仕上げ磨きが嫌がられる理由。嫌がられない方法

当院にお子さんがいらして、お口の中を見たり、歯磨きの練習をしていると、お母さんから、

「家ではこんなにさせてくれないんですよ~。」

と言われることがあります。

これは私やスタッフが何か上手いというわけではなく、ちょっとしたコツがあるんです。

仕上げ磨きをするに当たって、とっても大事なことを知って欲しいんですが、

それは、

子どものお口の感覚は、大人の何倍も敏感。

ってことです。

子どもって嫌なものが口に入ったら、本能的に吐き出したりしますよね。

辛いとか苦いとかの味が嫌なだけではなく、口の中での感じる感覚も吐き出す理由になります。

また、唇の周りの感覚も大人と比べて、とっても敏感です。

これは哺乳する時の反射で唇でおっぱいを探す感覚など、すごく研ぎ澄まされているからです。

当院で試しに「お母さん、ちょっと仕上げ磨きをどんな感じでしているか見せてもらっていいですか?」

と言って、見せてもらった時に多いのが

お口全体への触り方が強いということです。

 

触り方というのは、唇や頬の引っ張り方とかです。

お口の中では、歯ブラシが歯ぐきや唇に当たってしまってることも多いです。

お子さんの口はそもそも小さいですし、大きく開けても、中は狭いので、どうしても歯ブラシを突っ込む感じなるんですが、歯ブラシを奥の方に入れすぎないことや、歯以外の唇や頬っぺたの内側、歯ぐきや舌など柔らかい部分に、極力触れないように、磨くのが大事です。

私がお子さんのお口を触る時は、なるべく

フワッと

触るように心がけています。

お子さんにとって、お母さんでもなく、見ず知らずのアラフィフ歯科医の私が口の中を触るというのは、めちゃくちゃハードルが高いことだと思うので、そのハードルを下げるべく、色々と気を使っています(笑)

あと、歯ブラシなんですが、1歳になるまでのあいだは、歯ブラシじゃなくて、指に巻いたガーゼとかでも十分だと思います。

それくらいの年齢ですと、まだ歯にこびりつくような食事はとっていないと思うので、歯ブラシでゴシゴシしなくても、汚れは落ちますし、どんなに小さな歯ブラシを使っても、やはり1歳になるまでお子さんのお口にとって、大きいんです。

大人でも自分の口のサイズに合わない大きな歯ブラシを突っ込まれたら、嫌だと思うんです。

もう少し大きくなったら、赤ちゃん歯ブラシで遊ばせて、口に物を入れる感覚に慣れさせるのもいいですね。

自分で入れることに慣れれば、仕上げ磨きもしやすくなります。

ちなみに自分でいれる歯ブラシはあくまで、慣らすためだけですので、お子さんが歯ブラシを噛んでしまって、毛先が開いちゃっても気にしないでください。

あくまでも慣れてもらう道具という意味付けですので、毛先が開いたからって買い替える必要はありません。

お母さんが使う仕上げ用歯ブラシは、別に用意してくださいね。

 

あとはタイミングですね。

1日1回夜おこなえばいいのですが、夜の食事が終わって、あまり時間が過ぎてしまうと疲れや眠気が襲ってきて、愚図りだし、仕上げ磨きが難しくなるので、あまり遅くならないタイミングでやるのがいいです。

食後30分以内がいいと思います。

逆に食後すぐだと、歯ブラシを口に入れる刺激で、食べたものを吐いちゃったりすることもありますので注意が必要です。

以上「仕上げ磨きが嫌がられる理由。嫌がられない方法」でした。

皆様のお口の健康維持に少しでも参考になれば幸いです。

当院では、お子さんが楽しく通えるように、歯磨き指導やフッ素塗布など、褒めて褒めて褒める、ゆるやかな予防を心掛けています。

お子さんのお口で気になることがありましたら、何でもご相談下さい。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

電動歯ブラシをおススメしない人

患者さんから時々聞かれます。

「先生、電動歯ブラシってどうなんですか?」

汚れを落とす効果は、普通の歯ブラシで磨くのと同等といわれています。

 

