歯の色って結構複雑です。
歯の先は半透明、根元の方は若干オレンジがかった不透明。
エナメル質と象牙質が織りなすグラデーション。
拡大鏡(治療用のルーペ)を使って歯を見ると実に複雑な色合いをしていることに気づきます。そして天然の歯の美しさを再発見します。
歯の色はよく見ると、人それぞれ色や形が結構異なります。
歯を作ってもらう歯科技工士さんには、歯の色を指示しなければなりません。
「白い歯で」「ちょっと黄色い歯で」ではダメなんです。
被せ物の歯の色を合わせるには、シェードガイドというものを使います。↓
美容室でいうカラーの色見本のようなものですね。
シェードガイドにピッタリあえば、その色のコードを歯を作る歯科技工士さんに伝えるだけ。
歯に合う色がない場合は・・
近い色のシェードガイドを入れて、一緒に歯の写真を撮ります。(歯科仕様の一眼レフで)
この画像データをメールまたはメディアに入れて技工所に預けます。(個人情報の管理は徹底しています。)
歯科技工士さんが仕事場のPCで画像を見ながら色を合わせます。
ところがPCのモニターは画質や解析度はそれぞれ違います。
同じ画像なのにこっちのモニターでは黄色に見えて、あっちのモニターはやオレンジに見えてしまうとか。
そんなことのないように、撮影時にシェードガイドにキャスマッチというものを加えて撮影します。
このテレビのカラーバーのようなものを入れて、Photoshopなど画像編集ソフトを使うことで、違うPCのモニター間でも同じ色味を再現できます。
そこまですれば、シェードガイドに合わない特殊な色の歯でも、大抵は再現可能です。
審美歯科において、歯の色を周りの天然歯に合わせる場合は、必須の治療工程です。
たとえば・・・
下の画像で向かって左上の差し歯。一度完成しましたが、色が合わなかったので修正することに。周りの天然歯がエイジングしており、色合わせのとても難しいケースです。キャスマッチとシェードガイドを入れて撮影(比色のため2つのシェードガイドを入れます) ↓
修正後。シェードが合いました。装着したばかりなので差し歯の淵の歯肉が若干赤いですが、すぐに馴染みます。↓
できるだけ多くの色見本から選べるようにシェードガイド(色見本)は十分に揃えています。一般的な歯科医院では1種類もしくは2種類なので、ちょっと多すぎですが(笑)
以上「色合わせ」でした。