休診日に歯科医師会のお仕事で自分の診療所ではない診療所で歯科治療を行ってきました。
いつもと違う治療イス、道具、スタッフさん。ちょっと緊張します。
あちらのスタッフさんも毎回違う先生が来て気を遣うだろうなと思います(^_^;)
やっぱり自分の診療所が一番診療がしやすいですね。
日々、診療に集中できるのは当院のスタッフさんのおかげです。感謝です。
歯科医師は狭い空間で一日中籠って仕事ですので、仕事で外に出る事があまりありません。
気持ちがリフレッシュできました。
宝塚市で歯周病の予防と治療に力を入れている歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。
今日は1日寒かったですね。
最近は筋トレの後にジムのお風呂にゆっくり浸かるのが楽しみです。
ジェットバス、気泡風呂、露天風呂、いろんなお風呂を”はしご”しています。
今回は歯周病進行の停止についてです。
進行した歯周病でも適切な治療とセルフケア、定期的なメンテナンスをおこなえば、
元には戻りませんが歯周病の進行が停止することがあります。
その停止した状態を何年か維持すると、さらに安定した状態になります。
歯周病の安定について、ちょっと勉強してみましょう。
歯を支える骨を歯槽骨といい、その一番上の部分を歯槽骨頂といいます。
レントゲン写真で歯槽骨頂を見ることで歯周病の進行程度や治り具合を把握できます。
上のレントゲンを見ると歯と歯の間に黒い三角の隙間があるのが分かりますでしょうか?
この黒い隙間の二等辺三角形の底辺の部分が歯槽骨の一番高い所、つまり歯槽骨頂です。
歯周病の進行がが停止し、骨が硬くなると前述の歯槽骨頂部がレントゲン上では白くハッキリと見えてきます。
逆に歯周病が進行すると、ここが溶けはじめるのでぼやけてきて、痩せていくので二等辺三角形の底辺が下にさがり黒い三角の隙間が大きくなります。
今日は2年ぶりに撮影したレントゲンで骨がハッキリと回復している事が確認できたケースがありました。
患者さんご本人もここ数年良い状態を保っていることを実感なさっていて、今では3か月ごとのメンテナンスを欠かさなくなりました。
歯周病という病気は進行がゆっくりで自覚症状も少ないのですが、病気が進行すると安定するのにも相当時間がかかります。
下図の4段階の進行には年単位でゆっくりと進んでいきます。
「歯に物が詰まりやすくなった」「朝、お口の中がスッキリしない」「口臭が気になる」「時々歯ぐきから血が出る」
これらは歯周病が出すわずかなサインです。日常生活に支障が出るほどの症状ではないので見過ごしがちですが、心当たりのある場合はかかりつけの歯医者さんへの受診をおススメします。
2月も今日で終わりですね。明日から3月です。
2月は例年だとそれほど忙しくないのですが、今年の2月はなぜか忙しかったです。
春が近づいて来ると、時期的にお仕事や学校の関係で転居される患者さんもチラホラいらっしゃって、寂しいです。
転居先でも歯医者の検診は、欠かさないでくださいね。
さて話は変わって、今回は入れ歯の噛み合わせと歪みについてです。
入れ歯の咬み合わせや、歯並びが歪んでいるケースがあります。
上下に入れ歯を入れておられる患者さんです。上の歯は全部入れ歯の歯(総入れ歯)ですが、歯並びが右下がりに傾いているのが分かると思います。
*写真が傾いているわけではありません(^_^;)
上の歯の歯並びは通常、両目の瞳孔を結んだ線に平行に並ぶような平面にします。
このままでも特に見た目が気にならず、不具合も感じなければ良いのですが、やはりこのように歪んだ咬み合わせで入れ歯を使っていると、必ず不具合が出てきます。
この方の場合は偏った咬み癖が常態化し、上の入れ歯が不安定になり外れそうになるので、入れ歯安定剤を使用していたとのことです。
初めて当院に来院された時、上下とも義歯を新しくされることをご希望でしたが、このまますぐには作りません。
まず長年この歪んだ噛み合わせに顎が慣れてしまっているので、この義歯を少しずつ改造修理して、歯並びや咬み合わせを少しずつ修正します。
単に歯並びを直すだけでなく、噛みあわせを高くしたり、入れ歯の床面積を大きくしたり、かなりの手を加えますので日数がかかる治療です。
そして修正した義歯の噛みあわせが、機能的に受け入れられそうなら、その状態から初めて新しい入れ歯を制作します。
大きく噛みあわせを治す場合はこの入れ歯の改造修理という治療工程が欠かせません。
この工程を飛ばしていきなり、理想的な噛み合わせや歯並びの入れ歯を作っても、大抵は「痛くて噛めない、使えない」となります。
治療後です。
安定剤は一切使わずに、入れ歯を使用できるようになりました。
歯並びの歪みも解消され、とても喜んでいただけました。
治療期間はおよそ3か月です。前の入れ歯に何度も手を加えて、新しい咬み合わせに慣らすのに時間がかかりました。
(ここでちょっと専門的な視点です。術前と術後の写真を比べると、向かって右下のバネがかかっている歯の歯と歯茎の境目。術前は境目の歯ぐきが下がっていて、歯の根っこが茶色く見えています。術後は歯ぐきが少し回復して茶色く見える歯の根っこが少なくなっています。これは、この歯に対する偏った”力”のかかり方が改善されたので、歯ぐきがも元に戻ったのです。)
