受け口は自然に治りますか?

毎年このシーズンは学校検診に出かけますが、気持ちのいいお天気の日が多くて嬉しいです。

先日も診療をお休みさせていただき、市内の幼稚園の歯科検診に行って来ました。

虫歯の子は少なかったのですが、ちょっと気になったのは噛み合わせや歯並びが心配な子が割といたことです。

特に気になったのは「受け口」です。

乳歯の時のごくごく軽い「受け口」は、永久歯に生え変わるときに自然に治ることもありますが

完全に反対になっている「受け口」の自然治癒はほとんど期待できません。

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「受け口」のことを歯科では反対咬合というのですが

ある研究結果によると乳歯列期の反対咬合が自然に治る確率は6.4%しかないというデータもあります。

歯科検診結果にかみ合わせや歯並びをチェックする項目がありますので、そういうお子さん達は歯医者さんで診てもらえるように「要受診」とさせてもらいました。

小学校低学年ぐらいまでの反対咬合はマウスピースタイプの矯正装置で治します。

当院ではプレオルソというマウスピースタイプの矯正装置を用いています。

従来からあるマウスピースタイプの物より、より効果的に治せるということで導入した治療方法です。

咬むことの重要性

先日、「専門的口腔ケア」というタイトルの歯科医師会主催のセミナーに参加してきました。

介護を受けられる方でご自身で歯を上手く磨けない人のお口をキレイにしたり、上手く食べられるようにサポートしたりすることを口腔ケアといいます。

講義内容で印象的だったのは咬めなくなると全身の機能が低下していく可能性が高いという事です。

たとえば

低栄養のなりやすさ(良く咬めなくて消化が悪くなり栄養が行き届かない状態)

自分の歯で咬める人を1とすると

入れ歯で咬む人は1.7倍

自分の歯も入れ歯も咬めない人は3.2倍

低栄養になりやすいとの事です。

また、自分の歯でも入れ歯でも咬めない人が認知症になる可能性はそうでない人の2倍以上高くなり、咬めない事で踏ん張りが効かず転倒しやすくなる可能性もあるそうです。開眼片足立ちの時間も半分以下になります。

咬むことで唾液の分泌が促進されますが、咬めないと唾液は出にくくなり、口の中は唾液による殺菌作用も減るので不潔になりやすくなります。細菌が増殖し、虫歯や歯周病になりやすくなります。

また咬めない事で食塊を上手くすりつぶせないので、丸のみになって内臓に負担がかかったり、のどに詰まりやすくなります。

以上は咬めない事で起こり得る問題の一部です。

咬むことの大切さを再認識するデータでした。

咬めないことで始まる「オーラルフレイル」そして「フレイル」。この2つの聞きなれない言葉は今、高齢者医療でさかんに言われ始めているキーワードです。これについては、またの機会で説明します。

最後に高齢者の方からよくお受けする質問を2つあげます。

Q1.「歯を丈夫にするためにカルシウムを多く取った方がいいですか?」

A1. 残念ながら歯はカルシウムをとっても強くなりません。

Q2.「歯を丈夫にするために硬い物を食べた方がいいですか?」

A2. 残念ながら硬い物を食べても、歯は丈夫になりません。むしろ高齢者の歯は摩耗して薄くなったり、歯の水分が少なくなっているので割れたり、欠けやすくなっています。硬いおせんべいなどは控えた方がよいでしょう。

 

 

