ホワイトニング 何歳まで可能? 痛くない? 歯は傷まない?

ホワイトニングって若い人がする治療というイメージが持っていませんか?

歯の色は年齢と共に、黄色く、濃くなります。

つまりご年配の方は、必然的に歯の色は濃く、黄色いので、ホワイトニングで白く出来る幅が大きいんです。

歯が年齢と共に黄色くなるのは、エナメル質の内側にある象牙質が黄色くなるから。

エナメル質は透明なので、内側の象牙質が黄色くなると、その色が透明なエナメル質から透けて見えてしまうんです。

ホワイトニングでは、黄色くなった象牙質を白くするのではなく、表面のエナメル質の構造の一部を変えることで、象牙質の色が透けないようにします。

透明のガラスを、すりガラスに変えるようなイメージです。

話を元に戻します。

元々の歯の色が濃い(黄色い)ほど、効果は実感できますので、当院でホームホワイトニングを始める方は、ご年配の方も多いです。

70代後半の方でも、何の問題もなく出来ます。

実際のケースを見てみましょう。70代女性の方です。

before

after

使用方法を守って、ご自宅できちんとホワイトニングされたので、3週間ほどで白くなりました。

元の歯の色が濃かったので、かなり白くなりましたね。 ご本人もとても喜んでいらっしゃいました。


この方が、ホワイトニングをされる前に気にされていたのは次の3点です。

Q1. 痛くないのか?

A1. 適切に使用すれば、痛みが出ることはほぼありません。若干歯が凍みたりする方もいらっしゃいます    が、一時中断すればすぐ治ります。凍みなくなったら再開して大丈夫です。数日中断しても効果が落ちるわけではありません

Q2. 年齢は関係ないのか?

A2. 関係ありません。永久歯であれば、何歳でもできますし、効果は同じです。

Q3. 歯が傷んだりしないのか?

A3 .適切におこなえば、傷みません。

以上ホワイトニングについてでした。

ホワイトニングについてはこちらも参考にどうぞ↓

ホワイトニングいいね

 

神経を抜いた前歯は被せないといけないの?

 

神経を抜いた前歯は被せないといけないの?

20年歯科医をやってきての経験で言わせていただくと

神経を抜いた時期が20代までは、被せなくて済むならそのままでもいいかもしれませんが、いずれ歯が折れたり、割れてしまう可能性がかなり高いです。

割れ方によっては抜歯に至ることもあります。

また、割れ方によっては、歯を補強して被せることも可能なんですが、最初から被せておいた方が自分の歯が多く残って長持ちする可能性もあります。

では、将来そうなる可能性があるのに、神経を抜いた歯を被せないことがあったのか?

ひとつの理由としては、昔は神経を抜いた歯はメタルコアという金属製の土台を埋めてから被せることが多かったからです。

ところがメタルコアは数年、もしくは数十年後に歯そのものを割って抜歯になってしまう可能性があります。

そのリスクを考えると、あえて被せない方が抜歯に至るリスクは少ないという考えも出来ます。

しかし、今はメタルコアではなく、ファイバーポストという歯の根を割れにくくする補強材があります。

こちらは歯冠破折(しかんはせつ)といって、硬い食べ物を噛んだ時に、前歯が割れてしまったケースです。画像真ん中の歯が水平に割れているのが、分かりますでしょうか?

↓折れてしまった歯にファイバーポストが入ったところ↓

最終的にセラミックの歯を装着したところ↓

 

ですので今の私の臨床判断では、神経を抜いた時期が20代までは被せなくて済むなら被せないようにして、30代以降はファイバーポストで補強して、被せておいた方がいいのではないかと考えています。

あとは患者さんとよく話し合ってから、決めるようにしています。

今日そんなケースがあって患者さんとお話ししたので、ブログに書いてみました。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

フルジルコニアとセラミックのハイブリッドでメタルフリー

長いタイトルになってしまいましたが、

まずはこちらをご覧ください↓

DSC_4872

DSC_4876これはブリッジですが、右側3本はフルジルコニア、左2本はセラミックを築盛したジルコニアセラミックスです。

全部繋がっていて、ベースはフルジルコニアですが、部分的にセラミックも混在しています。

奥歯で割れたり、欠けやすい部分は強度のあるフルジルコニアで、審美性もある程度要求される小臼歯はセラミックです。

最近のジルコニアは、単独でもかなり審美性が向上していますので、全部フルジルコニアでもOkくらいですが・・(画像でも、見た目の違いが然程ないのがお分かりになると思います。)

