院長の笹山です。
今回は審美歯科についてです。
今までに何度か患者さんから
「先生の医院は審美歯科をしていますか?」と聞かれたことがあります。
なぜ聞かれるかと自分なり解釈しますと、
多分、審美歯科=美容というイメージをお持ちになっていて、審美歯科治療は美容歯科クリニックで受ける治療を思われているのだと思います。
当院は審美歯科専門医院ではありませんが、日常的に審美歯科治療をおこなっています。
入れ歯もインプラントも子供の矯正も口腔外科も、普通の虫歯治療もおこなっています。
審美歯科治療を受ける場合、一般的な歯科医院と美容整形などをおこなう美容クリニックの歯科部門の2択になります。
美容クリニックの歯科部門といえば「YES!●●クリニック!」や「湘●美容外科~♪」
がそれに相当します。
一般的な歯科医院と美容クリニックでは治療方法に違いがあるのでしょうか?
美容クリニックの審美歯科治療の目的は、見た目を早く綺麗に整えることです。
歯並びを治したいけど、矯正治療をする時間がない場合や、矯正治療をしたくない場合は、差し歯で歯並びを綺麗にします。歯並びの凸凹が酷い場合は、歯を抜いてブリッジにして歯並びを整えます。
また、虫歯で前歯ボロボロになってしまった場合や、歯の大きさや形が気になる場合などで、早く治したい場合も差し歯をかぶせて綺麗にします。
歯並びや歯の形を変えるために、歯の向きや方向を変える場合、歯を削る量がかなり多くなりますので、後で痛みが出にくいようにあらかじめ歯の神経を抜きます。
美容歯科のゴールは見た目や歯並びを綺麗にすることですから、そのために歯を抜くことや、歯の神経を抜くことに躊躇はありません。
最短期間で歯並びや見た目を綺麗にすることを最優先にします。
また、差し歯の色も一般の歯科医院で被せる歯の色よりも、かなり白く明るい色で作る場合が多いです。
一般の人にとっては、やや不自然かなと思われる白さですが、美容を求める人は普通じゃない白さが喜ばれます。
一方で一般的な歯科医院で受ける審美歯科の場合、美しさと機能性の両方を追求しますので、見た目を最優先にしつつ、安易に歯や歯の神経を抜くことはありません。
神経を抜いたり、歯を抜かないと歯並びが綺麗に出来ないケースでは、まずは矯正治療をお勧めします。矯正治療で歯並びを治せれば、時間はかかりますが、歯を抜くことも歯の神経を抜くことも基本的にありません。
矯正治療をおこなわず、差し歯で見た目を治す場合でも極力歯の神経を抜かずに処置します。そのため、美容歯科よりも手順が増えますので、治療期間は長くかかりますが、結果的に歯を長持ちさせることにつながります。
また芸能人の歯の色を見て気づくかたもいらっしゃると思いますが、かなり白いです。あのような白さは芸能人の方には映えるのですが、一般の方があの白さの差し歯をすると結構目立ちます。
一般歯科でおこなう審美歯科治療では、患者さんの好みもありますが、基本的に極端に白くするようなことはせず、天然の歯と見分けがつかないような自然な差し歯をいれることを目的としています。
以上をまとめますと、
美容クリニックの歯科では、
歯並びや歯の色を綺麗にすることを最優先し、最短期間で治療をおこなう。そのために歯を抜いたり、歯の神経を抜くこと可能性がある。
早く綺麗にしたい人には向いているが、歯を抜いたり、神経を抜くと歯の寿命は短くなるので、長持ちという点では少し不安が残る。
差し歯の色はかなり白く明るめの歯が多い。
一般歯科の審美歯科では、
周りに調和した自然な歯の色の差し歯を、なるべく歯や神経を抜かずに入れる。治療の手順が多くなるので、症例によっては治療期間が長くなりますが、その分神経や歯を抜かないので、差し歯は長持ちします。
という感じになります。
*すべての美容歯科クリニックや一般歯科の審美歯科が、そうであるわけではありません。
どちらで治療を受けるにしても、歯は削ってしまうと元通りにはなりませんので、歯を何本も同時に綺麗にしたい場合は、慎重に病院選びをすることをお勧めします。
お勧めの医院選びの方法ですが、
審美歯科治療目的で歯科医院を受診する際には、医院の雰囲気などに惑わされないように、先生が手掛けた実際の症例を見せていただきましょう。
審美歯科に長けている先生は、自分で治療した類似ケースのびbefore&after写真を見せてくれるはずです。
当院は都心でもありませんし、審美歯科にだけ力を入れているわけではありませんが、審美歯科治療をおこなう際は、必ず私自身が治療した類似ケースの症例写真を見ていただきます。
その類似ケースの審美性(自然な美しさ)が、ご自身の望むレベルでは無ければ、別の医院でカウンセリングを受けられるのがいいと思います。
当院の審美歯科ケースの1例
向かって右側の大きな前歯の先が欠けています。
歯が一部欠けただけでしたので、欠けた部分だけ詰めて済ませる予定でしたが、術前の検査で歯の神経が既に壊死していることが判明しました。神経のない歯は噛み方により、詰めるだけでは歯が折れる可能性があります。そのため歯の根の治療をおこなってから、セラミック歯で被せることになりました。
歯の根の治療前にレントゲン写真。電気歯髄診断で神経が壊死していることが分かりましたので歯の神経の治療をしてから始めます。
歯の根の治療後
歯型取りの前のシェードテイキング。
シェードテイキングでは、セラミック歯の色調を周りの歯に自然に調和させるため、色見本を入れた状態で写真を撮影します。歯科技工士さんがPCでこの画像を見ながら、セラミック歯を周りの歯と調和させるために完全ハンドメイドで作ります。
セラミッククラウンの装着後。差し歯っぽく見えないように自然に調和した色調に被せ物を装着しました。↓
元々、歯ぎしりや噛みしめが強い患者さんでしたので、セラミックに強い負荷がかからないような、咬み合わせを付与しました。
当院では、このように周りの歯に自然に調和した歯を作ること審美歯科治療の目的としています。
以上「審美歯科…普通の歯医者と美容クリニックのどっちで受ける?」でした。
宝塚市の歯医者 笹山歯科医院