虫歯と歯周病予防には、これが効果的です。

お口の中で虫歯や歯周病に一番なりやすい部分をご存じですか?

それは、

歯と歯の間です。

歯と歯の間は、歯の噛む面や歯の付け根などと比べて、2・5倍以上虫歯や歯周病になるリスクがあります。

普段の歯磨きで歯間ブラシや糸ようじを使っている方もいらっしゃると思いますが、今回ご紹介する方法を知ることで、もっと予防効果を高めることが出来ます。

ちなみに皆さんは、歯ブラシで歯磨きする時に1か所を何回磨かれますか?

理想的には歯ブラシを小刻みに動かして10回ほど往復してから、次の場所に歯ブラシを移動するのが良いといわれています。

では、歯間ブラシを歯と歯の間を入れた時に何回往復していますでしょうか?

おそらく2~3回だと思います。

歯間ケアの誤解で良くあるのが、歯と歯の間に詰まってものを取り除くだけが目的と思われていることです。

もちろんに歯と歯の間につまった物を取り除くのも、1つの目的ではありますが、もっと大事なことがあります。

それは、

歯の横の面を磨く。

ということです。

歯の横の面も歯ですから、しっかりと磨く必要があるのですが、歯ブラシでは届かないので磨けません。

ですので、歯と歯の間を磨けるように、歯と歯の間の歯を磨ける歯ブラシとして作られたのが、歯間ブラシなんです。

私は患者さんのこのことを説明するのに、歯が取り外し出来る説明用の模型を使って説明します。

歯を取り外して、歯の横の面をお見せして、「この面も普段磨いている歯の噛む面や外側や内側と全く同じ歯です。」とお伝えします。

そうすると、患者さんは

「確かにそうですね。」と納得されます。

歯間ブラシが歯と歯の間を磨く歯ブラシだとすれば、歯磨き粉を付けたほうが、汚れは落ちますね。

患者さんで「歯と歯の間の入り口付近の黄ばみが気になります。」と言われる方がいるのですが、それはそこに歯ブラシによる歯磨き粉が当たっていないので、ステイン(着色)が蓄積している可能性があります。

普段から歯間ブラシに歯磨き粉を付けていいれば、その黄ばみはつきにくくなります。

また、歯間ブラシを動かす回数としては、歯ブラシと同じ10回とはいいませんんが、

5~6回以上は、

出し入れしたほうが、汚れも落ちやすくなります。

こちらも参考にどうぞ↓

歯間ブラシとフロスは両方やった方がいいんですか?

 

歯と歯の間の虫歯は気づくまで時間がかかる

 

もう1つ歯間ブラシを効果的に使えていない方の特徴があります。

それはまたの機会にお伝えします。

以上「虫歯と歯周病予防には、これが効果的です。」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

虫歯を強力に予防する歯磨き剤

虫歯を強力に予防する歯磨き剤のご紹介です。

チェックアップルートケアというライオンから販売されている歯磨き剤ですが、今回リニューアルされて虫歯予防効果がアップしました。

日本の歯磨き粉に含んでよいフッ素の濃度の上限は1450ppmですが、ルートケアは上限の1450ppmまで入っているだけでなく、歯の表面に残るフッ素滞留量も3倍になったとのことです。

虫歯予防効果がアップしたチェックアップルートケア↓

 

虫歯予防効果だけでなく、知覚過敏を防ぐ成分や、歯肉炎を予防する殺菌成分も入っていますので、歯周病予防にも効果があります。

1点だけ注意事項があります。こちらは歯磨き粉ではなく、歯磨きジェルなので、研磨剤が一切入っていません。

研磨剤は日常の飲食による歯の着色を防ぐ効果があります。

コーヒーや紅茶、濃い色のお茶などをよく飲まれる方は、研磨剤が入っていないジェルだけを使っていると、歯に着色が溜まってしまいます。

その場合は、1日3回磨くなら1回は通常の歯磨き粉を使って下さい。

姉妹品のチェックアップスタンダードですと、低研磨剤ですので、歯に傷がつくこともほぼありません。

歯磨き粉であるチェックアップスタンダード↓

画像 / Check-Up standard チェックアップ スタンダード

 