従来ですと咬み合わせによっては、奥歯はメタルになるようなケースでもジルコニアによってメタルフリーが可能です。

こんなハイブリッド的な使い方もあるんです。

 

 

精密な型採り セラミックの前歯

本日も良いお天気ですね。

今日はセラミックの前歯を作るための精密な型採りをおこないました。

DSC_4626被せ物をピッタリと合わせることは、歯を長持ちさせるための必須条件です。

見た目だけキレイな被せ物を入れても、長くは持ちません。

この型を採る治療は、1時間のアポイントです。

実際は1時間ずっと型を採っているわけではなく、歯の写真を撮影したり、歯の色を決めたり、仮歯をつけたりと色々としなければいけません。

次回は”仮の合わせ”です。仕上がりの一歩前でチェックをいれます。

そして次々回に問題なければ、セラミック歯が完成します。

ですが、その日には最終セットしません。

前歯の場合は必ず、一度仮付けして使用して頂きます。

そうして見た目や機能に問題がないか一定期間使用して頂き、問題がなければその時初めて最終装着します。

前歯のセラミックの治療はこんな具合でおこなっています。

手間と時間と少々の費用はかかりますが、精密な歯は長持ちします。長期的にみてコストパフォーマンスが高く、見た目が自然で機能的なセラミック歯を装着することを大切にしています。

精密な型採り

先日の治療の一コマです。

セラミックブリッジを作るための歯型採りをおこないました。

まず被せ物と被せる歯の境目をピッタリ合わせるために歯肉圧排という作業をおこないます。

この境目(繋ぎ目ともいえます)を限りになくゼロにすることで、より歯にフィットし、外れにくくなり、隙間から内部の歯に菌が侵入することを防げますので大変重要です。

次に歯型をお口から外す時になるべく変形しないようにする処置を行います。

ブロックアウトといって全ての歯と歯の間とアンダーカットを一時期的に埋めます。

型採り材料が歯の間に入り込むと、型を外すときに余分な力を加えないと外れにくくなり、型が変形する可能性があります。

型が変形するということは、その型から出来た模型も変形してしまい、結果ミクロンの単位で作った歯が合わなくなるということです。

次に型を採る材料です。

セラミックなど自費診療の型採りに使う材料はシリコーン印象剤といって変形が少なく誤差が生じにくい材料を用います。

ここまで準備が出来たら、温度管理をおこなっていおいたシリコーン材料を用意します。

シリコーン材料は温度管理も大事です。室温で適当に管理してはいけません。

お口に入った型採り材料が固まるまで5分かかります。これは患者さんにとっては苦痛な時間です。

なるべく1回で型採り成功させることが大事です。

そこでまず診療補助についてくれるスタッフと型採りのシミュレーションを行います。

予行演習ですね。

どなたもお口の開き具合や状態は異なりますので、このシミュレーションをおこなうことで無駄な採り直しを防ぎます。

スタッフと声を掛け合いながら呼吸を合わせて最適なタイミングで歯の型を採ります。

型が固まって外したら、明るいライトの下で型に変形や異常がないかじっくり点検します。

採った歯型はこんな感じです。オレンジの部分と青い部分はそれぞれ役割が違います。

DSC_4304

当院では過度な圧排はおこないません。歯肉のダメージは最小限に抑えるべきです。

型採りが無事成功しましたら、かみ合わせの記録を採ります。

咬み合わせの記録も変形の少ないシリコーンで採ります。

あとは歯の色を色見本から選びます。必要に応じて一眼レフで写真撮影をおこないます。

その後仮歯を装着して終わりです。

ここまで約1時間かかります。

ここからは自費専門で製作を依頼している歯科技工士に歯型を預け製作をスタートします。

今はローコストで1日で機械が自動製作してくれるセラミックを提供する方法もありますが、当院ではすべてハンドメイドで製作してもらっています。

理由は私が自分の歯には入れたくないからです。

その理由は・・・。

お察しいただければと存じます(^_^;)

質が高く長期に安定する審美歯科治療をおこなうためには、良い材料を使う事はとても大事ですが、それよりも歯科医師の診断や手技、それを製作する歯科技工士の技術がもっと大切です。

ちなみに自費診療においては型採り、仮歯調整、装着に至るまですべての治療工程を私一人でおこなっています。

自分が自費診療を受けるのならそうしてもらいたいからです。

以上、精密な歯型取りについてでした^^