電動歯ブラシをおススメしない人

患者さんから時々聞かれます。

「先生、電動歯ブラシってどうなんですか?」

汚れを落とす効果は、普通の歯ブラシで磨くのと同等といわれています。

 

ただし、歯ブラシをどこに当てれば磨き残しが減るのかという基本的なポイントを理解していることが前提です。

それが分かっていなくて、歯磨きが面倒だから、上手く磨けないから、さっさと済ませたいからという場合は、効果が少なくなるので、おススメできません。

電動歯ブラシは、合う人と合わない人がいます。

歯並びが凸凹している人は、電動歯ブラシではブラシが当たらない所があり、電動歯ブラシだけでブラッシングを終えるのはおススメしません。

そういう場合は、全体をまず電動歯ブラシで磨いて、細かい部分を磨く専用の歯ブラシを使って仕上げることをおススメします↓

 

また、歯周病で歯ぐきがかなり痩せてしまっている方にもおススメできません。↓

歯ぐきが痩せている場合、電動歯ブラシで磨くのが難しい上に、当てる力が強いと更に歯ぐきが下がってしまう場合があるからです。

 

電動歯ブラシは、

歯並びに問題がなく、抜けた歯が一本もない方には

とても効率よく磨ける便利なツールでおススメできます。

 

あとは、歯医者さんで歯磨きの仕方を習って、自分なりに頑張ってみたけれど、普通の歯ブラシでは、どうしても上手く磨けない、めんどくさいという方には、妥協的にですがおススメ出来ます。

電動歯ブラシについてはこちらも参考にどうぞ↓

電動歯ブラシ・超音波歯ブラシ どうなんですか?

 

私も最近、久しぶりに最新の電動歯ブラシを購入したのですが、なかなかよく出来ていて、しっかりと磨けると思いました。

また別の機会でレビューしたいと思います。

以上「電動歯ブラシをおススメしない人」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

仕上げ磨き 歯みがき粉と歯みがきジェル どっちがいいですか?

「歯みがき粉と歯みがきジェル、どっちがいいですか?」

お母さんからよく聞かれる質問です。

当院で扱っているお子さん用の歯磨き粉 チェックアップkodomo

 

当院で扱っているお子さん用の歯磨きジェル チェックアップジェル

 

歯磨き粉はいわゆるペースト状です。基本的に大人用歯磨き粉と同じですが、ペーストは、大人の物と比べて少しやわらかいです。

歯磨きジェルはやわらかく透明です。化粧品などのジェルと同じで透明のジェルです。

歯磨き粉には、歯垢や着色を落としやすくする研磨剤と発泡剤が入っているのに対し、歯磨きジェルには研磨剤と発泡剤が入っていません。

歯磨き粉は、研磨剤と発泡剤が入っているので、着色や歯の黄ばみの予防に効果があります。

歯磨きジェルは、フッ素などの成分が歯に密着しやすく、ペーストよりも歯と歯の間など歯の細かい隙間まで届きやすいですが、研磨剤が無いので、着色や黄ばみ予防の効果は弱いです。

どちらもフッ素は入っていますので、虫歯の予防効果はあります。

結局どっちを使えばいいの?の話なんですが、結論をいいますと

どっちも使った方がいいです。

お子さんは大人のようにコーヒーや紅茶は飲みませんが、麦茶などは飲むと思いますので、ジェルには研磨剤が入っていないので歯に着色がつきやすくなりますし、仕上げ磨きが難しい場合など、研磨剤が入っている方が歯垢は落ちやすいです。

じゃあジェルはいつ使うの?なんですが、

仕上げ磨きの時に、歯磨き粉で磨いた後、ゆすがないで、更に上から塗ってもらってもいいですし、歯磨きの時間とは別に寝る前に、塗ってもらってもいいです。

汚れ落としがメインなら歯磨き粉、予防効果メインなら歯磨きジェルというイメージです。

たとえるなら、

歯磨き粉がシャンプーで、歯磨きジェルはトリートメントです。

どっちかだけを使うなら歯磨き粉でいいと思いますが、2歳くらいまでのお子さんは歯磨き粉の泡立ちや匂いを嫌がる場合があります。

その場合、歯磨きが使えるまでは無理して使わずに、お子さんの好きな味のジェルの方が仕上げ磨きを含めて嫌がる可能性は低くなると思います。

ここまで書きましたが、とはいっても、そんなに毎日規則正しく出来ないと思います。

仕上げ磨きしようと思ったら、寝てしまったとか、愚図ったり、それどころじゃないとか((+_+))

