歯医者さんのレーザーって何が出来るの?

歯科医院にあるレーザー治療器。

どんな治療に使うんでしょう?

歯科用レーザーにも、色々な種類があるのですが、

レーザーでよく使う処置といえば

➀口内炎を治す。

➁歯ぐきの腫れを引かせる。

➂知覚過敏を楽にする。

➃歯ぐきを切る。

➄出血を止める。

 

などです。

しかし、実は➀~⑤は、レーザでなくても、他の治療方法でも代用可能です。

口内炎なら、塗り薬や貼り薬があります。

歯ぐきの腫れなら、軟膏や抗生物質。

知覚過敏なら、塗り薬やコーティング剤

歯ぐきを切るなら、メスや電気メス。

出血を止めるなら、縫合や止血剤を入れる。

代わりがあるのに、なぜレーザーをわざわざ使うのかといいますと、

レーザーは治療中の痛みや、術後の痛みが少なかったり、傷の治りが早かったりと、代わりの治療より、患者さんに優しく楽なことが多いからです。

たとえば、口内炎の処置は、即効性(痛みがすぐ無くなる)の高いことが、メリットです。

口内炎に塗ったり、貼ったりする薬は、効果が出るまで時間がかかります。

他にも、メスの代わりにレーザーで切ると、傷を縫わなくても大丈夫です。

歯を抜いた後も、縫う場合はあるのですが、レーザーを当てることで、縫う必要がほとんどなくなります。

更に歯を抜いた傷を縫っても、血が止まりにくい場合は、表面にレーザーを当てることで、人工的な瘡蓋(かさぶた)が出来て、血が早く止まります。

 

歯を抜いた後に、レーザーを照射したケースを紹介します。

持病をお持ちの方で、血液をサラサラにするお薬をお飲みだったことと、かなり悪くなってから抜いたので、抜いた後の出血がかなりありました。

ガーゼの圧迫を解除すると、口の中がすぐに血でいっぱいになるくらいです。

このような場合は、歯を抜いた穴を器具で綺麗にし、止血剤の一種を詰め込み、絹糸で縫合、止血の基本である圧迫止血を十分におこない、出血が治まったころに、レーザーを照射して、再度の出血を防止します。

黒くなっている部分が、人工的に瘡蓋(かさぶた)を作ったところ↓

 

当院のレーザーは、炭酸ガスレーザーというレーザー機器で、日本の歯科医院で、1番普及しているタイプのレーザーです。

レーザーで治療と聞くと

「怖っ。」

「痛そっ。」

と、思うかもしれませんが、

痛みは、ぼぼ無く、傷跡も早く治るので、むしろ体に優しい治療です。

炭酸ガスレーザーは、皮膚や歯ぐきの深い所まで、レーザー光線が浸透しないので、他のレーザーに比べて、安全性が高いレーザーです。

現在、日本の歯科医院のレーザー普及率は25%程度とのことで、4軒に1軒くらいの割合で、導入されているようです。

口内炎を早く治す には?

以上「歯医者さんのレーザーって何が出来るの?」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

削らなくていい虫歯

治療するかどうか迷う虫歯にCO~C1といわれる虫歯があります。

虫歯の深さについてはこちら ↓

 

 

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白く濁っただけで、歯に穴の開いていないCO  は削りません。予防で充分に管理できます。

ちなみにCOはシーゼロではなく、シーオーと読みます。

オーはobservation(観察)のオーです。

COの画像↓ (LIONのHPより引用)

初期虫歯なら修復できる!|歯の健康基礎知識|ライオン

C1は浅い虫歯です。

自然に治ることはありませんが、しっかりメンテナンスしていれば、進行が停止することがあります。

ただ一見、C1に見えても、実は下の方まで進んでいて、C2という場合もあります。特に、お子さんの歯に多いです。

レントゲンで診断もできますが、C1とC2の中間ぐらいの浅い微妙な深さだと、レントゲンには映らずに、診断が難しい場合があります。

そんな時は、どうするか?