ただし、歯ブラシをどこに当てれば磨き残しが減るのかという基本的なポイントを理解していることが前提です。

それが分かっていなくて、歯磨きが面倒だから、上手く磨けないから、さっさと済ませたいからという場合は、効果が少なくなるので、おススメできません。

電動歯ブラシは、合う人と合わない人がいます。

歯並びが凸凹している人は、電動歯ブラシではブラシが当たらない所があり、電動歯ブラシだけでブラッシングを終えるのはおススメしません。

そういう場合は、全体をまず電動歯ブラシで磨いて、細かい部分を磨く専用の歯ブラシを使って仕上げることをおススメします↓

 

また、歯周病で歯ぐきがかなり痩せてしまっている方にもおススメできません。↓

歯ぐきが痩せている場合、電動歯ブラシで磨くのが難しい上に、当てる力が強いと更に歯ぐきが下がってしまう場合があるからです。

 

電動歯ブラシは、

歯並びに問題がなく、抜けた歯が一本もない方には

とても効率よく磨ける便利なツールでおススメできます。

 

あとは、歯医者さんで歯磨きの仕方を習って、自分なりに頑張ってみたけれど、普通の歯ブラシでは、どうしても上手く磨けない、めんどくさいという方には、妥協的にですがおススメ出来ます。

電動歯ブラシについてはこちらも参考にどうぞ↓

電動歯ブラシ・超音波歯ブラシ どうなんですか?

 

私も最近、久しぶりに最新の電動歯ブラシを購入したのですが、なかなかよく出来ていて、しっかりと磨けると思いました。

また別の機会でレビューしたいと思います。

以上「電動歯ブラシをおススメしない人」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

入れ歯が痛くて使えない患者さん

「親の入れ歯が合わなくて、別の歯医者さんで高価な入れ歯を作ったのですが、痛くて噛めないって言ってるんです。」

「先生、何とか診てもらえませんか?」

当院の患者さんからご相談頂きました。

「一度拝見させてください。」とお返事して、

数週間後にお二人で来院されました。

前の歯医者さんで作った入れ歯を見ると、出来はとても良くて、何かが間違っているというものではありませんでした。

しかし、その患者さんの歯ぐきや顎の骨はやせ細っていて、その高価で良い入れ歯でも痛みが出てしまう状況でした。

その入れ歯を調整して、使えるようになれば、余計なコストもかからないので、まずは今の入れ歯を数回に渡って調整しました。

しかし、残念ながら痛みが完全になくなることはありませんでした。

当院は通常の入れ歯を何度調整しても、痛くて噛めない方には、シリコン入れ歯をご提案しています。

痛くない入れ歯 シリコン入れ歯とは?

ここでひとつ大事なことなんですが、シリコン入れ歯を作れば、必ず痛くないというわけではありません。

シリコン入れ歯は、作り方がとても大事です。

単に「痛みが取れないなら、シリコンで作ればいい。」と安易に手を付けると、患者さんの信頼を損ねます。

私もセミナーを受けたり、歯科技工士さんに教えてもらいながら、色々と試行錯誤を繰り返して、それなりの結果が伴うようになりました。

ですのでシリコン入れ歯を作る時は、毎回「今回はどうだろう、いけるかな。」というプレッシャーを感じています。

そして今回は、患者さんご本人ではなく、親御さんの治療、しかも既に高額な入れ歯を作って大きな出費されている。

「もしこれで上手くいかなかったら…。」と、普段より大きなプレッシャーを感じました。

しかし「期待してご相談して下さった思いに応えたい。」「今度こそ、痛くなく噛めるようになって欲しい。」という思いから、難しいケースでしたが、引き受けることにしました。

仮の入れ歯作りからスタートし、シリコン入れ歯の完成まで、何度か通って頂きました。

シリコン入れ歯の完成後は、少し痛みが出ましたが、数回の調整で良くなり、痛みが全くなく噛めるようになり、ご本人様から感謝の言葉を頂き、ホッと安堵しました。

ありがたいことに日々の診療でも感謝の言葉を頂いていますが、このように困っていらっしゃる患者さんを何とかして差し上げられた時に、頂く感謝のお言葉は、とても励みになります。

自分に自信と力を与えてくれます。

 

