インプラント手術に使うネジ

院長の笹山です。

インプラント手術に使うネジの話です。(インプラント本体のネジではございません。)

このネジは痩せている骨にインプラントをする際に、増骨といって痩せた骨に人工骨を補充して、その人工骨が動かないように膜(メンブレン)でカバーし、そのカバーが動かないようにピン止めするためのネジです。

イメージが湧きにくいと思いますので、YouTubeのCG動画を貼っておきます。

先日納品されたのですが、確認のため開封したところ、10個あるネジの1個を紛失してしまいました。

あきらめきれずに30分くらい探したのですが見つかりません。

なぜ見つからないのか?

実はこのネジ、このくらいの大きさなんです。

3ミリしかありません。

そして、たかがネジになぜ30分も探し回るのか?

このネジ1本2,000円以上するからなんです!

3ミリのネジ1個が2,000円以上もするなんて驚きますよね。

後日たまたま見つかりましたが、歯科に関するものはとにかく何でも高いです。

前述の膜(メンブレン)は安くても10,000円以上。

インプラント本体のネジは40,000円以上します。

ちなみにインプラントは通常、手術から被せ物まで入れて40万円前後が日本の歯科医院の平均的な価格ですが、それには手術費や使い捨て手術器具の準備費、手術スタッフの人件費、被せ物の型取り費、被せ物を作る歯科技工士さんに支払う製作費、被せ物の装着料、その他諸々を含むので、高額になるんです。

スタッフにも嫌がられるかもしれませんが、材料や器具は大切に扱って欲しいですし、コストも意識して欲しいので、機材や材料の値段は極力言うようにしています。スタッフに値段を言うと大抵「考えられない…。高すぎです。」と引いています。

今回はそもそも自分の不注意で一旦紛失してしまったので、自分が一番気を付けなければならないんですが(笑)

以上「インプラントに使うネジ」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

審美歯科…普通の歯医者と美容クリニックのどっちがいい?

院長の笹山です。

今回は審美歯科についてです。

今までに何度か患者さんから

「先生の医院は審美歯科をしていますか?」と聞かれたことがあります。

なぜ聞かれるかと自分なり解釈しますと、

多分、審美歯科=美容というイメージをお持ちになっていて、審美歯科治療は美容歯科クリニックで受ける治療を思われているのだと思います。

当院は審美歯科専門医院ではありませんが、日常的に審美歯科治療をおこなっています。

入れ歯もインプラントも子供の矯正も口腔外科も、普通の虫歯治療もおこなっています。

審美歯科治療を受ける場合、一般的な歯科医院と美容整形などをおこなう美容クリニックの歯科部門の2択になります。

美容クリニックの歯科部門といえば「YES!●●クリニック!」や「湘●美容外科~♪」

がそれに相当します。

一般的な歯科医院と美容クリニックでは治療方法に違いがあるのでしょうか?

美容クリニックの審美歯科治療の目的は、見た目を早く綺麗に整えることです。

歯並びを治したいけど、矯正治療をする時間がない場合や、矯正治療をしたくない場合は、差し歯で歯並びを綺麗にします。歯並びの凸凹が酷い場合は、歯を抜いてブリッジにして歯並びを整えます。

また、虫歯で前歯ボロボロになってしまった場合や、歯の大きさや形が気になる場合などで、早く治したい場合も差し歯をかぶせて綺麗にします。

歯並びや歯の形を変えるために、歯の向きや方向を変える場合、歯を削る量がかなり多くなりますので、後で痛みが出にくいようにあらかじめ歯の神経を抜きます。

美容歯科のゴールは見た目や歯並びを綺麗にすることですから、そのために歯を抜くことや、歯の神経を抜くことに躊躇はありません。

最短期間で歯並びや見た目を綺麗にすることを最優先にします。

また、差し歯の色も一般の歯科医院で被せる歯の色よりも、かなり白く明るい色で作る場合が多いです。

一般の人にとっては、やや不自然かなと思われる白さですが、美容を求める人は普通じゃない白さが喜ばれます。

一方で一般的な歯科医院で受ける審美歯科の場合、美しさと機能性の両方を追求しますので、見た目を最優先にしつつ、安易に歯や歯の神経を抜くことはありません。

神経を抜いたり、歯を抜かないと歯並びが綺麗に出来ないケースでは、まずは矯正治療をお勧めします。矯正治療で歯並びを治せれば、時間はかかりますが、歯を抜くことも歯の神経を抜くことも基本的にありません。

矯正治療をおこなわず、差し歯で見た目を治す場合でも極力歯の神経を抜かずに処置します。そのため、美容歯科よりも手順が増えますので、治療期間は長くかかりますが、結果的に歯を長持ちさせることにつながります。

