歯医者さんで
「だいぶ歯石が付いていますね、取らないと、歯周病で歯が抜けます。」
と言われたことはないですか?
多くの方がご存じないのですが、
歯石は歯周病の原因ではありません。
「え?じゃ歯石を取らなくてもいいの?」」
と思われませんか?
そうでもないんです。
「じゃ、どっち?」
と思っちゃいますよね。
解説します。
歯石は歯垢に唾液や血液に含まれるカルシウムなどの石灰化成分が沈着し、
石のように硬くなったものです。
本当に石のような物ですので、
歯石そのものに、歯を悪くする要素はありません。
しかし歯石の表面はザラザラとしています。
イメージ的には、軽石やサンゴのような感じです。
ですので、ザラザラした歯石の表面には、更に歯垢が付きやすくなります。
つるつるより凸凹した面の方が、汚れは付きやすいですね。
しかも歯ブラシを当てても、ザラザラの面についた歯垢は落ちにくいんです。
そうすると、口の中の歯垢の量は、更に増えてしまいます。
歯周病の原因は、歯周病菌です。
歯垢には、生きた歯周病菌がいっぱいいます。
こちらをご覧ください↓
ですので、歯周病の予防や治療をするには、歯垢の足場になる、歯石を取った方がいいのは本当なんです。
それでも歯垢は、歯石だけでなく、歯のあらゆる面に付きます。
歯垢は歯ブラシや歯間ブラシ、フロスで落ちます。
つまり歯周病の予防や治療には、やっぱり
歯磨きなどのセルフケアが一番大事なんです。
日々のセルフケアを頑張っても、歯垢は溜まりますし、歯石は歯磨きでは落ちません。
セルフケアで落としきれない部分を、歯医者さんで定期的にフォローするのがベストです。
なので、
定期的なクリーニング
が有効です。
ということで、歯周病の原因は歯石ではなく、
歯周病菌だということが分かりました。
言い換えると、歯周病菌がお口に居ない人は
歯周病菌にならないんです。
しかし、
地球上で一番感染者が多い病気は
歯周病です。
あのギネスブックにも公式に掲載されているそうです。
35歳以上の90%の人は、歯周病を発症しているといわれます。
歯周病菌に感染していない人の方が、圧倒的に少ないんですね。
「歯ぐきも腫れていないし、歯もグラグラしていないから
自分は残りの10%かも。」
と思われるかもしれませんが、
歯周病には程度があります。
このような状態は重度の歯周病ですが、
軽度の歯周病では、日常生活においては
歯ぐきから血が出たり、歯がグラグラすることはありません。
自覚症状がなくても、歯医者さんでご自身が、歯周病かどうかをみてもらうほうがいいと思います。
歯周病かどうかの検査は、どこの歯医者さんでもできますので、歯周病かどうか気になる方は、検査を受けることをおススメます。
以上「歯周病の本当の原因」でした。
皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。
宝塚市の歯医者 笹山歯科医院