そんな時は深く考えずに、歯ブラシにジェルか歯磨き粉をたっぷりつけて、歯にさっと塗りつけて、終わりにしましょう。

もし寝てしまったり、愚図ったりで、1日や2日くらい仕上げ磨きが出来なくったて、虫歯にはなりません。

前のブログでも書きましたが、仕上げ磨きの質よりも、食べ方や食べる回数の方が虫歯になる可能性が高いです。

以上「仕上げ磨き 歯みがき粉と歯みがきジェル どっちがいいですか?」でした。

皆様のお口の健康維持に少しでも参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

虫歯になりやすいお子さん。仕上げ磨きで大切なこと。



小さいお子さんが検診で来院された時、

「お母さん、歯のことで何か心配なことはありますか?」と聞いた時に

「ちゃんと磨けてるか心配です。」

といわれることがとても多いです。

生えたての綺麗な子供の歯。

むし歯にしたくないから、仕上げ磨きを頑張りますが、実際は泣いたり騒いだりで、なかなかちゃんとさせてもらえない。

「ちゃんと仕上げ磨きが出来ていなくて、虫歯にさせてしまったらどうしよう…。」と心配になるお気持ちは当然だと思います。

でも実は0~2歳くらいまでのお子さんで、仕上げ磨きが出来ていなくて、虫歯になるお子さんは、そんなにいないんです。

小さいお子さんでむし歯が出来てしまう子は、仕上げ磨きが出来ているかより、食生活習慣が大きな原因になっています。

食生活習慣とは、食べ物・飲み物の種類や、食事の回数です。

下の図をご覧ください。

食事をするたびに、歯の表面は酸性に傾き、脱灰して一度溶けています。

溶けるといっても目には見えないレベルです。

食後しばらくすると、唾液や歯磨き粉のフッ素の力でアルカリ性に戻り、再石灰化して元に戻ります。

しかし、食べたり、飲んだりする回数が多いと、再石灰化で歯が元に戻る前に、また酸性に戻ってしまい、歯が溶け続けてしまいます。

1日4回の食事(おやつを含む)程度なら大丈夫ですが、それ以上に飲食の回数が多いと虫歯リスクはグンと上がります。

食事の回数が虫歯の大きな要因で、歯磨きが出来ているかはその次なんです。

食べる回数は、朝昼晩とおやつの4回だけ。

水分補給のための飲み物は、お水がお茶だけ。(食事やおやつの時は、この限りではありません。)

これだけで、かなりむし歯になりにくくなります。

お子さんが嫌がって、仕上げ磨きが上手く出来なくても、フッ素入りの子供用歯磨きジェルを歯に塗りましょう。

歯ブラシにジェルをたっぷり乗せて、歯にべったり塗りつけます。

歯垢が完璧に落ちていなくても、上からフッ素ジェルを塗るだけでも、むし歯の予防効果はあります。

こども用のフッ素ジェルは濃度が薄いので、歯磨きジェルを飲み込んでもフッ素中毒になりません。

次に2歳半くらいで乳歯が全部生え揃った頃の話です。

赤ちゃんの頃みたいに、仕上げ磨きを強烈に拒否されることはあまりないと思います。その頃には、上下で20本乳歯があります。

一番奥の歯と、その前の歯の間が虫歯の好発部位です。(青矢印部分

乳歯が生え揃うと、歯と歯の間の虫歯が増えますので、仕上げ磨きで糸ようじを毎日おこないましょう。(乳歯が生え揃う前にはじめるのもOKです。)