また芸能人の歯の色を見て気づくかたもいらっしゃると思いますが、かなり白いです。あのような白さは芸能人の方には映えるのですが、一般の方があの白さの差し歯をすると結構目立ちます。

一般歯科でおこなう審美歯科治療では、患者さんの好みもありますが、基本的に極端に白くするようなことはせず、天然の歯と見分けがつかないような自然な差し歯をいれることを目的としています。

以上をまとめますと、

美容クリニックの歯科では、

歯並びや歯の色を綺麗にすることを最優先し、最短期間で治療をおこなう。そのために歯を抜いたり、歯の神経を抜くこと可能性がある。

早く綺麗にしたい人には向いているが、歯を抜いたり、神経を抜くと歯の寿命は短くなるので、長持ちという点では少し不安が残る。

差し歯の色はかなり白く明るめの歯が多い。

一般歯科の審美歯科では、

周りに調和した自然な歯の色の差し歯を、なるべく歯や神経を抜かずに入れる。治療の手順が多くなるので、症例によっては治療期間が長くなりますが、その分神経や歯を抜かないので、差し歯は長持ちします。

という感じになります。

*すべての美容歯科クリニックや一般歯科の審美歯科が、そうであるわけではありません。

どちらで治療を受けるにしても、歯は削ってしまうと元通りにはなりませんので、歯を何本も同時に綺麗にしたい場合は、慎重に病院選びをすることをお勧めします。

お勧めの医院選びの方法ですが、

審美歯科治療目的で歯科医院を受診する際には、医院の雰囲気などに惑わされないように、先生が手掛けた実際の症例を見せていただきましょう。

審美歯科に長けている先生は、自分で治療した類似ケースのびbefore&after写真を見せてくれるはずです。

当院は都心でもありませんし、審美歯科にだけ力を入れているわけではありませんが、審美歯科治療をおこなう際は、必ず私自身が治療した類似ケースの症例写真を見ていただきます。

その類似ケースの審美性(自然な美しさ)が、ご自身の望むレベルでは無ければ、別の医院でカウンセリングを受けられるのがいいと思います。

当院の審美歯科ケースの1例

向かって右側の大きな前歯の先が欠けています。

歯が一部欠けただけでしたので、欠けた部分だけ詰めて済ませる予定でしたが、術前の検査で歯の神経が既に壊死していることが判明しました。神経のない歯は噛み方により、詰めるだけでは歯が折れる可能性があります。そのため歯の根の治療をおこなってから、セラミック歯で被せることになりました。

歯の根の治療前にレントゲン写真。電気歯髄診断で神経が壊死していることが分かりましたので歯の神経の治療をしてから始めます。

 

歯の根の治療後

 

歯型取りの前のシェードテイキング。

シェードテイキングでは、セラミック歯の色調を周りの歯に自然に調和させるため、色見本を入れた状態で写真を撮影します。歯科技工士さんがPCでこの画像を見ながら、セラミック歯を周りの歯と調和させるために完全ハンドメイドで作ります。

 

セラミッククラウンの装着後。差し歯っぽく見えないように自然に調和した色調に被せ物を装着しました。↓

元々、歯ぎしりや噛みしめが強い患者さんでしたので、セラミックに強い負荷がかからないような、咬み合わせを付与しました。

当院では、このように周りの歯に自然に調和した歯を作ること審美歯科治療の目的としています。

以上「審美歯科…普通の歯医者と美容クリニックのどっちで受ける?」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

不適合な銀歯の中身はどうなっていたか?

院長の笹山です。

古い銀歯の治療の話です。下の画像の銀歯は歯ぐきが痩せて、銀歯と歯茎の境目に段差が出来てしまい、白い歯垢が溜まっています。このままではこの境目から虫歯や歯周病になる可能性があります。

銀歯を削って外すと中の歯はこんな感じになっています。

銀歯をくっつけていた接着剤の多くは溶け出しており、銀歯の中まで歯垢が侵入している様子が見られます。そして歯の一部が虫歯になっています。

この歯は過去に神経を抜いているので、このような状態でも痛みは感じません。

このまま銀歯を外さないで放置して置いたらどうなってしまうのでしょう?

神経が無いので痛みの無いまま、銀歯の内部に虫歯が進行し、内部が朽ちてしまうので、ある日突然銀歯が取れてしまいます。

銀歯が取れた患者さんは「取れたから、付け直ししてもらおう。」と歯医者さんに銀歯を持って来てくださるのですが、内部が虫歯で朽ちているので、付け直しはほぼ不可能です。

それどころか虫歯の進行度合いによっては、抜歯するしかない程に悪化していることもあります。

歯茎が痩せて、段差が出来ても、歯ブラシが上手に出来れば、このような事態は回避できますが、相当丁寧にブラッシングしないと難しいです。

銀歯が古いというだけでやり直しの必要はありませんが、このように合わなくなった銀歯に歯垢が溜まりやすくなっている場合はやり直した方が良いと考えています。

こちらも参考にどうぞ↓

銀歯が虫歯になる理由 

連続写真で見る。金歯を外したら、どうなっていたか?

