歯周病に効く薬

宝塚市で歯周病の予防と治療に力を入れている歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

時々患者さんに聞かれます。

「歯周病に効く薬はありますか?」

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答えは「あります」です。

歯周病の治療にはブラッシング指導や歯石取りなどが必要ですが、

薬が効くならこんな疑問も思い浮かぶかもしれません。

「面倒な治療をしないで薬を飲めばいいんじゃないですか?」

というわけでもないんです。

歯周病で腫れた急性症状のある歯ぐきは、歯周病菌が増えていますので抗生物質が有効です。

抗生物質を服用すると歯周病菌は減り、たいてい歯ぐきの腫れは引きます。

「腫れたら、また薬を飲めばいいんじゃないですか?」

腫れは引くのですが、歯ぐきが腫れた原因を治療しないとまた腫れます。

歯医者さんで原因となる歯垢や歯石をきれいにするプロケアが必要で、日頃のセルフケアも見直さなければまた再発をします。

耐性菌ってご存知ですか?

抗生物質が効かない? 「スーパー耐性菌」抗生物質が効かない? 「スーパー耐性菌」

抗生物質をくり返し服用すると効きが悪くなったり、抗生物質が効かなくなることがあるんです。

しかも抗生物質を服用した時は歯ぐきだけでなく、全身に効いています。

歯ぐきだけに効いているわけではないんです。

歯科で処方される抗生物質は歯科専用ではなく、医科でも出されている抗生物質です。

原因を除去しないで、再発を繰り返すたびに薬に頼っていると、歯科以外の病院で抗生物質を服用することになっても効きが悪くくなってしまうことがありますの。

医療界では安易に抗生物質を出し続けることが結構な問題になっています。

しかし、今ある腫れに対しては病気の進行や重症化を防ぐために抗生物質は必要です。

「じゃ、どうすればいいんですか?」

やはりセルフケアをしっかり行い、免疫力を高める。

自分で取れない歯石は歯医者で定期的に取ってもらう。

これがいいと思います。

免疫力を高めるには適切な食事、運動、睡眠が大事です。筋トレも有効ですよ^^

朝の歯磨きは、朝食の前?後?

今日は冷えますね

昼休みに窓から外を見ると雪が降っていました。

インフルエンザで小学校などの学級閉鎖が増え始めたようです。

この時期、テレビなどでインフルエンザや肺炎の予防法が特集されることがあり、今回のタイトルようなことも話題になります。

おすすめは朝起きたらまず「うがい」をして「朝食後に磨く」です。

では、なぜ朝食前に磨いたほうがいいのか?

就寝時にお口の中に住みついている細菌は30倍近く増えます。

朝食前に磨いて細菌を減らさないと食べた物にお口の中の細菌がくっついて飲み込んでしまうことがあり、高齢者など体力に衰えが見られる方がインフルエンザや誤嚥性肺炎になることがあります。

誤嚥性肺炎についてはこちらhttps://www.sasayama-dc.com/blog/3371/

ただ、通常飲み込んだ食べ物は食道に入り、細菌は胃酸で死にます。

そのため健康で体力のある人は誤嚥も少ないので、そこまで神経質にならなくても良いと思います。

「朝起きて磨いて、朝食食べてまた磨く・・」 慌ただしい朝に2回磨く・・単純にめんどうですね。

それでしたら寝る前にしっかり磨いて、就寝時に増える細菌の数をできるだけ抑えておくほうが現実的だと思います。

そして朝起きたら食べる前に口をしっかりゆすぐ。これだけでも随分違います。

就寝前と起床後の「コンクールF」が効果的でおススメです。

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インフルエンザと歯周病の関係

今月は色々と忙しくてジムに6回しか行けませんでした。

ジムがリニューアルされ、新しいマシーンも入ったのでもっと行きたいのですが・・

来月は8回通えるように頑張ります。

 