今の若い世代に方々は、歯が健康で虫歯も減りました。

しかし、私の親世代(昭和20年代生まれ)の方は、まだまだ歯で苦労されている方が多いのが現状です。

20年くらい前に予防歯科の大家といわれる有名な先生のセミナーを受けたことがあります。

そのセミナーで講師の先生が

「過去の治療が多く、悪い箇所が多い人に予防歯科をやっても、もう遅い。」

「そうじゃなくて、まだ歯が悪くない人を、悪くしない予防歯科をしましょう。」

とおっしゃっいました。

その先生は、今まで散々治す治療をしたけれど、何年も経つと結局ダメになることの繰り返しが嫌になって、予防歯科を始めたそうです。

おっしゃっていることの意味は分かるのですが、「歯が悪い人の予防するのは、もう遅い。」と切り捨てるような言い方をされた時に、それまで熱心に講義を聞いていた気持ちが、サーっと覚めていった記憶があります。

「歯が悪くて、苦労をしたけれど、少しでも自分の歯を大切にしたい。」

「これ以上悪くなりたくない。」

と、真剣に思っている方がいらっしゃいます。

そういう方に頼っていただける歯医者でありたいと、いつも思っています。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

画像で見る歯根破折

 

歯根破折といって、歯の根が割れてしまった歯のレントゲン画像です。

解説します。

赤の2本は、元々1本だった根っこが割れて、2つに裂けてしまった状態です。

真ん中の青いのは根管充填剤といって、歯の神経を抜いた管に詰める固形の薬です。

骨折しても、骨はくっついて治りますが、歯の根っこは割れてしまうと、

くっつくことはありません。

この歯を実際にお口の中で見ると、こういう風に見えます。

 

解説します。

赤丸の部分の歯ぐきが腫れています。矢印の部分は歯の縦に亀裂が入った様子が見られます。

この歯は大きい奥歯で、根が3本ありますが、そのうちの1本が折れており、他の2本もダメージがかなり大きかったので、無理に残しても数年持つかどうかという状態でした。

患者さんとよく話し合って、抜歯することになりました。

歯根破折を起こしてしまう歯のほとんどが、過去に虫歯で神経を抜かれた歯です、

歯が痛くて、歯の神経を抜くと、痛みは無くなるのですが、いつか歯根破折を起こすリスクを背負うことになります。

歯根破折を防ぐには、歯の神経を抜くような虫歯を作らないことが一番の予防策です。

しかし残念ながら既に歯の神経を抜いてしまった歯には、なるべく歯根破折をおこさないような治療を施してあげることが、歯の寿命を延ばす秘訣です。

抜歯を防いだファイバーポスト

 

実際のケースを見てみましょう。

金属のメタルコアを除去して、ファイバーポストに置き換え、歯根破折のリスクを軽減したケース↓ 3本の歯にそれぞれメタルコアが入っています。

 

メタルコアを除去しました↓

 

代わりにファイバーポストを入れて、レジンコアで補強しました。

ここまでの治療を終えて、その後のベストの治療は、歯が無いところはインプラントを入れて、歯がある所は繋げて被せないで、それぞれ単独で被せ物をいれる事です↓

ブリッジをやめて歯の喪失リスクを下げる。

患者さんにブリッジとインプラントのメリット・デメリットをお話ししたところ、今回はブリッジを選択されましたので、ブリッジによる歯根破折のリスクを少しでも下げるために、すべての歯のメタルコアをファイバーポストに置換しました。

以上「画像で見る歯根破折」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

ホワイトニング どこまで白くなる?

今回はホワイトニングで歯がどこまで白くなるかのお話ですが、

通常の歯のホワイトニングではなく、変色した歯のホワイトニングについてです。

歯の色が生まれつき、変色している方がいらっしゃいます。

後からついた黄ばみやステインはクリーニングで落ちますが、

歯の変色は、歯の内部の変色ですので、クリーニングでは綺麗になりません。

また、ホワイトニングをしても、通常の歯と比べて白くなるのに限界があります。

今回、そんな患者さんのホワイトニングをおこないました。

ホームホワイトニングで2か月くらい頑張って頂きました。

before

After

通常のホワイトニングと比べれば、白さは足りないかもしれませんが、患者さんは、とても満足されていました。

私も当初想像していたよりも白くなって、嬉しかったです。

  • 患者さんの希望  歯を白くしたい
  • 診断  歯の変色
  • 治療方法  ホームホワイトニング
  • 治療期間  1~2か月
  • 費用の目安  38,500円~
  • 治療リスク  一過性の知覚過敏が起こる場合があります。ホワイトニングの効果は個人差があります。

ホワイトニングについてはこちらも参考にどうぞ↓

ホワイトニングいいね

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

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