自費料金のお問い合わせについて。

時々ですが、

「インプラントはいくらでやっていますか?」

「セラミックの費用を教えてください。」

などのお問い合わせを電話やメールで頂きます。

結論から申しますと、当院はメールやお電話で自費の治療費についてお答えしておりません。

保険診療については国で定められた費用がありますので、それに診察料や検査費なども含めた概算についてお答えはしています。

なぜ自費の料金についてお答えしないかといいますと、当院では自費は治療方法や治療期間などを説明した後に、費用をお話しすると決めているからです。

自費は保険診療と比べて費用がかかります。

それだけの費用差が出る理由は、診断から治療に至るまで、すべての工程において時間とコストがかかるからです。

全く同じものを同じクオリティで提供されるなら、当然皆さんは安い方を選ばれると思います。

家電や洋服などは、その部類に入ると思います。

しかし安いセラミックと高いセラミックでは明らかに差があります。

同じ品質の治療であれば、患者さんは高い方の歯医者さんには行きませんので、歯医者側は高く設定するメリットはないと思います。

それでも安くしていない(出来ない)のには理由があります。

自費治療は患者さんと歯科医院との個人契約です。

品質の低い物を入れて、長持ちしなければ、患者さんに迷惑をおかけします。

例えばインプラント治療ですが、当院は日本の歯科医院におけるインプラント1本の平均費用と同じぐらいの費用でおこなっています。

また、当院の使用しているインプラントメーカーは世界で一番シェアがあり、論文や検証データも世界で一番多いメーカーを使用しており、一般的なインプラントメーカーと比べると、原価が1・5倍くらい高いです。

体に入れる物ですから「安全で信頼性の高いメーカーを」という考えから選んでいます。

昔、安いインプラントメーカーを使用している先生に「品質に不安はありませんか?」と聞いたことがあります。

その先生の答えは「もし抜けたら、また入れ直せばいいよ。」でした。

そういう考え方もあるのかと驚きました。

高いインプラントメーカーなら何でも大丈夫というわけではありませんが、長持ちさせる可能性を上げられることは、出来るだけしておくという意味でメーカーにこだわっています。

また、インプラントのかぶせ物を作るのも日本有数の歯科技工所に製作してもらっています。これも一般的な歯科技工所より1・5~2倍くらい製作費がかかります。

インプラントの被せ物は、デザインや細かい嚙み合わせなど、天然の歯に被せる物よりもシビアに作りこむ必要があります。細部まで考えてデザインし、精密に製作しなければ、長期の安定に影響します。

安いインプラントメーカーを使用し、安い歯科技工所で被せ物を作成すればコスト削減は可能です。

しかし医療ではコストカットしてはいけない部分があります。そこに関しては、妥協しないように心がけています。

賛否両論ある話だと思います。

「料金ぐらい電話で答えてくれてもいいのに…。」

お気持ちは理解できます。

私が医療従事者でなく、患者さんならそう思うかもしれません。

最近ではHPに自費料金表を掲載している歯医者さんが増えているのも知っています。

ただ、当院での自費治療のスタンスは前述の通りですので、当院で自費治療を検討される方には、ご予約の上ご来院頂き、お口を拝見してから、治療方法や治療期間など説明してからの費用説明とさせていただいております。

なぜそれだけコストがかかるのか、保険診療との違いは何なのかなど、ご理解いただいたうえで診療を受けて頂きたいのでそのようにしています。

ちなみに当院は基本的に保険診療がメインの歯科医院であり、自費治療はあくまで治療の一つの選択肢としての提示です。

保険診療と自費治療の違いをご理解いただき、患者さんに選択していただく。

ただそれだけです。

しつこく自費を診療を勧めたりすることは一切ありません。

保険と自費のどちらを選ばれても、精一杯治療させていただいております。

ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

インプラント手術に使うネジ

院長の笹山です。

インプラント手術に使うネジの話です。(インプラント本体のネジではございません。)

このネジは痩せている骨にインプラントをする際に、増骨といって痩せた骨に人工骨を補充して、その人工骨が動かないように膜(メンブレン)でカバーし、そのカバーが動かないようにピン止めするためのネジです。

イメージが湧きにくいと思いますので、YouTubeのCG動画を貼っておきます。

先日納品されたのですが、確認のため開封したところ、10個あるネジの1個を紛失してしまいました。

あきらめきれずに30分くらい探したのですが見つかりません。

なぜ見つからないのか?

実はこのネジ、このくらいの大きさなんです。

3ミリしかありません。

そして、たかがネジになぜ30分も探し回るのか?

このネジ1本2,000円以上するからなんです!