とりあえず削ってみる?

削ってみて虫歯じゃなかったら?

歯は1回でも削ると、寿命が短くなります。

では、

削らずに経過観察する?

もしC2だった場合は、何もせず、経過観察していては、虫歯はどんどん進行してしまいます・・。

治療するかどうか迷う虫歯。。。

そんな時は、ダイアグノデントペンという診断器具を使います↓

虫歯に部分にレーザー光を照射して、虫歯の深さを削らずに測定することが出来ます。

レーザーといっても、無痛で歯に影響は全くありません。

検査自体は、1分もかからず終わります。

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この機器を使用することで、初期虫歯の診断精度が向上します。

削るか、削らないをあいまいにしません。

一旦削らなくても良いと診断されても、定期的に進行していないかは、定期検診を受けて、チェックすることが大切です。

以上「削らなくていい虫歯」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

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https://www.sasayama-dc.com/information/index.html

歯周病の本当の原因

歯医者さんで

「だいぶ歯石が付いていますね、取らないと、歯周病で歯が抜けます。」

と言われたことはないですか?

多くの方がご存じないのですが、

歯石は歯周病の原因ではありません。

「え?じゃ歯石を取らなくてもいいの?」」

と思われませんか?

そうでもないんです。

「じゃ、どっち?」

と思っちゃいますよね。

解説します。

歯石は歯垢に唾液や血液に含まれるカルシウムなどの石灰化成分が沈着し、

石のように硬くなったものです。

本当に石のような物ですので、

歯石そのものに、歯を悪くする要素はありません。

しかし歯石の表面はザラザラとしています。

イメージ的には、軽石やサンゴのような感じです。

ですので、ザラザラした歯石の表面には、更に歯垢が付きやすくなります。

つるつるより凸凹した面の方が、汚れは付きやすいですね。

しかも歯ブラシを当てても、ザラザラの面についた歯垢は落ちにくいんです。

そうすると、口の中の歯垢の量は、更に増えてしまいます。

歯周病の原因は、歯周病菌です。

歯垢には、生きた歯周病菌がいっぱいいます。

こちらをご覧ください↓

自分の歯周病菌を見たことがありますか? 位相差顕微鏡とは?

ですので、歯周病の予防や治療をするには、歯垢の足場になる、歯石を取った方がいいのは本当なんです。

それでも歯垢は、歯石だけでなく、歯のあらゆる面に付きます。

歯垢は歯ブラシや歯間ブラシ、フロスで落ちます。

つまり歯周病の予防や治療には、やっぱり

歯磨きなどのセルフケアが一番大事なんです。

日々のセルフケアを頑張っても、歯垢は溜まりますし、歯石は歯磨きでは落ちません。

セルフケアで落としきれない部分を、歯医者さんで定期的にフォローするのがベストです。

なので、

定期的なクリーニング

が有効です。

ということで、歯周病の原因は歯石ではなく、

歯周病菌だということが分かりました。

言い換えると、歯周病菌がお口に居ない人は

歯周病菌にならないんです。

しかし、

地球上で一番感染者が多い病気は

歯周病です。

あのギネスブックにも公式に掲載されているそうです。

35歳以上の90%の人は、歯周病を発症しているといわれます。

歯周病菌に感染していない人の方が、圧倒的に少ないんですね。

「歯ぐきも腫れていないし、歯もグラグラしていないから

自分は残りの10%かも。」

と思われるかもしれませんが、

歯周病には程度があります。

このような状態は重度の歯周病ですが、

軽度の歯周病では、日常生活においては

歯ぐきから血が出たり、歯がグラグラすることはありません。

自覚症状がなくても、歯医者さんでご自身が、歯周病かどうかをみてもらうほうがいいと思います。

歯周病かどうかの検査は、どこの歯医者さんでもできますので、歯周病かどうか気になる方は、検査を受けることをおススメます。

以上「歯周病の本当の原因」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

セラミックの10年後

11年前に医院を継承した時に購入した口腔内撮影用カメラ。

NIKONのD3200の歯科仕様です。今も壊れることなく現役で使えています。

購入してしばらくした時にに、セラミック治療をした患者さんの写真を撮影しました。

先日その患者さんが定期健診でいらしたので、そのセラミックの11年後を撮影しました。

上の前歯6本をセラミックです。

2012年

 

