入れ歯を卒業した患者さん「〇〇は友達にあげました。」

先代が開業した40年以上前から通院されている70代の女性の患者さん。

途中、事情があり数年間は他の医院さんに通われていたのですが、

私に代替わりしてから、10年前に再び通院されるようになり、私が初めて拝見した時は、右下の大きな奥歯が2本抜歯されて無くなっていました。

聞くと、前の歯医者さんで抜歯して、入れ歯を作ったけれど、違和感が強くて全く使っていないとのことでした。

右奥歯がないので、食事はほとんど反対の左側で噛むという生活を続けていらっしゃいました。

私は入れ歯治療に力を入れてきましたので、最高水準に違和感の少ない入れ歯を作りました。

患者さんも「これなら使える。」

と大変喜んでくださいました。

それから10年余り、メンテナンスを続けてきましたが、去年あたりから患者さんが

「やはり入れ歯の違和感が気になってきて、最近は付けずに食事をしていることもある。」

とおっしゃいました。

そこで私がインプラントを提案したところ、患者さんは

「入れ歯を入れなくても良いのなら。」

快諾されました。

右奥歯の2本の歯の無い部分に2本のインプラントを入れて、患者さんは何でも気にせず噛めるようになり、

入れ歯を卒業されました。

 

私が患者さんに

「そういえば、ずっと使っていた入れ歯洗浄剤はどうしたんですか?」

とお聞きしたら。

笑いながら

「全部、入れ歯の友達にあげました。」

とおっしゃいました。

こちらの患者さんに最初にインプラントの説明をした時に

「インプラントは怖いですか?」

とお聞きしたところ、

「別に怖くないです。」

とのことでしたが、やはりこの年代の患者さんはインプラントについて、

「怖い。」「痛そう。」

というイメージをお持ちの方が多いです。

 

私が治療の選択肢として、インプラントの説明する時も

説明し始めてすぐの段階で

「あ~。インプラントはいいです。」

と説明を遮られて、おっしゃる方もいらっしゃいます。

その理由は、

「怖いから。」

が圧倒的に多いです。

怖いという気持ちに対して、

こちらが「怖くないですよ。」

というのは、無理があります。

変なたとえですが、

バンジージャンプが嫌な人に

「大丈夫です。怖くないです。」

と言っているようなものなので、

怖さに関しては、どうすることも出来ません。

「インプラントも考えたいけれど、どうしても怖い。」

という方は、当院ではおこなっていませんが、

静脈鎮静法

という、眠ったような状態になり、意識のあまり無い麻酔方法で、インプラントをおこなえる歯医者さんもあります。

麻酔から目が覚めたら、手術が終わっているので、気持ちが楽に手術を受けられる方法です。

インプラントの痛みについて説明する時は、下の過去ブログのような内容を患者さんに説明しています。

インプラント手術は痛いですか?

話は逸れましたが、

入れ歯を卒業することの主なメリットをあげます。

①入れ歯ではなくなる。

当たり前ですが、入れ歯を入れていることにコンプレックスを感じている方もいらっしゃいます。入れ歯=老化と捉える人もいるので、入れ歯を卒業すると心理的解放がとても大きいです。

②入れ歯のトラブルが無くなる。

入れ歯は取り外し式で手軽な反面、壊れたり、痛みが出たりすることが、ブリッジやインプラントに比べて多いです。

当然修理できない場合や劣化が酷い場合は、作り直しとなり費用がかかります。

③入れ歯の手入れが無くなる。

入れ歯は食事のたびに外して洗う必要があり、1日1回は入れ歯洗浄剤で除菌しなければなりません。入れ歯洗浄剤を切らさないように定期的にドラッグストアにいきますし、当然お金もかかります。(月300円程度、年間3,600円)

こちらも参考にどうぞ↓

入れ歯で悩んでいる患者さん

入れ歯が痛くて使えない患者さん

 

入れ歯のままで良い方は、インプラントにする必要はありませんが、

「入れ歯が嫌だけど、インプラントは怖い。」という方は、一度先入観を捨てて、かかりつけの歯医者さんにインプラントの相談をしてみてはいかかでしょうか?

当院は、開業以来、入れ歯治療に力を入れてきましたので、入れ歯治療も得意としています。

インプラントはしたくないけれど

「もう少し今の入れ歯が何とかならないか?」

とお悩みの方は、入れ歯の相談だけでも構いませんのでご相談ください。

以上「入れ歯を卒業した患者さん 「〇〇は友達にあげました。」」

でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院