詰め物が何回も外れる…。なぜ?

宝塚市の歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

先日初めて当院にお越しになった患者さんのケースです。

同じ歯の詰め物が、5回以上取れてしまった。

つけ直しても、新しく作っても、とにかく外れる。

何故でしょう?

考えられる理由は、いくつかあります。

1つめは「取れやすい形に歯が削られている?」です。

「えっ、じゃ治療した歯医者さんが悪いの?」と思われるかもしれませんが、これは単純に歯医者さんのミスとは限りません。

虫歯以外の健全な歯をなるべく削らないで、詰め物を作ろうとすると、そういう削り方になることは、よくあります。虫歯以外の健全な歯を、いくらでも削れるのなら、外れにくい詰め物は可能です。

基本的に詰め物より、被せ物の方が取れにくいです。(下図参照)

つまり何度も取れる詰め物は、被せた方が良い場合があります。

詰め物

被せ物

 

2つめは「接着剤が合っていない?」です。

取れやすい詰め物には、それなりの接着剤が必要です。

また、歯や詰め物の表面処理を行って、接着力をupさせる処置も効果があります。当院は保険・自費に限らず、最適な接着剤を選択して装着しています。

3つめは「歯ぎしりの問題?」です。

この問題は、詰め物が外れてしまう理由のベスト1と言ってもいいくらいの問題です。

詰め物が入った歯が、歯ぎしりによって擦られると、詰め物をつけている接着剤の層が破壊されて、溶け出していきます。

そのうち詰め物は、取れてしまいます。

歯ぎしりで詰め物が取れやすい場合は、歯ぎしりのコントロールも必要です。

自己暗示療法やマウスピースなどです。

 

興味のある方は当ブログのカテゴリーで「歯ぎしり・マウスピース」をご覧ください。

以上、「詰め物が何回も外れる?何で?」について 宝塚市の歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山でした。

セカンドオピニオン 本当に抜歯が必要?

院長の笹山です。

当院ではセカンドオピニオンを求めていらっしゃる患者さんが割といらっしゃいます。

セカンドオピニオンとは、かかりつけ医師の診断に疑問がある場合や、他に治療方法がないのかなど、別の医師の診断してもらうことです。

*他院でおこなわれたインプラントや矯正治療のセカンドオピニオンはお受けしておりません。

特に相談が多いセカンドオピニオンは

「本当に歯を抜かなければならないのか?」

というご相談です。

歯を抜くというのは患者さんにとって大変重い治療です。

グラグラで今に抜け落ちそうな歯なら、患者さんご自身も納得できるかもしれませんが、そうではなく、痛みも症状もたいしてないけれど、抜歯が必要と診断された場合は悩んでしまうこともあると思います。

当院ではセカンドオピニオンでご来院された患者さんには、当日は検査と診断のみをおこない、原則その日に治療はおこないません。

当院の診断、当院ならどのような治療をおこなえるかを検査のうえ、出来るだけ分かりやすくご説明します。

歯の破折など診断が難しい場合は、院内CTでの撮影診断も可能です。

当院のCT↓

セカンドオピニオン診断をお聞きになったあとは、かかりつけ歯科医院で治療を継続されるか、当院で治療をご希望されるかは様々ですが、患者さんのご意向を100%尊重いたします。(当然秘密も厳守いたします。)

一度削った歯は元には戻りません。

「長くかかっているから・・」等の理由で、大切な歯の治療を不安があるまま継続されるのはお勧めしません。

セカンドオピニオン、お気軽にご活用していただければと思います。

以上「セカンドオピニオン 本当に抜歯が必要?」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

 

ウイルス感染予防

院長の笹山です。

口腔とウイルス感染の予防についてです。

口は、食べ物や病気を引き起こす病原体などの異物が入って来る、体の入り口です。鼻や口の粘膜には、粘膜免疫と呼ばれる病原体に対する防御機能が備わっています。

粘膜免疫は、口から入った病原体が粘膜に付着すると、全身免疫に情報を送るのと同時に、付着した粘膜近くのリンパ組織を介して、病原体の侵入を阻止する物質(分泌型IgA)を唾液中に分泌し、素早く病原体に対応します。インフルエンザウイルスは喉や気管の粘膜で増殖するため、この粘膜免疫は感染防御に有効です。

