歯医者ってどうやって手術の練習をしているの?

皆さん、意外にご存じないのですが、抜歯は歯を抜く手術です。

患者さん「抜歯って手術なんですか?」

私「麻酔をして、歯を抜いて、血が出ますし、場合によっては縫合もしますので、手術ですよ。」

患者さん「そういわれれば、そうですね。」

抜歯は歯医者さんで日常的におこなわれているので、難しい親知らず抜歯などを除けば、日々抜歯手術を続けているうち自然と上手くなります。

もう初めて抜歯した時の記憶はありませんが、勤務医の頃に、グラグラで指で引っ張っても抜けるくらいの簡単な抜歯からさせてもらった気がします。

しかし歯ぐきの手術(形成外科や歯周病の手術)やインプラント手術は、特別な歯科医院でない限り、日常的におこなっているものではありません。

やっているうちに上手くはなりますが、最初のハードルはかなり高いです。

簡単なインプラント手術というものは存在しないからです。

やったことがない手術をいきなり患者さんで実践するわけにもいきませんので、一般的には講習会に参加して、実習を通じて練習します。

実習といっても、練習で人間の歯ぐきや骨を削るわけにはいきません。

練習用模型で実習する場合もありますが、模型ではリアリティーに欠けます。

そんな時、よく使用されるのがこちらです。↓

ブタの下顎です。精肉店さんで購入可能です。

もちろん人間とは違いますが、同じ哺乳類ですので、基本的な構造は一緒です。

歯も歯ぐきも骨もちゃんとあります。

手術を学ぶセミナーでは、解凍されたブタを使って、本物のメスやハサミを使って、練習をすることがあります。

 

先日参加したセミナーの様子。

講師の先生がレクチャー動画を見ながら、手技を教えてくれます。

私も手術形式のセミナーでは、過去に何度もブタで何度も練習してきました。

ブタのおかげで手術が出来るようになった部分もありますので、ブタに感謝です。

勤務医の頃にも勤め先の院長先生が手術の勉強会を開くのに、ブタを揃えて実習させてくださったことがあります。

今考えると、凄く手間のかかることをやっていただいたことが分かるので、感謝です。

今回受けたセミナーでは、骨が少なくなってインプラントが出来ない場合に、人工の骨を補ってインプラントが出来るようになる手術方法を学んできました。

GBRという方法です。

当院では既に導入している方法で、過去に他の先生のセミナーも何度か受けていますが、色んな先生の方法や考え方を学んで、より安全で確実な手術が出来るようになるために受講しています。

大阪で受けたのですが、四国や九州からも参加者がいて、とても人気のあるセミナーでした。

こちらも参考にどうぞ↓

インプラント手術は痛いですか?

以上「歯医者ってどうやって手術の練習をしているの?」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯医者が自分にしない治療

歯医者が自分にしない治療

➀ 銀歯

 入れ歯

➂ 矯正

歯医者になって25年。

知り合いや先輩の歯医者の歯の治療を何度もしましたが、お口の中に、銀歯が入っている歯医者を一度も見たことがありません。

入れ歯を入れている歯医者さんはいました。

私が卒業したての頃、総入れ歯のセミナーを受けた時のご高齢の講師の先生がご自身がお使いの立派な総義歯を見せてくれました。

私の亡き祖父も歯科医でしたが、上下総入れ歯でした。

大正末期から昭和初期生まれの方は、総入れ歯の方が多かったと思います。

何しろ歯が悪くなったら、抜いて入れ歯を入れるのが、歯科治療の目的の時代で、歯を治すとかいう今の概念は、ほとんどなかった時代です。

また、有名な入れ歯のセミナーの講師の先生が、入れ歯を体感するために、自分の健康な歯を抜いて、入れ歯を入れたなんて、凄い話はあります。

ちなみに、この先生は、前述の入れ歯の講師の先生のご子息にあたります。

 

さて、銀歯も、入れ歯も入れない理由についてですが、

「歯医者さんだから、そもそも歯が悪くないんじゃないの?」

と思われるかもしれませんが、歯医者になるのは、6年間大学に通って、国家試験に合格してからですので、24歳までは歯医者ではありません。

それまでに普通に歯医者で虫歯の治療を受けている人はたくさんいます。

ただ、子ども時代に入れた銀歯を、歯医者になった後にやり直す場合は、再度銀歯を入れることはほぼないと思います。

不適合な銀歯の中身はどうなっていたか?

