未来予想図

患者さんに虫歯で夜も眠れないくらい痛い歯があるとします。

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患者さん「痛みを早く取ってほしい」

歯科医師「歯を治療して痛みを取る」

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こんな場合はお互いに「して欲しい事」と「する事」が一致しているのですぐに治療が開始されます。

しかしこんな場合はどうでしょう?

患者さんに軽い歯周病が進行している歯があるとします。

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患者さん「今痛くない、特に気になってはいない」

歯科医師「今後の問題が予想出来るので治療したほうがいい」

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患者さん「今困っていないし、痛くないし、治療しなくても・・」

そんな時に試しに歯をグラグラにして、ちゃんと咬めない不自由さを1週間ぐらい味わっていただければ、治療の必要性が分かるかもしれません・・(T_T)

でも現実に、そんなことは出来ませんよね(^_^;)

私は歯科医師になって20年近く経ち、多くの経過を診てきたので、患者さんの歯がこの先どうなっていくのか予想がつくことが多くなりました。

ですので、こういう場合は今後起こり得る事を十分に説明させていただき、治療をするかしないかは患者さんに決めていただいています。

また、今すぐ治療はしないけれど、少し期間を置いてから治療をする場合もあります。

少し期間を置くとその歯に問題の兆候が表れ始め、患者さんも治療の必要性を身を持って理解できる場合があるのです。

ただでさえ行きたくない歯医者です。今悪くない、今痛くない事を治療するのは気が引けますね。

いずれにしても、今悪い所だけではなく、ご自身の歯がこの先どうなるのかの説明を受けられて、お口の状態を良く知ることはとても大切です。

当院でおこなうすべての治療は患者さんへの説明と理解と同意のもとでおこなっていますのでご安心ください。

 

 

 

 

 

エピペン

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アポーペン♪

ではなくエピペンです。

エピペンはアナフィラキシーショック状態に陥った場合の緊急薬です。

http://www.epipen.jp/top.html エピペンの専門サイト

アナフィラキシーショックとは重度のアレルギー反応のことです。

アナフィラキシーは、アナフィラキシー・ショックに至り、生命を脅かす危険な状態になることがあります

アナフィラキシーにはさまざまな症状がみられます。 さらに、症状が急激に変化し、場合によっては、初めの症状があらわれてから数分後に、「アナフィラキシー・ショック」とよばれる、血圧が低下し意識障害などのショック症状を引き起こし、生命を脅かす危険な状態になってしまうこともあるため十分な注意が必要です。

アナフィラキシーの主な症状

自覚症状 他覚症状
全身症状 不安感、無力感 冷汗
循環器症状 動悸、胸が苦しくなる 血圧低下、脈拍が弱くなる、チアノーゼ
呼吸器症状 鼻がつまる、 喉や胸がしめつけられる くしゃみ、咳発作、呼吸困難、 呼吸音がゼーゼー、ヒューヒューとなる
消化器症状 吐き気、腹痛、口の中に異和感を感じる、 便意や尿意をもよおす、お腹がゴロゴロする 嘔吐、下痢、糞便・尿失禁
粘膜・皮ふ症状 皮ふのかゆみ 皮ふが白あるいは赤くなる、じん麻疹、 まぶたの腫れ、口の中の腫れ
神経症状 くちびるのしびれ感、手足のしびれ感、 耳鳴り、めまい、目の前が暗くなる

 

歯科でアナフィラキシーショックを起こすことはほぼありませんが、ほぼないだけで「ない」とは言い切れません。

米国心臓協会認定BLSヘルスケアプロバイダーの認定講習を受けた時の講師の先生に「歯科でもあったほうがいいと思います。」と言われたので今回導入しました。

取引のある歯科のディーラーでは扱っていなかったので、医科のディーラーさんで手続きをして購入しました。

エピペンなど緊急時に使用する物は、歯科医院においては滅多にもしくは一度も使う機会がないかも知れないものです。

それでも患者さんの安全のために出来ることは備えるという考えの元、AEDや自動酸素吸入器等も常備しています。

そして何よりも大切なことは緊急事態を可能な限り未然に防ぐよう、普段から患者さんの体調に配慮した安全な治療を行うことですね。

1位は?