唾液は細菌やウイルスを防御し、さらに口腔内の汚れも洗い流してくれます。その他にも、唾液に含まれるムチンには粘膜保護作用が、上皮成長因子には傷ついた粘膜組織を修復する作用があります。

口の中は、常に300種類以上の細菌や真菌が生息しており、私たちの体は腸内細菌と同じように、口の中の細菌とも上手に共存しています。

口の中に細菌が適切に存在することで、多くの病原体の感染を防ぐのです。

しかし、口の中が不衛生になり、細菌が増えてしまうと、一部の細菌が産み出す物質(プロテアーゼなど)が、粘膜の防御機能を破壊してしまうことがわかっています。また、飲み込む機能が弱っているご高齢の方では、唾液に混ざった細菌が肺に入り、肺炎を引き起こすことも知られています。

虫歯や歯周病を予防するだけではなく、インフルエンザや肺炎といった全身的な感染症を予防するためにも、口腔ケアは欠かせないことなのです。

歯科医院での歯のクリーニングはウイルス感染の予防に有効です。

しばらくお口の検診を受けられていない方は、歯の検診とクリーニングをお受けすることをお勧めします。

最薄部厚さ0.3ミリ 違和感の少ない精密入れ歯


宝塚市で入れ歯治療に力を入れている歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

当院には入れ歯でお悩みの方も相談でいらっしゃいます。

今回はこんなケースです。

「入れ歯の違和感が強くて1日中入れていられない。」

「外出中は我慢できるが、家に帰ったらすぐ外す。」

「食事の時に入れ歯が動いて咬みにくい。特に右側が噛みづらい。」

その方のお困りの入れ歯がこちら↓

すでに若干の修正は加えてありますが、問題点はたくさんあります。

①まず金属のバーが分厚く、走行位置が悪い。

②噛みあう相手側の歯に問題があり、この義歯だけ治しても、噛めるようにはならない。

③上あごに近い部分のピンクのプラステッィクの部分が分厚い。ここが厚いと違和感が大きく、会話にも支障が出ます。

④義歯の動きに対する防止策が取られていない。

それらをすべて解決した入れ歯がこちら↓

金属の部分の薄さは最薄部で0.3mm

元の入れ歯の4分の1です。

咬み合わせも全体に修正して、入れ歯でも良く噛めるように仕上げました。

極限まで減らせるところは減らしました。これ以上薄く、または小さくすると他の問題が出てきます。

完成後の患者さんの感想は

「今までの義歯と全然違う。違和感がかなり減って、食事もしやすくなった」と言っていただけました。

インプラント全盛の時代ですが、様々な条件により、入れ歯を選択する場合もあります。

入れ歯だからとあきらめないでください。

精密入れ歯相談お受けしています。

古い詰め物や被せ物、やり直しは必要?

院長の笹山です。

先日、患者さんから頂いたご質問です。

「以前通っていた歯科医院で古い詰め物や被せ物は、全部やり直したほうがいいですよと言われたのですが、そうなんですか?」というご質問です。

古い詰め物や被せ物は全てやり直した方がいいのか?

そのままにしておくと、詰め物の中が知らない間に虫歯になったりしないだろうか?

気になると事だと思います。

私の答えは・・

NOです。

たしかに古い詰め物や被せ物は、中が虫歯になったりすることはあります。

しかし、そうなりやすい歯かどうかは視診やレントゲン写真である程度分かります。

古いからといって全てにそのような問題が起こるとは言えませんし、全てを短期間でやり直すと全体の咬み合わせのバランスが狂う場合もあり、おススメしません。

やり直した方がいい歯は、その兆候がみられます。

金属と歯の境目に段差や隙間がある場合などです。

以下の2枚の画像が段差や隙間があり、やり直すべき古い詰め物です。

当院はなるべく削らない治療を心がけていますので、古いというだけで治療することはありません。