銀歯が取れる・外れる理由 ガム食べちゃダメ?

 

では歯医者さんは、銀歯を入れないなら、どんな歯をいれているのか?

昔なら、金歯やセラミック。

今なら、セラミックかジルコニアです。

私の父も歯科医で、父の歯の治療を何度かしましたが、奥歯はすべて金を入れています。

私の父の世代の歯医者さんは、金に対する信頼が強いです。

金は歯にとって、とても良い材料なのですが、この数年の金価格の高騰で材料費が高すぎるのと、見た目が金色であること、金属アレルギーの可能性がゼロでないことから、現在ではほとんど用いられません。

現代では被せ物については、ジルコニアが一番いい素材だと思われます。

長持ちするジルコニアクラウン

 

一方、入れ歯を入れている歯医者がいないのは、なぜでしょう?

入れ歯に関しては、やはり自分で治療していて、いいものではないという認識があるからだと思います。

理由は過去記事を参考にしてください↓

入れ歯で悩んでいる患者さん

痛くない入れ歯 シリコン入れ歯とは?

矯正に関しては、歯並びの悪い歯医者さんもいらっしゃいますが、忙しいとか、そういう理由で、歯医者になってから矯正を受ける歯科医は、あまりいません。

歯学部の学生時代は、大学病院の矯正科で矯正治療を受けている同級生が結構いました。

それでも学生のうちに、治療を終わらせていました。

矯正は年単位の治療になりますので、歯医者になってから、まして開業してからでは、なかなか時間がとれないと思います。

私は幸い、歯並びは普通でしたので、矯正は受けていませんが、もし歯並びが悪かったら、矯正治療を受けていると思います。

ここまで書いたことについて、一つの疑問を感じるかもしれません。

それは、

歯医者さんは自分が受けたくない治療を、なぜ患者さんにするのか?

これは非常に悩ましいところで、歯に対する価値観は、人それぞれで、日本では、銀歯を入れることは普通の治療であり、銀歯以外のセラミックやジルコニアなどの保険外治療は、普通の治療ではない(費用が掛かる高級な治療)という認識があります。

海外ですと、歯の治療に保険が効く国は少ないですから、銀歯は入れずに、セラミックやジルコニアを入れるのが一般的な歯の治療です。

長年日本では保険治療がおこなわれてきたので、仕方のない認識なのかと思います。

「歯が悪くなったら、虫歯を直して、銀歯を入れる。」が普通の感覚ですと、自費診療となり、費用がかかるセラミックやジルコニアはハードルの高い治療になります。

入れ歯に関しても、歯を多く失ってしまうと、ブリッジが出来なくなり、残りの選択肢が、入れ歯かインプラントしかない場合があります。

ブリッジ・入れ歯・インプラントどれがいい?

多くの歯を失ってのインプラントですと、やはり高額な治療費になりますし、手術負担も大きくなります。

そもそも、かかりつけの歯医者さんがインプラントが出来ない、おこなわない場合もあります。その場合は必然的に入れ歯になります。

 

