食事などで噛むと痛みがあって、歯医者さんに行って、レントゲンを撮ったり、細かく見てもらったけど、虫歯でも歯周病でもないといわれた。
でも痛い。
こんな時に考えられる原因の1つとして、
「歯根膜炎。」
というものがあります。
歯根膜の炎症です。
では歯根膜とはどんなものなのでしょう?
下図をご覧ください。
歯根膜とは、歯の根の表面と、歯槽骨といわれる顎の骨を結び付ける繊維性の結合組織です。食べ物を噛む時、歯にかかる力を吸収・緩和し、歯に加わる力が直接歯槽骨に伝わるのを和らげるクッションの働きをしています。*ライオン歯科衛生研究所様のHPより改変引用
ここで「噛む時」という表現がありますが、人間が実際に食事中に噛んでいる時間は1日の中で数分です。
例えば食事を20分したとしても、20分間ずっと噛み続けているわけじゃないですよね。
つまり、余程硬い物を食べ続けたとかでなければ、それだけで歯根膜が傷むほどの負荷はかかりづらいです。
ここまで書くともうお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、歯根膜にもっとも負荷をかけるのは、
噛みしめや食いしばり
です。
歯が痛む原因の多くはこれなんですが、認知度が低いので、
どうしても歯が痛いと「虫歯?歯周病?」と思ってしまうんです。
もちろん歯の痛みの原因は「虫歯」、「歯周病」、「噛みしめ・食いしばり」以外にもありますが、
この3つは、
3大歯の痛みの原因
といってもいいくらいで、嚙みしめ・食いしばりも他の2つと同等と言っていいと思います。
自覚症状としても、噛むと痛いがメインです。
歯根膜炎ですので、噛まなければ痛くないことが多いです。
たとえば足首を捻挫していて、歩くと痛いけれど、歩かずに座って入れば痛くないという感じです。
痛みが強い場合は歯医者さんで嚙み合わせ調整することもありますが、基本的には1週間程度で治まるので、極力削っての嚙み合わせ調整はしない方がいいです。
それよりも痛みが治まった後に再発しないように対策することが大事です。
対策についてはこちらを参考にどうぞ↓
こぼれ話
その昔、横浜で勤務医をしていた頃、職場の仲間に誘われて、富士急ハイランドに行ったことがあります。
私は高い所が苦手で、ジェットコースターなど絶対乗らないのですが、後輩の先生に丸め込まれて、フジヤマに乗ることになってしまいました。
*画像は富士急ハイランドHPより引用
フジヤマに乗っている時に怖すぎて、下を向いて、ずっと歯を食いしばっていたら、歯根膜炎になってしまいました(T_T)
その後、山梨名物の”ほうとう”を食べに行ったのですが。まだ痛かったので、柔らかい”ほうとう”で良かったです。
*画像は農林水産省HPより引用
過度な噛みしめは、歯根膜炎を起こしますのでご注意ください。
以上「虫歯でも歯周病でもない歯の痛みの原因」でした。
皆様のお口の健康増進のために参考になれば幸いです。
宝塚市の歯医者 笹山歯科医院