新年の診療も3日目に入り、いつものペースに戻ってきました。
年末年始は毎年恒例で、ついついダラダラと食べ過ぎてしまうので、胃腸がお疲れさん状態ですが、仕事が始まって間食出来なくなるので落ち着いてきました。
さて。
時々患者さんから
「歯磨き粉は使ったほうがいいいですか?」
とご質問をいただくことがあります。
まず何故このような質問があるかといいますと
「歯磨き粉を使うと歯が削れてしまう。」
「フッ素は体に良くない。」
というような情報をどこからお聞きして、疑問に思う方が多いようです。
私は・・・
「使ったほうがいいですよ」
とお答えしています。
歯磨き粉で歯が削れたり、フッ素が体に害を及ぼすというのは誤った使用方法でのみ起こります。
通常の使い方であれば、そのような問題は起こりません。
歯磨き粉の主な効果は、フッ素による虫歯予防、ステイン(着色)の付着防止です。
他にステインの分解や、知覚過敏防止、歯肉の血行促進、歯周病菌の殺菌などのプラスαの効果がある歯磨き粉もあります。
歯磨き粉をつけないと、歯に着色がつきやすくなり、フッ素の虫歯予防効果が期待できなくなるので虫歯になりやすい人はリスクが高まります。
それでは歯磨き粉をつけないことは全く意味が無いか?
そんなことはありません。
歯磨き粉をつけないと泡立ちがないので、長時間磨けます。
また口の中が刺激され、唾液がどんどん出ます。唾液をどんどん出すことは、お口と全身の非常に大事です。
唾液にはフッ素と同様に、殺菌効果や虫歯を予防する効果があります。
また若返りホルモンの分泌にも関係しているといわれ、ドライマウスにも効果的です。
とは言っても、歯磨き粉をつけないと先ほど書いたようなデメリットもあります。
でも・・
騙されたと思って、一度歯磨き粉無しで歯を10分間磨いてみてください。
歯磨き粉を使った時とは、違うスッキリ感を実感していただけると思います。
そして10分間磨いたら、歯の表面を舌で触ってみてください。
ツルツルになっていると思います。
もしかしたら、歯磨き粉を使ったときよりもツルツルになっているかもしれません。
コツは ”ふつう” もしくは ”やや硬め” の歯ブラシを使うことです。
”やわらかめ” はNGです。
歯磨き粉は歯垢を分解する効果はあるのですが、その泡のせいで、歯ブラシが歯の表面を滑りやすくなり、逆に歯垢を落とす効率が落ちていることもあるのです。
2日に1回くらいは歯磨き粉無しの
「じっくり歯磨きタイム・・」
トライしてみてはいかがでしょうか?