いずれにしても、セラミックやジルコニア、インプラント、矯正は全て自費診療になり高額です。

費用対効果の高い治療ですが、誰しもが気軽に受けられる治療ではありません。

これからは予防が一番大事になります。

天然の歯は、虫歯や歯周病にならなければ、とても丈夫で機能的です。

長年歯医者をやっていますが、天然の歯の素晴らしさを実感する日々です。

セラミックやジルコニア、インプラントは人工物であり、機能的にも、審美的にも、残念ながら天然の歯には及びません。

天然の歯に近い治療というだけです。

ある統計では、健康な天然の歯の50年残存率は、99%近くあるといわれています。

失った歯をもっとも天然の歯に近い状態に戻せるインプラントでも、10年で90%程度です。

生涯に渡って、天然の歯を1本でも多く残すためには、日頃の歯ブラシなどのセルフケアの向上と、歯医者さんでの検診・クリーニングが有効です。

以上「歯医者が自分にしない治療」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

ガイデッドサージェリー 安全なインプラント治療のために

ガイデットサージェリー、初めて聞く言葉かもしれません。

ガイデットサージェリーは、インプラント手術をより安全に行うための方法です。

下の画像をご覧ください。上あごの歯と歯ぐきの画像です。

青囲いの歯4本は、歯根破折により抜歯せざるを得なくなり、その後、左側の赤丸部分に2本のインプラントを入れて、新しく入れ歯を作る予定です。

上の画像の赤丸部分に2か所にインプラント入れる計画をしていて、入れる位置を数mmも左右前後にズレたくないとします。

なぜ数mmもずれたくないかといいますと、その部分の骨の状態や噛み合わせなど、最適な位置がそこだからです。

しかし、手術に際して、治療ユニットに仰向けに寝ている患者さんの口の中を覗き込みながら、この赤丸の位置から数mmズレずにインプラントを入れることは、ほぼ不可能です。

覗き込みながら治療する時点でかなり難しくなるのですが、

もう一つ決定的な理由があります。

それは、

インプラントを入れたい部分の周りに歯がないため、入れるための位置の指標がないからです。

たとえば、下のレントゲン画像のようなインプラントを入れる場合でしたらどうでしょう?

向かって右下に1本のインプラントが入っています。

このインプラントの手前(左側)には、ご自身の歯があります。

このインプラントを入れるためには、手前の歯の数mm右側に入れればいいので、手前の歯が位置の指標になります。

指標があるのとないのでは、インプラントの入れやすさは大きく異なります。

例えるなら、

何も置いていない広い運動場に

「この運動場の”真ん中”にボールを置いてください。」

と言われたとします。

しかし運動場を空から見下ろしでもしない限り、どこが”真ん中”かは正確には分かりません。

ですので、ボールを”真ん中”に置くのは難しいですが、もし運動場の”真ん中”にポールが立っていたら、どうでしょう?

そのポールの横にボールを置けばほぼ真ん中に置けますね。

たとえが伝わりましたでしょうか?

インプラントを入れる際に、その近くに入れる位置の指標があるのとないのでは、入れやすさが全然違うんです。

最初の画像に戻ります。

インプラントを入れたい位置の前後に、位置の指標となる歯がありません。

この位置に前後左右、しかも傾きもズレずに入れるためには、

このようなものを使います↓ これをガイドといいます。ガイドとは、”旅のガイド”と同じで、案内とか誘導みたいな意味ですね。

このガイドは、事前に撮影したCT画像を使って、シミュレーションソフトで私がデザインしたものを、ガイド製作会社に発注して製作されたものです。

実際にシミュレーションした時の画像↓

 

 

実際の手術では、

このようにガイドを口の中に装着し、ガイドの穴にドリルを入れて、骨に穴を開けると「ここに入れたい。」と計画した位置に、ほぼ狂いなくインプラントを入れることが出来ます。

術後です。ヒーリングアバットメントが見えています。

事前に計画した位置と同じ位置に無事インプラントが入りました。

このようなガイド使ってインプラント手術をおこなうことを、

ガイデットサージェリー

(ガイドされた手術)といいます。

このガイドを用いるメリットは、位置を迷うことなく、インプラントを入れられますので、手術が早く終わり、術者も患者さんもとても楽です。

以前にも書きましたが、早く(正確に)手術を終えると、患者さんの術後の痛みも楽になります。

インプラント手術は痛いですか?

以上「ガイデットサージェリー 安全なインプラント治療のために」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

ブリッジ・入れ歯・インプラントどれがいい?