完成直後は痛む箇所もあり、何度か調整を行いましたが今は何でも食べられるそうです^^
「入れ歯を作るのに3か月?」と思われるかもしれません。
ご年配の方には出来る限り早く新しい入れ歯を作ってあげたいのですが、やはり治療前の問題が大きいとそれなり時間がかかります。
少し時間はかかりますが、最後にしっかりした入れ歯が完成し、患者さんに満足していただければ、それまでの大変さがお互いに報われます。
以上、入れ歯の歪みについてでした。
今日は一日雨でしたね。
予約に余裕があったので、少し暇な日になるかと思いきや、結局まぁまぁ忙しくて疲れました(^_^;)
さて、時々患者さんからいただく質問です↓
「この前、病院でCT撮影したのですが、またレントゲン撮っても大丈夫なんですか?」
「レントゲンってどれくらいの頻度で撮るのがいいんですか?」
歯科でよく撮影されるレントゲン写真はパノラマレントゲン写真といって
お口全体がパノラマ状に見渡せるレントゲン写真の事です。↓
パノラマレントゲン写真で分かることは・・
◎虫歯
◎歯石
◎骨の状態 (歯周病、骨折、嚢胞や腫瘍の有無)
◎埋まっている親知らずの有無
◎顎関節の状態
◎歯の根の形や根の病気の有無
◎歯の神経の有無
◎副鼻腔の状態
レントゲンは影絵のようなものですので、上記の事が全て分かるわけではありませんが、撮影しなければ分からないことがたくさんあるのも事実です。
レントゲンを撮らずに、見落としてしまって後々に大きな治療を行うリスク・・。歯や歯ぐき、骨は元通りにはなりません(T_T)
何事にも「するリスク」「しないリスク」が存在していて、2つのリスクを天秤にかけて考えるのが良いと思います。
必要以上にレントゲンを撮るべきではありませんし、撮らなさすぎるのも問題があると思います。
レントゲン撮影の時に浴びる放射線量について興味のある方は、「歯科 レントゲン 被ばく量」などのワードで検索すると下のような図にたくさんヒットしますので、ご覧になってはいかがでしょうか?
健康診断のために病院で採血の注射を受けて来ました。
注射は怖いです・・。昔は平気だったのに年々怖くなってきました。
今では顔を完全にそむけて、注射が終わるのを草食動物のように息を殺して待っています(^_^;) この時間が長い・・。
採血はチューブを通して注射筒に血液が溜まっていきますが、それを見たら恐怖で失神してしまうかもしれません。。
採血してくれた看護師さんが上手で全然痛みはなかったのですが、やっぱり怖い・・・。
歯科でも麻酔のために注射をすることは日常です。痛くないように注射していますので、痛みに関しては問題ないのですが、やはり恐怖に関しては個人差がありますので、取り除くのは難しいですね。痛くないだけじゃなくて、出来るだけリラックスしていただいてから注射をしなければいけない・・と改めて感じた日でした。
当院の麻酔
①注射の前に針を刺す部分を痺れさせる表面麻酔といゼリーで痺れさせます。
②表面麻酔が効いたら、注射する部分に針先を0.5ミリくらいだけ入れます。少し入れるだけなのでほとんど痛くありません。
針のサイズ | 外径 | 色 |
---|---|---|
14G | 2.1mm | 14G pale green |
15G | 1.8mm | 15G blue grey |
16G | 1.6mm | 16G white |
17G | 1.4mm | 17G レッドバイオレット |
18G | 1.2mm | 18G ピンク |
19G | 1.1mm | 19G クリーム |
20G | 0.9mm | 20G 黄 |
21G | 0.8mm | 21G 深緑 |
22G | 0.7mm | 22G 黒 |
23G | 0.6mm | 23G deep blue |
24G | 0.55mm | 24G medium purple |
25G | 0.5mm | 25G オレンジ |
26G | 0.45mm | 26G 茶色 |
27G | 0.4mm | 27G medium grey |
28G | 0.36mm | 28G 青緑 |
29G | 0.33mm | 29G 赤 |
30G | 0.3mm | 30G 黄 |
*採血では21~23Gぐらい、当院で使用する針は31Gもしくは33Gの極細です。Gの数値が大きいほど針が細く痛くない!
③少し時間を置いてから、最初に針を刺して痺れた部分に、もう一度針を刺します。既に痺れていますから痛くありません。
④麻酔液をゆっくり注入します。ゆっくり注入することで圧が弱まり痛みを感じません。
⑤所定の麻酔液を注入したら、麻酔が効くまで十分に時間を置きます。
⑥麻酔が効いているか、確認しながら少しずつ治療を始めます。もし少しでも痛みがあれば、すぐに麻酔を追加します。
以上のように麻酔をおこなえばほとんど痛みを感じず、注射をすることが出来、治療も無痛で受けられます^^