院長の笹山です。
歯医者を変えてセカンドオピニオンを聞きに行ったら「被せ物は全部やり直した方が良くて、期間は年単位でかかる。」と言われたけれど、その前の歯医者では、被せ物についてやり直しと言われたことがない。
「どっちが正しいの?」患者さんは混乱して、当院にいらっしゃいました。
なぜこんなに治療方針が違うのでしょう?
一度治療した被せ物や詰め物について、装着当初のまま完璧な状態を維持している物はほぼ存在しません。
少しすり減っていたり、変色していたり、ルーペなどで拡大して見ると少し隙間があったり、歯と歯の間が若干空いていて、食べ物が挟まりやすそうだったり。
そういう少しでも問題がある、もしくは問題がこれから起こりそうな物は全部やり直した方がいいという考えの先生は確かにいらっしゃいます。
間違いではないと思いますが、私の考えは少し違います。
これは臨床経験の年数にもよると思いますが、完璧でなくても、意外に長く機能する被せ物や詰め物はあります。
大切なことは、そういう歯について患者さんに情報提供はおこない、どうされるかは患者さんに選択権があるように説明することだと思います。
たとえば
「この被せ物はだいぶ古いようですので、接着剤などは剥がれてきて、外れることが今後あるかもしれません。」「私の経験ではすぐにやり直す必要はなさそうですが、○○さんが今後問題が少しでも起きることが心配であれば今回やり直しすることも可能です。」
や、
「この詰め物は少し隙間がありますが、○○さんは歯ブラシがよく出来ているので、しっかり磨いていれば問題は起きにくいと思います。これからメンテナンスしながら、やり直す必要があるか経過観察していくのがいいかと思いますが、どうでしょう?」
などです。
そこで患者さんから
「悪くなる少しでも可能性があるなら、今やり直したい。」
などのご希望があれば、今回やり直すこともありだと思います。
しかし、ほんの僅かな問題があるかないかのレベルの物を全部やり直すというのを現実的に考えますと、相当な時間と費用がかかります。
年単位はさすがにあまり経験しませんが、数か月、半年などはあり得ます。
それでしたら、この歯は確実にやり直した方がいいという歯のみ治療して、後の歯は数か月ごとのメンテナンス(定期健診)を受けながら、その時、悪化していないかなどをチェックするのが良いと私は考えます。
実際に歯磨きがある程度上手に出来ていて、検診やクリーニングを欠かさない患者さんは、僅かな問題のある程度の詰め物や被せ物は悪化しないことが多いです。
このブログをご覧いただいたている方のお口の中にも、10年前に入れた詰め物や被せ物が入っている方もいらっしゃると思います。
それらが装着当初の状態を維持しているとは思えませんが、大きな問題は起きていないはずです。
まだコロナも収束の見通しが立っていませんので、不要は判断が分かれるとしても、不急の治療はなるべく減らす必要もあると思っています。
以上「なぜ歯医者さんによって言う事が違う?全部やり直し?」でした。
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