歯根破折といって、歯の根が割れてしまった歯のレントゲン画像です。
解説します。
赤の2本は、元々1本だった根っこが割れて、2つに裂けてしまった状態です。
真ん中の青いのは根管充填剤といって、歯の神経を抜いた管に詰める固形の薬です。
骨折しても、骨はくっついて治りますが、歯の根っこは割れてしまうと、
くっつくことはありません。
この歯を実際にお口の中で見ると、こういう風に見えます。
解説します。
赤丸の部分の歯ぐきが腫れています。矢印の部分は歯の縦に亀裂が入った様子が見られます。
この歯は大きい奥歯で、根が3本ありますが、そのうちの1本が折れており、他の2本もダメージがかなり大きかったので、無理に残しても数年持つかどうかという状態でした。
患者さんとよく話し合って、抜歯することになりました。
歯根破折を起こしてしまう歯のほとんどが、過去に虫歯で神経を抜かれた歯です、
歯が痛くて、歯の神経を抜くと、痛みは無くなるのですが、いつか歯根破折を起こすリスクを背負うことになります。
歯根破折を防ぐには、歯の神経を抜くような虫歯を作らないことが一番の予防策です。
しかし残念ながら既に歯の神経を抜いてしまった歯には、なるべく歯根破折をおこさないような治療を施してあげることが、歯の寿命を延ばす秘訣です。
実際のケースを見てみましょう。
金属のメタルコアを除去して、ファイバーポストに置き換え、歯根破折のリスクを軽減したケース↓ 3本の歯にそれぞれメタルコアが入っています。
メタルコアを除去しました↓
代わりにファイバーポストを入れて、レジンコアで補強しました。
ここまでの治療を終えて、その後のベストの治療は、歯が無いところはインプラントを入れて、歯がある所は繋げて被せないで、それぞれ単独で被せ物をいれる事です↓
患者さんにブリッジとインプラントのメリット・デメリットをお話ししたところ、今回はブリッジを選択されましたので、ブリッジによる歯根破折のリスクを少しでも下げるために、すべての歯のメタルコアをファイバーポストに置換しました。
以上「画像で見る歯根破折」でした。
皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。
宝塚市の歯医者 笹山歯科医院