歯と歯の間は、とても虫歯になりやすいので、糸ようじは

時々ではなく、毎日するのがポイントです。

そしてもっとも大切なことは

歯磨きより前に、糸ようじをすることです。

その理由は、

先に歯と歯の間を掃除することで、後でつける歯磨き粉や歯みがきジェルの成分が歯と歯の間に浸透しやすくなるからです。

当院では、お子さんが楽しく通えるように、歯磨き指導やフッ素塗布など、ダメ出しゼロ、褒めて褒めて褒める、ゆるやかな予防を心掛けています。

お子さんのお口で気になることがありましたら、何でもご相談下さい。

以上「虫歯になりやすいお子さん。仕上げ磨きで大切なこと。」でした。

皆様のお口の健康維持に少しでも参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

新提案 歯ブラシの交換時期 北欧の歯磨きは?

今回は歯ブラシの交換時期についてです。

皆さん、歯ブラシの交換ってどれくらいでおこなっていますか?

使い方などによって交換する時期の差は多少あるとは思いますが、

今までの歯医者さんにいわれたり、ネットを検索した結果で出てくる交換目安は、

①毛先が広がったら。

②歯ブラシの背中側から見て、毛先がはみ出していたら。

②11.5ヶ月に1回。

が平均的な回答だと思います。

 しかし私が推奨するのは、

2週間ごとの交換です。

歯ブラシを新しく交換した時に、こんなことを感じたことはありませんか?

「毛が硬く感じる。」

「汚れがよく落ちる。」

毛も全く傷んでいない歯ブラシの新品の状態が、歯ブラシメーカーさんが意図した歯ブラシの本来の性能を発揮できるベストな状態です。

毛先が広がっていなくても、使用しているうちに、毛のコシは無くなってくるので、歯垢除去能力は低下していきます。

私も実際に約2週間で交換しています。

最初の頃は、新品に変えてしばらくすると、いつ変えたのか忘れてしまったので、マジックで歯ブラシの柄に日付を書いたりしていましたが、今はしておらず「大体2週間くらいかな。」と思ったら交換しています。

私の歯磨きは、まず歯磨き粉をつけずに5~10分磨き、

その後に歯磨き粉をつけて約2分磨いて終わりしています。

*歯磨きの前に歯間ブラシ・フロスを終えています。

関連する記事はこちら↓

歯医者はどんな歯ブラシや歯磨き粉を使っているのか?セルフケアの仕方は?

スウェーデンの虫歯学・歯周病学

 

歯磨き粉をつけずに磨いた後に、歯の表面を舌で触ってみて、ツルツルになっていなければ、2週間経っていなくても、歯ブラシの毛が劣化していると判断して交換しています。

新品の歯ブラシなら、歯磨き粉をつけなくても5~10分磨けば、歯の表面はツルツルになるはずです。

 

歯ブラシは特殊な毛先の物や、高い物を買う必要はありません。

お勧めできない歯ブラシ↓ 山切り〇〇〇 など特殊な毛先や形の歯ブラシ。

高い物だと2週間で交換するのに躊躇してしまいます。

ドラッグストアで200円以内くらいで買えて、

①毛先がフラットで、(凸凹していない)

②ヘッドが小さくて、(大きいと奥歯が磨きにくい)

③毛の硬さは「ふつう」の歯ブラシを選びましょう。(「やわらかめ」は歯茎は腫れている時)

標準的でお勧めできる歯ブラシの形態↓

このような歯ブラシをどんどん交換して新しい状態で磨けば、磨き残しは減ります。

結果、虫歯や歯周病の予防効果が高まります。

以上「新提案 歯ブラシの交換時期」でした。

皆様のお口の健康維持に少しでも参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯を磨いているのに虫歯が出来る理由 

院長の笹山です。

「歯医者さんに検診に行くたびに虫歯が見つかる。」

「ちゃんと歯を磨いているのに虫歯が出来てしまう。」

基本的にある程度歯が磨けているのに、時々虫歯が出来てしまう原因として考えられる理由をお話しします。

それでは、主な理由を順に見ていきましょう。

① 歯間ケアをしていない。

フロス、糸ようじ、歯間ブラシのいずれかを1日1回はおこなわないと虫歯は出来やすくなります。

これは本当に大事で1日1回歯間ケアするだけで、歯と歯の間の虫歯は激減します。

虫歯の多くは、歯と歯の間から発生します。

歯と歯の間に食べ物が詰まった時だけ、爪楊枝のように歯間ブラシやフロスを使用するだけでは、虫歯予防の効果はほぼありません。

歯間ブラシとフロスは両方やった方がいいんですか?