歯ぐきが痩せて、歯の根が出ている人が研磨剤の強い歯磨き粉を使うと、歯の根がけずれてしまう恐れがあります。

そういった方にも、チェックアップルートケアをお勧めします。

当院ではチェックアップスタンダード、チェックアップルートケア共に取り扱いがありますので、気になる方は気軽にご相談ください。

こちらも参考にどうぞ↓

すぐ効果の出る虫歯予防法

 

ルートケアについて、更に詳しく知りたい方はライオン公式YouTube動画も参考にどうぞ↓ *音量注意

以上「虫歯を強力に予防する歯磨き剤」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯が弱い人に知ってほしいこと

いつも長文で読みづらいブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、本日は歯の強さ、弱さについて書いてみようと思います。

 

毎日毎日、歯でお困りの方を治療をしています。

「他院で作った入れ歯が合わない。」

「骨が少ないのでインプラントは出来ないと言われた。」

「治療中の歯の痛みが取れない。」

そんな中、時々患者さんから

「私は昔から歯が弱くて…苦労してるんです。」

と、言われることがあります。

歯の強さに関する話なんですが、実際のところ、歯が弱い人、強い人はいるのでしょうか?

結論からいいますと、歯が強い人、弱い人は確かにいらっしゃいます。

しかし、それだから歯がどんどん悪くなるというわけでもないんです。

歯の強さをいうのは、一般的に歯の硬さを示します。

毎日大なり小なり歯を削って治療してきましたが、歯の硬さに関しては、それほど差がないと感じています。

もちろん「この患者さんの歯は硬くて、なかなか削れないな。」ということは、ごく稀にありますが、それでも、その歯は硬いにも関わらず治療が必要になっているという事は、虫歯になっているということです。

実際に歯のエナメル質の硬さは、人それぞれに多少の差はあるとしても、極端に硬いとか、柔らかくて脆いということはありません。

歯が弱いと感じている人は、虫歯になりやすかったり、歯周病で歯を失ったりしていることを総称して「歯が弱い」とおっしゃっていると思うのですが、虫歯になりやすい原因には、歯の硬さよりも、もっと重要な因子があります。

それは

①唾液の量と質

②食生活習慣

③プラークコントロール

です。

 

それぞれ説明していきますね。

①唾液の量と質

唾液の量や質が低いと、虫歯になりやすくなります。

食事をすると、歯の表面は酸性に傾き、一時的に溶けだします。

しかし、唾液によって、中性に戻り、溶けだした歯の表面は修復されます。

この修復するスピードは、生まれつき人それぞれ違います。

また、そもそも唾液の量が少ないと修復スピードが落ちますし、唾液には殺菌成分や保湿成分があるので、お口の中を健康に保つ機能があります。

唾液の量が少ないと、お口の中が乾燥し、虫歯になりやすくなります。

口呼吸が癖になっている人や、ドライマウスの人は、虫歯になりやすいのです。

ですので、

唾液の量や質と虫歯になりやすさ

は、大きな関係があります。

 