2023年

セラミックと歯ぐきの境目に部分の歯ぐきが少し下がって、歯の根が見えていますが、経年的変化の範囲内といえます。その他に問題はありません。

患者さんにも、このビフォーアフターをモニターで見ていただきました。

患者さん「もう10年経ちましたか~。」

私「あっという間ですね~。」

患者さんは、父の代から通われていて、50年近く当院に通っていらっしゃいます。

初めて当院に来た時は、お子さんがまだ赤ちゃんで、色々大変な時期だったそうですが、父の医院は「予約通りに診療してくれて、待たされない。」と聞いて、来院してくださったそうです。

当時の昭和40年代の歯医者さんは、予約制はまだまだ浸透しておらず、来た順に診るのが普通でした。

虫歯が多かった時代なので、1時間待ちは当たり前だったようで、その頃に予約制で予約時間を守るというのは、斬新だったのかもしれません。

当時は、今の医院から車で20分くらいの場所で開業していたのですが、現在地に移転したあとも、車で通って下さっています。

いつもメンテナンスに欠かさずお越し頂きありがとうございます。

これからも歯の健康を少しでも長く維持できるようお手伝いさせて頂きます。

以上「セラミックの10年後」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

*当院への受診を検討されている方のメール相談はこちらから↓

https://www.sasayama-dc.com/information/index.html

「先生、勉強好きですね。」

先々週に続き、同じセミナー会場でインプラントの勉強をしてきました。

 

 

「ベーシックインプラントロジー」

当院が使用しているインプラントメーカー、ストローマン社主催のセミナーです。

インプラント初心者から年間20ケースくらいまでの歯科医を対象にしたインプラントの基本を学ぶセミナーです。

 

最初にこのセミナーを受けたのは2013年で、受講は今回で5回目でした。

基本を学ぶセミナーですが、内容は毎回同じではなく、その時々の講師の先生の得意な分野や、最新の知見も得られますので、多くの学びがあります。

インプラントは、診断や治療計画がとても大事で、治療の成否の9割を占めています。

その次に基本を徹底した丁寧な外科手術をおこなうことで、術後の痛みを減らし、傷の治りを早くします。

慣れてくると自己流になってしまいがちですが、こうして基本に立ち返ることは、大切です。

 

ところで、医師や歯科医には、免許の更新というものがありません。

免許を取得すれば、勉強しなくても、勉強していても、ずっとその立場にいられます。

インプラント治療も歯科医の免許があれば、おこなうことが可能です。

ですので、インプラント治療をするための免許はありませんが、この「ベーシックインプラントロジー」は、車の運転免許の更新のように、インプラントの知識と技術の更新と思って、数年おきに受けています。

5回目の受講ですが、インプラント治療も年々進化し、考え方や治療のエビデンスが更新されていました。

勤務医の頃は、時間に余裕もあり、セミナーで学ぶ時間もありますが、開業すると、ほとんどの歯科医は、プレイングマネージャー(経営と治療の両方)になりますので、学ぶ時間を意識的に確保しなければなりません。

同業の先生から「先生、勉強好きですね。」と何度か言われたことがあります。

歯科の勉強が好きか嫌いかと言われれば、好きです。

ただ、趣味とは違うので、それなりに時間と労力はかかっています。

そして、技術や知識をアップデートとすることは、国家資格の免許を持っている者として、普通のことだと考えています。

開業して11年が過ぎましたが、これからも基本を大切に学び続け、通い続けて下さる患者さんのお口の健康を守る責任を果たしたいと思っています。

 

この日の大阪。やや曇り模様

大阪市役所の朝

夕方

 

研修の修了証を頂きました。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院