先日の歯科医師会の勉強会で頂いた資料の一部です。

要介護高齢者の日常における関心事(施設で楽しいこと)について4つの施設でとったアンケート結果です。

黒で塗りつぶした部分の1位はなんでしょう?

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答えは?

食事です。

4つの施設からとったアンケートですが、4施設とも楽しみの1位は食事でした。

当院に通われている年配の方も「年を取ってからの楽しみは食事です」とおっしゃられる方が多いです。

歯は失ってしまうと二度と生えて来ません。歯がしっかりしていないと食べたいものも食べられません。

食事の楽しみも半減してしまいます。

歯の大切さをあらためて感じた結果でした。

 

今年1番

だんだん寒くなってきましたね。

最近、院長室の年代物のエアコンの異音がいよいよ大きくなってきました。何かが起きそうな音です。

冬本番で壊れても困るので、昨日の診療中に同じく年代物のスタッフルームのエアコンも一緒に新しく取り換えてもらいました。

新しいエアコンは真っ白で気持ちいいですね。

 

さて,歯の根の治療を根管治療(こんかんちりょう)といいます。

虫歯などで感染が神経(歯髄・しずい)にまで達した場合は、歯の神経を取る処置をします。

 

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以上のような治療です。

前歯は歯の根が1本ですが、大きい奥歯は1本の歯に根が3~4本あります。根の本数と同じ数の神経の管があるので、奥歯の神経を抜く治療は大変労力のいる治療です。

また患者さんも奥歯を治療するには大きく口を開けていなければなりませんし、歯科医も奥歯は見えづらく、治療器具を入れるのも大変です。

それに加えて歯の根のカーブが強いと、これはもう大変です。

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こちらは親知らずの前の歯が虫歯になり、神経を抜いたケースです。

一度歯の根の治療を終えましたが、曲がっている歯の根の先まで充填剤が入らなかったので、患者さんにお願いして、再度治療させていただきました。このレントゲン写真は上のイラストでいう4番目の状態です。

他に色々な要件が重なったこともありますが、今年1番の難しさでした。(まだ残り1か月ありますが、多分これ以上はないと思います・・あれば・・再び頑張ります(^_^;))

歯の根の治療はとても大切です。充填剤がきちんと入っていなくても治療を終えた段階では患者さんは痛くも何ともありません。しかし確実に治療しておかないと数か月後、数年後に痛みが出る場合が多いのです。

歯の根は家でいうと基礎部分のようなものです。どれだけ良い家を建てても、基礎部分がしっかりしていないといけません。

上に被せる歯の材料も大切ですが、まずは根の治療が大切です。

患者さん、お疲れ様でした!親知らずの前の歯は虫歯になりやすいので要注意です!

 

デンタルショー

診療後にデンタルショーへ。先月も別のデンタルショーに行ったばかりですが、おさらいを兼ねて。

場所はグランフロント大阪のコンベンションセンター。アクセスのいい会場での開催は助かりますね(遠いのは疲れます・・)

治療椅子など最新の診療機材を見てきました。治療椅子にも色んなメーカーがあり、各社特徴があります。

美容室のようなおしゃれなタイプ。車いすの方でも楽に乗り降りできるタイプ。子供の治療をしやすいタイプなどです。

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今回は乗り降り楽で座り心地重視の治療椅子を優先的に見て回りました。

歯科の患者さんも高齢化が進んでいるので、各社それを踏まえた椅子づくりをしているようです。

10年くらい前に流行った高級志向の椅子はもうあまり需要はなさそうです。

2時間ほどで会場を後にしてグランフロント大阪のキルフェボンというお菓子屋さんでお土産を購入して帰路へ。