少しずつですがインフルエンザが流行り始めているようですね。

今月始めに予防接種を受けておきました。

うがい・手洗いに加えて歯のケアが予防に効果的です。

お口の中に菌が多いとインフルエンザウイルスに感染しやすいことが大学の研究で分かっています。

「インフルエンザ イラスト フリー」の画像検索結果

実際に定期的に口腔ケア(歯のクリーニング)を受けている介護施設ではインフルエンザや肺炎になる患者さんが10分の1に減ったそうです。

歯のクリーニングで歯垢や歯石をキレイに落としておけば予防効果が更にUPします。

毎年12月が近づくと予約が取りづらくなりますので歯のクリーニングをご希望の方はお早めにどうぞ^^

 

歯と歯の間に虫歯ができる原因

歯と歯の間に虫歯が出来る原因は?

歯と歯の間に歯垢が残っているから・・

です。

そのまま?

でも実はそれだけが原因じゃないんです。

それは・・

「歯ぎしりや、噛みしめ」です。

なぜ?どんな関係が?

実は、歯と歯の間は歯ぎしりや噛みしめによる力で、歯に細かいヒビが入りやすい部分なんです。

その出来てしまったヒビに歯垢の中の細菌が入り込み、虫歯が少しずつ内部に進行していきます。

この画像を御覧ください。

171021-002これは歯と歯の間の虫歯を治療して削っている途中です。

削った穴をよくご覧いただくと水平にヒビが入っているのが見えます。穴の底に薄い線が入っているのが分かりますか?(スマホでは見えづらいかもしれません)

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更に削ると、ヒビの先に茶色い濃い虫歯が見えてきます。ヒビから細菌が内部に侵入している様子です。

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このように歯のヒビから虫歯が進行することはよくあることです。

ひどい場合はヒビが神経まで達してしまい、穴が開くような虫歯ではないのにズキズキ痛くなってしまう場合があります。

こういう虫歯を防ぐには夜間のマウスピース装着など、歯ぎしりや噛みしめを防ぐ治療が必要です。

またヒビが入ってしまっても、歯垢がなければ虫歯が進行しにくいので、

従来通りにフロスや歯間ブラシで歯と歯の間のセルフケアをすることが大切です。

ちゃんと磨いているのに、歯間ケアしているのに、歯と歯の間に虫歯が出来てしまう方は、歯科医院でヒビが入ったりしていないか確認してもらうのもいいかもしれません。

なお、このようなミクロの細かいヒビは、肉眼で確認するのは難しいです。

高倍率のルーペ(6倍以上)、マイクロスコープ、口腔内カメラなどが発見に有効です。

以上「歯と歯の間に虫歯ができる原因」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

オーラルフレイル

「オーラルフレイル」ってご存知ですか?

下の図をご覧ください。

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年を重ねて心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態を「フレイル」といいます。フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty」を語源としています。

上図のように多くの人が健康な状態からこのフレイルの段階を経て要介護状態に陥ると考えられています。
また、高齢者の些細な口腔機能の衰え(滑舌の低下、食べこぼし、わずかのむせ、嚙めない食品の増加)による、虚弱や老衰など介護が必要となる一歩手前の段階を「オーラルフレイル」といいます。

つまり、人間はいきなり要介護になるのではなく、衰えのきっかえとして歯の健康状態が大きく作用しているということなんです。

結構前ですが「咬むことの重要性」https://www.sasayama-dc.com/blog/3169/ でも触れました。

このオーラルフレイルに「自分の歯でちゃんと咬めているか」ということが大きく関係してくるのです。

今、上図にある第4段階の方が急激増えています。第4段階まで来ると前の段階に戻るのは困難を伴います。

第1段階の段階で第2段階以降に移行しないようにしっかりと予防し、必要な治療を受ける事が大切です。

事故などを除いて歯をいきなり失うことはほぼありません。小さな虫歯から始まり、長い年月で何度も治療された末に喪失したり、歯周病の進行による喪失が主な原因です。

日頃のセルフケアだけでは歯の健康を維持するのは難しいです。

定期的な検診を受け、気づかないうちに出来ている虫歯はないか?をチェックし、日頃のセルフケアで落としきれない歯垢や歯石のクリーニングを受けることで予防できます。