「ブリッジ・入れ歯・インプラントの説明を受けたけれど、それぞれメリット・デメリットがあって迷ってしまう。」

「歯医者さんに次までに決めてきて欲しいと言われて困っている。」

当院にセカンドオピニオンを希望されて、来院される方からも時々ご相談いただく内容です。

歯が抜けた状況や、周りの歯の状態などにより、条件は変わりますので、細かく言い出せばキリがないのですが、

どれがいいかと聞かれた時に多くお答えするのは

「インプラント」

です。

仮に私自身が自分の歯を失った場合ですが、入れ歯もブリッジも自分の口には入れません。

間違いなくインプラントを選択します。

私と同じか、それ以下の世代の歯医者の先生でしたら、きっと同じくインプラントを選ばれると思います。

現代の歯科では、インプラントは正しくおこなえば、入れ歯やブリッジと比較すると、長期に安定する治療方法ということが、世界中の多くの臨床データに裏付けがあります。

インプラントは

①保険が効かなくて治療費が高い。

②手術が必要。

③すぐに歯が入らない。

など、捉えようによってはデメリットもありますが、手術といっても、日帰り局所麻酔でおこなう手術で1~2時間で終わり、手術は麻酔が効いていますので痛くありません。

また、基本的にすぐ歯は入りませんが、通常数か月以内には入ります。

一般的には3か月後が多いです。

私がインプラント以外を選ばない理由に触れます。

まずは、ブリッジを選ばない理由です。

以下の数字をご覧ください。

54%

 

この54%とは、神経を抜いた歯に被せたブリッジの8年累計生存率です。

生存率とは読んで字のごとく、寿命で駄目になる率です。

ブリッジは歯が無い所の両隣の歯をつないで、橋(ブリッジ)をかけるように被せて固定する方法です。

*ブリッジは、右下の図

しかし、両隣の歯の神経が過去に抜いてある場合は、生存率は極端に下がります。特に両隣の歯とも神経を抜いてある場合はかなり厳しくなります。

ブリッジが駄目になるというのは、被せ物が取れてしまうなどの単純なトラブルよりも、ブリッジの中にある歯が、虫歯や歯根破折で抜歯になることがほとんどです。

つまり更に歯を失うということです。

歯根破折についてはこちら↓

歯根破折

 

次は入れ歯を選ばない理由です。

入れ歯はバネをかける歯を傷め、その歯の寿命を短くします。

もう1つのデメリットがあります。

例えば、部分入れ歯(下の画像のような入れ歯)を入れている場合、入れ歯の部分より、入れ歯ではないご自身の歯の方が噛みやすいので、食事の際には無意識に、入れ歯ではない方の歯で噛む回数が増えてしまいます。

たとえば右の歯に部分入れ歯を入れていたら、左の歯でばかりで噛んでしまい、左の健康な歯を過重負担で傷めてしまうということです。

入れ歯やブリッジは、周りの歯に負担をかけ、周りの歯の寿命を短くします。

そして数年後に負担がかかった周りの歯を失うことで、更に大きなブリッジや入れ歯を入れるという負のスパイラルに陥いる可能性があります。*すべてケースに起こることではありません。

歯を失った本数が多くなると、ブリッジは強度的に設計上無理になり、大きな入れ歯を入れるしかなくなります。

入れ歯は大きさが大きくなるに比例して、違和感や噛みづらさもどんどん増してきます。

いよいよ入れ歯の不自由に耐えかねて、インプラントを決心する場合もあると思います。

その時は、既に失った歯の本数が多いので、インプラントも1本や2本では済まず、費用や手術負担が大きくなってしまいます。

上の入れ歯は、歯を6本失った場合の入れ歯ですが、入れ歯をやめてインプラントにする場合は、最低でも4本のインプラントが必要です。

ここまでお話しすると、当院ではインプラントばかりすすめているのか?と思われるかもしれません、決してそうではありません。

最初に書きました通り、お口の状況は様々ですので一概には言えませんが、私は、歯を失った患者さんにブリッジ、入れ歯、インプラントのメリット・デメリットをお伝えした後に、その中から選んでいただいています。

もちろん患者さんによっては、インプラントを望まれても、手術が出来ない場合もありますし、インプラントが必要ない方もいらっしゃいます。

こんな場合です↓

  1. ご高齢の方で既に入れ歯を長年お使いで慣れていらっしゃる方。
  2. 金属アレルギーがあってインプラントが出来ない方。
  3. 基礎疾患(重い糖尿病など)があり、手術にリスクがある方。
  4. 極端に骨が痩せていて、インプラントを入れられない方。
  5. 費用や治療期間の問題でインプラントを選ばない方。
  6. 手術が怖いので、インプラントを選ばない方。