歯と歯の間の虫歯は気づくまで時間がかかる

② 歯磨き粉を使用していない。

何らかの理由で歯磨き粉を使っていない方は意外といらっしゃいます。

「味が気持ち悪い。」とか「泡立つのが苦手。」のような理由が多いです。

しかしフッ素入りの歯磨き粉を使わずに、虫歯を予防するのは難しいです。

フッ素入り歯磨き粉の効果的な使い方

③歯磨きした後に何度もうがいしている。

フッ素入りの歯磨き粉を、歯の表面に残すことで、虫歯予防の効果が高まります。水でゆすぐのは0回、もしくは少量の水で1回にとどめましょう。

こちらを参考にどうぞ↓

すぐ効果の出る虫歯予防法

④過去に治療した歯が多い。

一度でも削られて治した歯は、表面のエナメル質の一部が失われます。すると虫歯が、再発しやすくなります。

⑤治療した歯の適合が良くない。

歯にピッタリとあっておらず、小さな隙間のあるような詰め物や被せ物は、隙間から虫歯が再発しやすいです。

不適合な銀歯の中身はどうなっていたか?

⑥歯医者で定期的に検診とクリーニングを受けていない。

自分で100%磨き残しが無いようにするのはほぼ不可能です。ご自身で取り切れない歯垢を3か月ごとにクリーニングを受けると、虫歯が出来にくくなります。

⑦食事の回数が多い。

飲食の回数が多いと虫歯になりやすくなります。朝昼晩の食事以外の間食は1日1度にしましょう。

甘い炭酸飲料、砂糖入りのコーヒー、シュガーレスではない”のど飴”などが虫歯の原因になりやすいです。

喉が痛い時は、飴ではなく、喉スプレーをお勧めします。のど飴は、唾液で飴を溶かして、溶かしたものを飲み込むときに喉に効かせるという間接的な方法です。溶かして口の中に広がった飴の糖分は、虫歯リスクを高めます。どうしても”のど飴”が良ければ、シュガーレスの”のど飴”にしましょう。

喉スプレーの方がダイレクトに喉の痛い所を噴射出来ますし、虫歯のリスクは低くなります。

⑧口呼吸している。

慢性の鼻炎などで鼻詰まりがあると、口で呼吸してしまいます。口呼吸すると、口の中に乾いた空気が入るので、虫歯予防の効果がある唾液が乾燥してしまい、歯の再石灰化や菌の殺菌効果が落ちてしまいます。

鼻炎でない人でも、コロナによるマスク生活が長くなって、マスクの下で口呼吸が癖になっている人が多いです。

今はマスクをしているので、マスクによって口の中の湿気が保たれていますが、マスク無しの生活が始まった時に、口呼吸の癖を治しておく必要があります。

⑨歯ぎしりを指摘されたことがある。噛みしめをしている自覚がある。

歯ぎしりや噛みしめ癖は、歯にマイクロクラックという細かいひび割れをおこさせます。そこから虫歯菌が歯の内部に侵入してしまうことがあります。

歯ぎしり、噛みしめを防ぐために、歯医者さんでマウスピースを作ったり、自己暗示療法を学びましょう。

マウスピースの重要性 

 

最後に私がどんなセルフケアをしているのか書いた過去の記事はありますので、よろしければ参考にしてみてください↓

歯医者はどんな歯ブラシや歯磨き粉を使っているのか?セルフケアの仕方は?

以上「歯を磨いているのに虫歯が出来る理由 」でした。

皆様のお口の健康維持に少しでも参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院