②食生活習慣

食生活習慣とは、食べたり飲んだりする物の種類と飲食する回数です。

こちらを参考にどうぞ↓

虫歯になりやすいお子さん。仕上げ磨きで大切なこと。

③プラークコントロール 

プラークコントロールとは歯垢(細菌の塊)を綺麗に落として、お口の中を清潔に保つことです。

簡単に言いますと、

歯磨きを上手におこなって磨き残しを極力減らすことです。

このプラークコントロールをいうのはもっとも重要で、虫歯や歯周病の原因は、

虫歯菌や歯周病菌による細菌感染症ですから、磨き残しをいかに少なくするかはとても大事です。

これは、少し言いにくいことなのですが、

「歯が弱い。」

と、おっしゃっている多くの方のプラークコントロールは

悪いです。

つまり磨けていないということです。

もちろん、患者さんなりに一生懸命磨いていらっしゃるのですが、実際は磨けていないことが多いです。

そして、歯医者さんでちゃんとした歯磨きの仕方、歯間ケアの仕方、予防の仕方を習っていない方が多いです。

どんなに良い治療をしても、プラークコントロールが悪ければ、必ず虫歯は再発し、歯周病は悪化します。

歯を磨いているのに虫歯が出来る理由 

フッ素入り歯磨き粉の効果的な使い方

すぐ効果の出る虫歯予防法

 

歯が弱いとお悩みの方は、

「出来るだけ虫歯が再発しない材料や治療法で歯を治療をするのと同時に、適切なセルフケアを身に着ける」

ことが大切です。

当院でも、歯の状態の良くない方には、念入りにセルフケアの仕方をお話しして、ご自身である程度出来るようになっていただきます。

当院ではインプラント治療もおこなっていますが、インプラントはプラークコントロールが悪いと長持ちしませんので、プラークコントロールが良くない方にはインプラント治療をおこなわないスタンスです。

まとめ

歯の硬さは、人それぞれ多少の差はあるけれど、硬い、柔らかいはそこまで大きなリスクファクターではありません。

それよりも、

①唾液の量と質

②食生活習慣

③プラークコントロール

が重要な因子です。

特に②と③は、患者さんご自身で改善可能ですので、歯が弱いとお悩みの方は是非見直していただきたいです。

そのために、かかりつけの歯医者さんで、正しい予防歯科の知識とセルフケアを教わって頂ければと思います。

当院では患者さん1人1人の歯や歯ぐきの状態に合う無理のない予防方法を優しく提案しています。

 

以上「歯が弱い人に知ってほしいこと」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

お問い合わせの件「削らない治療はやってますか?」

最近お問い合わせのあった件です。

「かかりつけの歯医者で虫歯が6個も見つかったんです。ネットで調べたら、MI治療っていう削らない治療があったのですが、そちらではMI治療をやってますか?」

MI治療のM.Iとは『ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)』の略で、歯の治療において、健康な歯を削らずに、本当に悪くなったところだけを削除して修復する治療法です。

「え?虫歯だけ削るのが普通じゃないの?健康な歯を削っちゃダメでしょ!」

という声が聞こえてきそうです。

たとえばです。下のような銀歯を入れるの場合の話です。

実は、銀歯に置き換わった部分が、すべて虫歯だったわけではありません。

銀歯を作るには、銀歯が入りやすい歯の形に削る必要があり、虫歯ではない健康な歯も一部削ることがほとんどです。

逆にコンポジットレジン修復では、健康な歯はほとんど削らずに虫歯だけを削って詰めることが出来ます。

コンポジットレジンについてはこちら↓

1回で治せる白い詰め物 *治療画像あり

ですので、コンポジットレジンはMI治療といえるのです。

ただ、コンポジットレジンはプラスチックですから、強度では銀歯に劣ります。

白い詰め物のデメリット コンポジットレジンとセラミックの比較画像

広範囲の虫歯をコンポジットレジンで治しても、割れたり、欠けることがおおいので、お勧めしません。

MIにこだわり過ぎる弊害もあるのです。

 

それでは全く削らないMI治療はあるのでしょうか?

極々軽度のC0~浅いc1程度の虫歯なら、削らずにフッ素コーティングしたり、虫歯の進行止めを塗ることで、進行を抑えることが出来る場合もあります。↓

また、レーザーを照射して、削らずに虫歯だけを取る治療もあります。しかしレーザーで虫歯全部しっかり取り切るためには、虫歯の全体像を把握する必要があり、ある程度は従来からある回転切削器具で削る必要があります。