上記ような理由から患者さんとお話ししながら、当院は患者さんの選択された治療方法を100%尊重していますので、ブリッジや入れ歯を選ばれたら、出来るだけ長持ちするように最善を尽くしています。

今回、歯を失った後に、どの治療方法がいいと思うかについて私の考えを書きました。

今のところ出来ませんが、もし歯を失った天然の歯が、もう一度生えてきたり、再生できるなら、絶対にそれがいいです。

それくらい天然の歯は素晴らしい機能を持っており、ケアを怠らなければ、一生持つものです。

治療で歯を出来る限り長持ちさせることは、ある程度可能ですが、やはり、一度でも治療した歯は、一生持つ可能性は低くです。

天然の歯を大切にしていきたいですね。

以上「ブリッジ・入れ歯・インプラントどれがいい?」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

インプラントのルール

入れ歯をやめてインプラントにする患者さんのケースです。

画面左側に部分入れ歯が入っています。入れ歯の違和感が強く、食事の時は、ほとんど反対側の入れ歯ではない歯で噛んでいるそうです。

 

入れ歯を外すと、こんな感じです。このまま入れ歯を使い続けると、画面左下の銀歯が折れるリスクがあります。

 

治療する場所のレントゲン写真。

 

インプラントを入れる時には、隣の天然の歯との距離、インプラント同士の距離に、最低必要な数値が決まっています。

インプラントと天然の歯の間は、最低1.5mmの距離が必要です。

インプラントとインプラントの間は、最低3.0mmの距離が必要です。

この距離を侵すと、隣の天然の歯にダメージを与える可能性や、入れたインプラントが長持ちしないリスクがあります。

今回のようなケースで、距離のルールを守りながら、2本のインプラント入れることは、そう簡単ではありません。

1本目のインプラントが、左右どちらかにずれて入ってしまうと、2本目のインプラントとの距離のルールを守るのが、難しくなります。

例えるなら、

2台ギリギリ入るぐらいの場所に、2台の縦列駐車をおこなう感じです。

どちらか1台が変な方向に停めてしまうと、もう一台が停めにくくなるか、最悪停められない状態になります。

 

そこで、ここに入れたいという位置に確実にインプラントが入るように、

ガイド

というものを作ります。

まずは、院内でCTレントゲンを撮影をし、ガイド製作会社にCTデータを送信し、シミュレーションソフト用に変換してもらいます。

 

私がPC上で、骨や血管・神経を確認しながら、2本が丁度よく安全な位置に入るようにガイドの設計をおこないます。

 

出来上がって納品されたガイド↓

 

手術より前の日にお越し頂き、ガイドの適合に問題がないかを確認します。

画面左側に2つの穴があるのが分かりますでしょうか?

この2つの穴に、ドリルを入れることで、入れる位置がずれないようにします。

 

ガイドを使うことで、計画した位置にインプラントが入れやすくなりますが、どんなものでも、完璧はないので、手術途中で方向に問題がないか、レントゲン写真を撮影して、確認します。

 

無事、計画した位置にインプラントを入れることが出来ました。

 

最終の被せ物は入った時の確認レントゲン写真です。画面右の銀歯も問題がある歯でしたので、この機会に治療しました。

 

術前

 

術後 部分入れ歯がなくなり、固定性の歯になりました。

すべてのインプラント手術にガイドが必要なわけでありませんが、ここぞという時には頼りになるのがガイドです。

ガイドにも色々な種類があり、

① 左右前後の位置だけをガイドするもの。

② 左右前後の位置だけでなく、インプラントを入れる深さ(垂直的)までガイドするもの。

③ ①②に加えて、事前に計画した太さや長さのインプラントが入るガイド。

ガイドのグレードを上げると、より早く安全に手術が出来ます。

しかし、ガイドが使いづらいケースや、ガイドだけではカバーできないケースもありますので、ケースに応じて、ガイドの有り無しや、使う場合は目的に応じたグレードのガイドを選ぶ必要があります。

以上「インプラントのルール」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院