院長の笹山です。
時々患者さんから時いただくご質問です。
「先生、歯を強くするためにカルシウムを多く取った方がいいですか?」
結論から言いますと、
「生えた後の歯はカルシウムを摂っても強くなりません。」
妊婦さんがお腹の赤ちゃんのためにカルシウムを摂ったり、お子さんがこれから生える永久歯のためにカルシウムをとると、少しは効果がありますが、それも限定的です。
生えた後の歯に後から栄養を追加しても強くはならないんです。
妊婦さんもお子さんも不足しない程度にカルシウムを普通に摂取していれば大丈夫です。
それでは歯を強くする方法はないのかと言いますと、
「あります。」
お子さん限定になってしまうのですが、
生えたての歯がフッ素を十分に取り込むと
歯の表面のエナメル質の結晶構造が硬く強くなります。
生えたての歯は、エナメル質が未成熟で弱いのでとても虫歯になりやすいです。
歯医者さんで定期的にクリーニングをして、高濃度フッ素を塗布すると、未成熟なエナメル質は通常よりも早く、強く、硬くなります。
成人以上の方にはフッ素でエナメル質を強くする効果はありませんが、フッ素は歯磨き粉だけでなく、食べ物やお茶や水道水にも含まれていますので、段々と自然に強くなっていき、歯が生えて数年たつとエナメル質は自然に成熟します。
しかし、いずれの場合も元々エナメル質の持っているポテンシャル以上には強くなりません。
今は学校が春休み中ですので当院にも定期検診に訪れるお子さんが多いです。
みんなにしっかりクリーニングしてフッ素を塗布しています。
そして、歯を丈夫に保つためには、とにかく虫歯にならないことです。
歯は一度でも虫歯になってしまい、歯の表面のエナメル質という人間の体で最も硬い構造物を削ってしまうと、詰めたり、被せたりして人工物で治しても、どうしても虫歯が再発しやすくなります。
以上、歯とカルシウムの関係についてでした。
宝塚市の歯医者 笹山歯科医院