同様にカリソルブといわれる虫歯を削らずに溶かして取る方法も、全く削らずにというのは難しいです。

ですので、極々初期の虫歯(Co~C1)以外に関しては、削らずに治療するというのは、かなり難しいと思われます。

当院では虫歯と健全な歯の境界を確認する場合は、高倍率ルーペやマイクロスコープを用いて、強拡大視野で確認するようにしています。

虫歯を取り残さないため、健康な歯をなるべく削らないためには、まず虫歯の部分がしっかり見えていければ、MI治療は出来ません。

当然、肉眼でそれらを完全に区別することはほぼ不可能です。最低でも3倍以上のルーペを使わなければ、MI治療は出来ません。

6倍のルーペ(形成の仕上げやCRで使用)

 

3倍ルーペ(常時装着。当院では肉眼での治療はおこなっていません。)

 

マイクロスコープ(CR、根管治療、形成の仕上げで使用)

なるべく歯を削りたくないお気持ちは、どなたも同じだと思います。

歯医者さんで、いきなり多くの虫歯を指摘された場合で、ご自身でまったく自覚出来なかったり、説明を受けても納得できない場合は、セカンドオピニオンを求めることをおススメします。

急に虫歯がたくさん その理由は? 歯医者を変えたら虫歯が10個も?

 

以上「削らない治療は出来ませんか?」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

1回で治せる白い詰め物 *治療画像あり

歯を治療する時は、なるべく元通りに近い見た目で治したいですね。

白く治す治療で最もポピュラーな材料が

コンポジットレジン

という材料です。

平たくいうと、歯科用の樹脂、プラスチックです。

私も毎日の診療で使っているのですが、とても良い材料です。

虫歯を削った穴にペースト状のコンポジットレジンを埋めて、光を照射すると、固まります。

メリットは、

➀歯型を取らずに1回で直せること。

➁歯に近い色で直せること。

➂健康な歯をほとんど削らずに詰められること。

です。

デメリットは、

➀欠けたり、割れたりしやすい。

➁経年劣化で変色する。

➂耐久性が低いので、大きな範囲を埋めるのには向かない。

デメリット➂のように、大きな範囲でなく、小さな範囲を治しても、

後々剥がれてしまい、隙間から虫歯になることはあります。

 

以下の治療例をご覧ください。

「噛むと痛い。」と来院された患者さん。奥歯の後ろ側を、コンポジットレジンで直していますが、剥がれて、歯との境目に隙間が生じています。

 

コンポジットレジンの一部を剥がすと、歯の内部に虫歯が進行していました。

 

虫歯菌の酸により、溶けてボロボロになった象牙質が出てきます。

 

後ろに生えている歯の間も虫歯になっていました。よくあることです。

コンポジットレジンの問題は、その材質も剥がれたり、壊れる理由ではあるのですが、詰める時になるべく剥がれにくくする詰め方をすることが大事です。

 

術後。

細心の注意を払って、再度コンポジットレジンで治しました。

これで剥がれるようなら、コンポジットレジンより硬い金属やセラミックなどで治す必要があります。

 

コンポジットレジンを詰めるのに向かない場所(非適応)は、

噛む力が強くかかる部分です。

それは、

奥歯の噛む面の一部だったり、

前歯の先端などです。

特に前歯の先端は、詰めても非常に取れやすく、欠けやすいです。

上の前歯の先端をコンポジットレジンで治した一例↓

上記のように一旦綺麗に治すことは可能ですが、すぐに欠けてしまう可能性もあります。

奥歯の噛む面については、患者さん固有の噛む力や、残っている歯の量によって、適応であるか判断します。

また、詰める技術によっても、持ちは変わります。

コンポジットレジンは、適応を間違えず、詰め方を気を付ければ、

1回で治療が終わり、見た目が自然で、健康な歯を削らない。

という、とてもメリットの多い治療方法です。

コンポジットレジンを詰めても、

「すぐに取れる。」

「欠ける。」

お困りの方は、その歯が適応であるかを歯医者さんにお聞きするのもいいかもしれません。

比較画像で見るプラスチックとセラミックの違い 

以上「1回で治せる白い詰め物」でした。

皆様のお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院