子供の歯並びが悪くなる原因

宝塚市でお子様の虫歯予防や歯並び矯正をおこなっている小児歯科 笹山歯科医院の笹山です。

子供の歯並びや咬みあわせが悪くなる原因は遺伝だけでないんです。

こんな原因もあります。

①口呼吸

鼻炎や鼻づまりがあると口呼吸になりやすいです。

口呼吸をすると舌の位置が悪くなり歯並びが悪くなる可能性があります。

口呼吸をすると唇に筋肉の緊張が減り、出っ歯になることがあります。

対処法 耳鼻科で治療 あいうべ体操 MFT(口腔筋機能療法)で口の周りの筋肉を鍛える。

②頬杖

頬杖をつくと顎や歯に大きな力がかかります。歯並びや顎の位置がずれてしまうことがあります。

③うつぶせ寝

うつぶせ寝やうつぶせで本やゲームをしていると顎の発育が悪くなることがあります。

④良く咬んで食べない

良く噛んで食べないと顎の発育が悪くなり、歯並びが悪くなることがあります。

対処法 食材を小さく切りすぎない。 食事に味噌汁やスープがある場合は、お茶や水は少なめにすることで良く咬まずに水分で流し込むことを防げます。本来は良く咬むことで唾液の分泌を促し、唾液で食材をペースト状にして飲み込むのです。

⑤指しゃぶり 爪咬み 唇咬み などの癖

これらの癖を続けていると出っ歯や受け口、開咬(前歯が全く咬まない)咬みあわせになる場合があります。

⑥虫歯

虫歯を放置すると、虫歯で欠けてしまった部分に周りの歯が移動することがあり、歯並びが悪くなることがあります。乳歯が虫歯などで早く抜けてしまうと、歯の生える順番が狂うことにより、歯並びが悪くなることもあります。

 

「歯並びが悪い=矯正装置を入れれば治る」 ではなく

まず歯並びを悪くした原因を治さないと、歯並びだけを強制的に良くしても、後戻りしやすくなります。

子供用のマウスピース矯正装置は歯並びを完璧にキレイに治すものではありませんが、上記の原因により乱れた筋肉のバランスを整え、乱杭歯や受け口や出っ歯などの噛み合わせの大まかな改善することが可能です。

その後に更に歯並びをキレイに並べるには従来のワイヤー矯正(針金をつける矯正)が必要となります。

 

子供のマウスピース矯正 プレオルソ

今日はこちらで

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子供の歯並びを治すマウスピース矯正装置の講習会に参加です。

20170219_094528045人気講習会のようで満席でした。

昔は歯並びが多少悪くても大人の歯に生え変わってから矯正相談しましょうね?ぐらいだったのが

今はお子さんの歯並びや咬みあわせを小さい頃から早期に良い方向へ誘導する治療が更に注目されています。

昔からそういう治療はあったのですが、最近はより簡単に負担が少なく治療できる装置が増えてきたようです。

今日はプレオルソというマウスピース装置について学んできました。

プレオルソ↓

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当院でも導入することにしました。

5月にアドバンスコースを受講するので、更に知識と技術を深めます。

帰りはこちらでお持ち帰り

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久々に来ましたが改装してお店がキレイになっていました。

相変わらずの行列で味も変わらず美味しかったです。

歯並び・咬みあわせ

開業するとお子さんの歯並びやかみ合わせが以前より気になるようになってきました。

以前は「様子を見ながら、必要なら矯正の専門医を紹介しますね」という事が多かったのですが

最近は様子を見る前にもっと小さい頃から出来る事がないか考えるようになりました。

Ⅰ期治療といって本格的な矯正治療するまでに受けられる矯正治療があります。

小さい頃にⅠ期治療を受けておくと後々の本格的な矯正治療がスムーズに行えます。

ケースによってはⅠ期治療だけで済む場合もあります。

子供たちには健全な咬みあわせや歯並びで成長してほしいものです。

そんなことを考えていたら、来年から近所に出来た保育園の園医になることに決まりました。

保育園での歯科検診などが主な仕事です。虫歯だけでなく、歯並びや噛み合わせも検診します。

そんなこんなで最近は子供の歯並びや噛み合わせについてあらためて勉強し直しています。

歯並びやかみ合わせが悪くなるのは遺伝だけが原因ではありません。食べ方や食べ物、体の癖(指しゃぶり、頬杖や噛み癖)なども影響します。

お母さん方に有益な情報を提供できるようにしていきます。

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