患者さんから「これって本当ですか?」と聞かれることをまとめてみました。
①歯ぐきのマッサージは歯周病に効果がある。
歯周病の原因は歯周病菌ですので、プラークや歯石を取らないと治りません。
歯ぐきをマッサージすると血流が良くなり、気持ちは良いですが、歯周病は治りません。
②歯磨き粉ではなく、塩で磨くと良い。
塩に一定の殺菌作用はありますが、微々たるものです。
歯磨き粉のフッ素の方が、色々な意味で有効です。
塩は荒いので、歯の表面を傷つけます。
腫れている歯ぐきに使うと、炎症を悪化させる危険も伴います。
③歯磨き粉をつけない方が歯垢がよく落ちる。
歯磨き粉に研磨剤が入っていますので、歯磨き粉を使った方が、歯垢は効率的に落とせます。最近の歯磨き粉は低研磨剤を使用しており、歯の表面を傷つけることもほぼありません。
④硬い物を噛むと歯が鍛えられる。
硬いものを噛んでも歯は強くなりません。
年齢と共に歯の水分は少なくなり、歯も脆くなりますので、硬いものを噛むと歯が欠けたり、最悪の場合、歯が割れて抜歯に至ることもあります。
⑤カルシウムを摂ると歯が強くなる。
歯が生えた後にカルシウムを摂っても、歯は強くなりません。
また、歯の強さは生まれつき決まっています。妊娠中や赤ちゃんの時にカルシウムをたくさん摂ったとしても、強くなるわけではありません。
⑥妊娠出産すると歯が弱くなる。
歯そのものが物理的に弱くなることはありません。
ただ、妊娠中は一時的にホルモンバランスが崩れたりすることで、歯周病菌が増えて、歯周病が悪化することはあります。
また、妊娠中に酸っぱい物を好んで食べたくなる人がいるのですが、酸性の物を多く摂りすぎると、歯が溶けて虫歯になりやすくなります。
出産後も赤ちゃんのお世話で、お母さんの食事や歯磨きが不規則になってしまう事でも、虫歯や歯周病が悪化してしまう可能性があります。
以上「誤解している人が多い歯の迷信」でした。
皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。
宝塚市の歯医者 笹山歯科医院