先日、歯科衛生士学校の学生さんが見学に来てくれました。
せっかく見学に来てくれたので、私の診療を間近で見学してもらいながら色々とお話します。
当院では治療の技術や知識はもちろん、患者さんとコミュニケーションをどう図るかを大切にしています。
いくら知識があって丁寧に説明しても、患者さんが聴く耳を持ってくださらないと患者さんの心には響きません。
聴く耳を持っていただくには、聴くことと受け止めることが大事です。(私もまだまだ不十分ですが・・)
たとえば・・
当院が全く初めての新患の方が、しばらく歯のクリーニングを受けていなかったので、クリーニングを受けたいと来院されたとします。
お口を拝見するとプラークコントロールはいまいち。お話を伺うと、フロスや歯間ブラシなど補助器具の使用経験もありません。
その方にプラークコントロールの重要性や歯周病の病因論を説明することは大切なことです。
でも今日じゃないんです。
今日は「しばらく歯のクリーニングを受けていなかったので、受けたいと思われたんですね。」
「歯垢や歯石が溜まっていますので、今日はまず表面の汚れを落として、スッキリしましょう!」
の方がいいと思います。
今日はまず「しばらく歯医者に行っていなくて、問題があったらどうしよう・・スッキリしたい」と受け止めて実行します。
ここで患者さんの主訴は解決されました。
補助器具やその他の説明は、次回でいいと思います。
次回来院時には、患者さんは前回で主訴が解決されているので、話を聴く耳を持ちやすくなります。
技術や知識も大事ですが、こういうコミュニケーション能力を磨くことは大事です。
コミュニケーションは失敗しながら学ぶこともたくさんありますが、コミュニケーションは技術でもあるので、学ぶか、学ばないかだけで差がはっきり出ます。
これから社会人なる若い学生さんには、「職場の楽しいこと」をもっとアピールしたほうがいいかもしれませんが、そういうアピールがちょっと苦手です。
良いことばかり言っても仕事が始まれば、やっぱり最初は大変ですからね。
堅苦しい話になってしまいましたが、大事だと思うことをお伝えました。
見学を終えた後は「面接のご希望がありましたら、いつでも連絡ください」と挨拶してお見送りしました。
お疲れ様でした。見学に来てくれてありがとうございました。