3ミリのネジ1個が2,000円以上もするなんて驚きますよね。

後日たまたま見つかりましたが、歯科に関するものはとにかく何でも高いです。

前述の膜(メンブレン)は安くても10,000円以上。

インプラント本体のネジは40,000円以上します。

ちなみにインプラントは通常、手術から被せ物まで入れて40万円前後が日本の歯科医院の平均的な価格ですが、それには手術費や使い捨て手術器具の準備費、手術スタッフの人件費、被せ物の型取り費、被せ物を作る歯科技工士さんに支払う製作費、被せ物の装着料、その他諸々を含むので、高額になるんです。

スタッフにも嫌がられるかもしれませんが、材料や器具は大切に扱って欲しいですし、コストも意識して欲しいので、機材や材料の値段は極力言うようにしています。スタッフに値段を言うと大抵「考えられない…。高すぎです。」と引いています。

今回はそもそも自分の不注意で一旦紛失してしまったので、自分が一番気を付けなければならないんですが(笑)

以上「インプラントに使うネジ」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

手術力の向上

院長の笹山です。

先週の休診日にインプラント外科の講習会に参加してきました。

インプラント手術の技術レベルを上げるためのセミナーです。

通常の簡単な手術実習ですと、疑似模型を使うのですが、本格的な実習をおこなう場合、歯科でよく使われるのは生の豚の下顎です。

こちらを使って、切ったり縫ったりの手術実習します。

もちろん実際の人間の下顎とは色々と異なりますが、人間も豚も同じ哺乳類ですので、歯や歯茎、骨など大きな部分は構造は一緒です。

豚で実習するのは久しぶりでした。

冬はいいのですが、生ですので、夏に行う時は冷房をしっかりかけないと、時間と共に生臭い匂いが部屋に充満してしまいます。ファブリーズなどの消臭剤を豚にかけながらおこなうこともあります。

勤務医の頃、院長先生が勉強会のために豚を精肉店に頼んで用意して下さったのを思い出しました。診療室で豚実習をおこなったので、次の日の診療日に匂わないように、全力で消臭作業したのを覚えています。

 実習後の豚。RidgePreservation  with hidden mattress suture をおこないました。

抜歯した後に、インプラントする可能性がある場合は、抜歯の時に出来るだけ抜歯する歯の周りの骨や歯茎が痩せないように施しておくことが大切です。

朝から夕方までビルの1室の籠っての講習で疲れましたが、今後の臨床に生かしていきたいと思います。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

2本目のインプラント

院長の笹山です。

先日インプラント治療が終了した患者さんです。

数か月前に歯根破折してしまい抜歯になった歯へのインプラント治療をおこなうことになりました。

歯根破折についてはこちら↓

歯根破折

 

下のレントゲン画像をご覧ください。抜歯になる歯(赤矢印)の1本前の歯に既にインプラントが入っています。私が5年前に手術したインプラントです。

歯を抜いた部分をどうするかですが、患者さんは今回もインプラントを希望されました。

この場合、治療の選択肢としてはインプラントをするか?しないか?の2種類しかありません。

この部位については、既にあるインプラントの後ろに部分入れ歯やブリッジを入れることは出来ませんので、インプラントをしない場合は、歯が抜いた所は何も入れないという選択肢になります。

何も入れないという選択肢はあるのですが、あまりお勧めしません。理由は長くなるので、別の機会にお話しします。

ただ、一度インプラント治療を経験された方は、次もインプラントを選ばれることがほとんどです。

それはインプラントが入れ歯やブリッジに比べ、違和感や噛み心地の部分で圧倒的に優れていると実感されているからです。

抜歯後数か月経過。抜歯した部分の骨がしっかり治っています。

更にCTレントゲン検査をおこない、手術のシミュレーションをおこないます。

横から

正面から

真上から

CTは3Dですので、横、正面、上の3方向から骨の状態を立体的に確認できます。この3次元方向からの審査診断が手術の安全性を担保しています。

術後のレントゲン写真です。

問題なくセットされています。

咬む力の強い患者さんですので、インプラントを長期間機能させるため、他の歯が歯根破折で抜歯にならないためにも夜間のマウスピース装着は必須です。

患者さんもその点をご理解いただけましたので幸いです。

これからもメンテナンスを続け、食事や会話に不便の無い生活を送れるようサポートさせていただきます。

以上「2本目のインプラント」でした。

 

インプラントのシミュレーション

宝塚市の歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

本日は休診日でしたが、近日中におこなうインプラント手術のシミュレーションのために出勤しています。

シンプルなケースですが、骨がやや柔らかいです。過去に埋入した手前のインプラントは問題なく機能しています。

初期固定をしっかり得ることが大切です。

インプランターという骨に穴を開ける器具の動作確認をおこないます。

患者さんの模型を使って、ドリルスケジュールのリハーサルをおこないます。

手術器具や消耗品の在庫を確認します。これはスタッフに任せず、必ず全部自分でおこないます。

休診日の午前中の数時間ですが、安全で確実な手術をおこなうために、とても大切な時間です。

午前中にシミュレーションを終え、久しぶりにアモーレ・アベーラさんのピザのテイクアウトをしました。

明日からまた頑張ります。