、実際どうなんですか?」

というのも多いです。

そして、たまにあるのが、ご自身ではなく、家族の歯の治療についての相談です。

「自分の高齢の親が、かかりつけの歯医者で高額な自費治療を提案された。」

「もう歳だから、普通に保険診療でいいんじゃない?と言っても、長くかかっている先生を信頼してるから、提案通りの治療を受けると言われた。」

「年寄りにそんな治療勧めるってどうなの?保険で十分じゃない?」

という感じの内容です。

相談者さんは、親御さんの治療の内容の詳細は分かっていないようで、ただ金額が高い、なぜ高齢の親にそんな高額な治療を?というところに引っかかっているようです。

相談者さんが、治療の内容を分かっていないので、当然私も分かりませんし、分かったとしても、お口の状態は人それぞれですので、何ともいえません。

その場合のアドバイスとしては、

まず、その治療内容が極端な内容(今ある歯を全部抜いてインプラントなど)であったり、治療費が極端(3桁越え)に高額とかはでなく、親御さんご本人が、疑問に思っておらず、納得していればいいのではないかということです。

長年通っている歯医者さんで、先生との信頼関係があるのであれば、そんなに問題ないと思います。

逆に親御さんご本人が治療内容や金額に納得しておらず「ただ長らくかかりつけだから断りづらい。」という意味でお子さんに相談されたのなら、話は違います。

その場合は、かかりつけの歯医者さんに、家族同伴で治療の説明を受けてもいいかと確認して、OKであればご家族で説明を受けられるのがいいと思います。

私の医院でも、患者さんご本人から「自分じゃ分からない部分もあるので、家族も一緒に聞いてもらってもいいですか?」と言われることがあります。

もちろんOKです。

診療室まで一緒に入っていただき、患者さんと付き添いの方に一緒に説明します。

私から「よければ、ご家族の方もお越し頂いて説明させてください。」と提案することもあります。

やはり、なぜそういう治療が必要か分からずに、金額だけ聞かされたら、ご家族の方が、そういう気持ちになることもあると思うんです。

ですので、親御さんと歯医者さんが両人がOKであれば、ご一緒に説明を受けることをお勧めします。

もし、一緒に説明を受けることになったら、出来れば最初から不信感を持った感じでは話は聞かずに、ニュートラルな気持ちで話を聞いていただきたいです。

これは個人的な意見ですが、家族同伴の説明を断る歯医者さんでは、自費診療に限らず、そもそも治療を受けるか考え直す必要があると思います。

私も高齢者の方に、自費診療の提案をすることはあります。

その治療が、その患者さんにとってベストな治療であり、生活の質を落とさず、歯で困らないようにするために必要であれば、保険診療も含めた選択肢をとして提案します。

前述のように「高齢者にそんな治療を…。」とご本人やご家族に思われるかもしれないからと、歯科医自ら患者さんの治療の選択肢を狭めるのは、本当に患者さんの健康を思っていないとも受け取れます。

提案する場合でも強く薦めることはありません。ただ、ありのままの事実を伝えて、患者さんにどうされるか選択していただくだけです。

自費診療は、儲け主義の歯医者さんがする治療と捉えられることもあります。

たしかにそういった思考の歯医者さんがいるのも事実ですが、患者さんの健康のために本当に良い治療をしたいと思い、知識や技術を磨いて、患者さんが支払った額に見合った治療をおこなう歯医者さんがちゃんといることも理解していただければ幸いです。

こちらも参考にどうぞ↓

自費治療は何年持ちますか?

自費料金のお問い合わせについて。

 

 

以上「知り合いに相談された話。高額自費治療。」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

 

 

 

定期検診を受けているのに歯が悪くなる理由

「歯に自信がなくて、毎月歯医者で検診を受けてクリーニングしてもらっていたけれど、年々歯が弱っていき、数年おきに歯が抜けていき、この先どうなってしまうのか不安で…。」

長年同じ歯医者に通われていたのですが、上記のような不安を感じて当院に転院された患者さんの話です。

お口を拝見すると、元々治療した歯が多く、神経を抜いてある歯も多いです。

既に治療された歯は、年々弱くなっていく部分もあるので、そこはある程度仕方ないと思います。

しかし、歯ブラシや歯間ブラシなどの使用状況をお聞きすると、歯科医院で教わったことがなく、自己流でされていたそうです。

根本的な治療を受けず、セルフケアも教わっていないという状況でした。

失った過去を取り戻すことはできません。

歯が弱い人は、その場しのぎの治療を受けても、また数年後に悪くなります。

悪くなった時に、治療しても、数年前と同じように元通りにはならず、歯の寿命は、更に短くなります。

例えば、被せ物の中が虫歯になってしまって、虫歯を削り取って、再度被せ物を入れたとします。

新しい被せ物が入れば、見た目は元通りになります。

しかし、虫歯を削った分、歯は小さくなり、強度は減り、脆くなります。

やり直し≠元通り

ではないんです。

ですので、

やり直す回数を減らすことも大事な予防です。

最近では、

予防=検診・クリーニング

と、誤解されている風潮があります。

たしかに検診とクリーニングは、予防の大きな柱です。

虫歯がほとんどない、歯周病もほぼない人にとっては、それで十分かもしれません。

しかし、既に治療跡が多く、歯が強くない人にとっては、それだけでは不十分です。

歯を根本的に治さずに、検診とクリーニングだけを受けても、歯は年々悪くなる傾向にあります。

最近の若い世代、特に30代くらいまでの人達の虫歯は減りました。

しかし昭和世代の方々は、まだまだ過去に治療された歯が悪くなることで苦労をされています。

今回のお話のように、検診とクリーニングを数か月おきに受けているにも関わらず、歯を失い続けている人がかなり多いと感じます。

当院の提案する予防歯科は、

①定期的な検診とクリーニング

②患者さんへの予防の啓蒙

③セルフケアの向上

④なるべくやり直さない治療の提供

です。

歯を大切にしたい人、歯で苦労されている人に

「ここに来てよかった、報われた。」

と思って頂ける歯科医院を目指しています。

以上「定期検診を受けているのに歯が悪くなる理由」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院