以上「不適合な銀歯の中身はどうなっていたか?」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

国民皆歯科検診って?義務化?人生100年時代

院長の笹山です。

最近発表された政府の「骨太の方針」に

国民皆歯科検診というものが盛り込まれたそうです。

テレビのニュースやワイドショーでも結構取り上げられており、注目度は高いようです。

皆さんの「何それ?」「で、どうすんの?」ってことで関心が集まったのかもしれません。

具体的には何なのかといいますと、国が国民に一年一度の歯科検診の受診を義務化するかもしれないとのことです。

国は現在、1歳半3歳児歯科検診、高校卒業までの歯科検診を義務化しています。

皆さんも成人されるまでに年1回は保育園や幼稚園、小中高では健康診断があって、歯科検診を受けた記憶があると思います。それが義務化された歯科検診に相当します。

強制力はありませんが、体調不良などで健康診断の日を休むと、再度検診を受けたり、後日、近所の校医のクリニックで検診を受ける場合もあります。

また地方自治体でも歯周病検診という検診事業があり、40~70歳までの節目に歯科検診を街の歯科医院で受けるようにお知らせが来ます。こちらは義務ではありません。↓ 宝塚市歯周病検診の概要 ↓

https://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kenkofukushi/kenshin/1000602.html

では、なぜ年1回の歯科検診を義務化しようとするのでしょうか?

大きな理由は3つあると思います。

①痛い時、何かトラブルがあった時だけ歯医者さんに行く人は、そうでない人に比べて歯を失うリスクが非常に高い。

②虫歯や歯周病を放置すると歯を失うだけでなく、全身の病気に繋がることが科学的に立証されている。糖尿病・リウマチ・動脈硬化etc.

③歯の治療のために入れ歯や被せ物を頻繁に作ると患者さんの治療費負担が多くなるだけでなく、国の医療費負担額(保険診療の場合)も増えてしまうので財政を圧迫する。

 

日本は先進国であるにも関わらず、歯に対する意識はまだまだ低いようです。

親知らずを除くと歯は全部で28本あります。

それが80歳前半で15本ということは、ほぼ半分ですね。歯の本数が半分しかないと入れ歯かインプラントを入れないと上手く噛めません。入れ歯は不自由が多いです。インプラントは保険が効きません。

今後寿命は更に延びると言われており、人生100年時代になるといわれています。80歳から100歳までの20年をどう過ごすのかも考えなければならない時代がすぐ近くまで来ています。

歯科検診の義務化の是非はともかく、年2回は検診と歯石取りなど歯のクリーニングを受けて、一生ご自身の歯で噛めるようにしましょう!

当院では1歳半・3歳児歯科検診や宝塚市の歯周病検診にも対応しておりますので予防のためにご活用いただければ幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

 

 

久しぶりのショールーム

院長の笹山です。

最近休診日を利用してショールームを巡っています。

歯科メーカーのショールームには、患者さんが座るユニットを呼ばれる椅子や、レントゲンの機械、手術用顕微鏡など診療器材を展示しています。

5年ぶり位にショールームに訪れましたが、どれも最新のデザインになっておりカッコいいです。

ユニット↓ 白は格好いいけど汚れたら大変(白のスーツでカレーうどんは食べれません。)

色んなユニットが並んでいます。↓こんな診療室だったらカッコいいなぁ。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)↓ カメラメーカーのライカ社製です。

歯科の器材は大体高いです⤵

患者さんの座るユニット(椅子)は安い物でも100万円以上、普通クラスで300~400万円、最高機種だと1000万円近くします。

座る時に汚さないように気をつけましょう^^

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)は安い物でも200万円くらい、最高機種だと1000万円を超えます。

どちらも買ってみたけれど使いにくかったでは済まされない金額ですので、購入する際は慎重に選ばなければなりません。

当面の間、色々なメーカーさんのショールーム巡りが続きそうです。

車のモーターショーのように、歯科にもデンタルショーというものがあるのですが、ここ数年コロナで軒並み中止になっており、今年になってやっと少しずつ再開し始めた感じです。

デンタルショーは各メーカーが一堂に会しますので、ショールーム巡りをしなくて良いのでありがたいです。

今年の9月に大阪で数年ぶりのデンタルショー開催があるそうなので楽しみです。

以上「久しぶりのショールーム」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院